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養子縁組とはどのようなものか?普通養子縁組と特別養子縁組の違いについても詳しく解説!

養子縁組とはどのようなものか?
普通養子縁組と特別養子縁組の違い
についても詳しく解説!

養子縁組とは

養子縁組とは、ある人(養子)が他の人(養親)の法的な子どもとして迎え入れられ、親子関係が法律上成立する手続きです。養子縁組を通じて、養子は養親と法的に親子として認められ、養親は養子に対して扶養義務や相続権などの権利と義務を持ちます。養子縁組は、家族を作り直す手段として利用されるほか、相続や育成の目的でも行われます。

養子縁組には主に2種類があり、それぞれの特性や違いを理解することが重要です。これらは「普通養子縁組」と「特別養子縁組」と呼ばれ、両者には法的な意味合いや実務上の違いがあります。

1. 普通養子縁組

普通養子縁組は、養子が養親の子どもとして迎えられ、法的な親子関係が成立するものの、実親との親子関係は維持されるという特徴があります。

特徴:

  • 親子関係: 養子は養親の戸籍に記載され、養親との親子関係が成立します。ただし、実親との親子関係は断絶せず、そのまま続きます。
  • 相続権: 普通養子は養親から相続権を得ますが、実親からも相続権を持ちます。つまり、養子は養親と実親両方の相続人として扱われることになります。
  • 戸籍の記載: 養子は養親の戸籍に入り、実親の戸籍から外れることはありません(ただし、養子の選択によっては、実親の戸籍に記載されたままの状態もあります)。
  • 使用例: 普通養子縁組は、特に成人後の養子縁組や、親の支援を必要とする成人を迎える場合などに用いられることが多いです。

メリット:

  • 実親との関係が残るため、養子にとって精神的な安定感が保たれる場合があります。
  • 養親からの扶養義務が発生し、相続権も得るため、経済的な支援を受けやすくなります。

デメリット:

  • 養子が実親の相続権も持つため、相続に関しては複雑な問題が生じることがあります。
  • 養子が実親と養親の両方の関係を持つため、法的な権利や義務が複雑になりがちです。

2. 特別養子縁組

特別養子縁組は、養子が養親の子どもとして法的に迎え入れられ、実親との親子関係が完全に断絶される形式の養子縁組です。特別養子縁組は、未成年の子どもを養子に迎える場合に適用されることが多く、養子に対する法的な保護が非常に強くなっています。

特徴:

  • 親子関係: 養子は養親との間で法的な親子関係が成立しますが、実親との親子関係は完全に断絶します。実親との扶養義務や相続権はなくなり、養親からの相続権を得ます。
  • 相続権: 養子は養親から相続権を得ますが、実親からは相続権を持ちません。つまり、養子は養親の家族の一員として扱われ、実親とは完全に法的な親子関係が消失します。
  • 戸籍の記載: 特別養子縁組が成立すると、養子は実親の戸籍から除籍され、養親の戸籍に記載されます。実親との関係は完全に断絶されるため、養親の戸籍にのみ記載されることになります。
  • 家庭裁判所の許可: 特別養子縁組を行うには、家庭裁判所の許可が必要です。家庭裁判所は、養子の福祉が最優先であることを基準に、養子縁組の可否を判断します。

メリット:

  • 養子は養親からの相続権を得るとともに、養親との親子関係が法的に完全に確立します。
  • 実親との関係が法的に断絶されるため、養子は新たな家族として安定した生活を送ることができます。
  • 養親は養子の子どもとして法的に育てる責任を持ち、養子が自分の子どもとして養育されることになります。

デメリット:

  • 実親との親子関係が法的に消失するため、養子が実親との再会や親子関係の回復を希望した場合、困難が生じる可能性があります。
  • 養子が未成年である場合、養子縁組の成立には家庭裁判所の審査があるため、手続きが長期間かかることがあります。

3. 普通養子縁組と特別養子縁組の主な違い

特徴普通養子縁組特別養子縁組
親子関係の断絶実親との親子関係は残る実親との親子関係は完全に断絶
相続権養親からも実親からも相続権を得る養親から相続権を得るが、実親からの相続権はなし
戸籍養親の戸籍に記載され、実親の戸籍からは外れない実親の戸籍から除籍され、養親の戸籍に記載される
手続きの難易度一般的に役所での届出だけで済む家庭裁判所の審査・許可が必要
対象となる年齢層成人も含め、幅広い年齢層が対象主に未成年の子どもが対象
利用される場面成人の養子や、親が不在の状況における支援のため子どもの福祉が最優先される場合、主に里親制度からの養子縁組など

4. まとめ

養子縁組は、養親と養子が法的に親子関係を結ぶ重要な手続きであり、特に未成年の場合には、子どもの福祉を守るために慎重に行われる必要があります。普通養子縁組は実親との関係が残るため、複雑な法的権利が絡む場合もありますが、特別養子縁組は養子と養親の間で完全な親子関係が確立され、養子にとって新たな人生を歩むための安定した環境を提供します。