相続手続きでは、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」そろえる必要があります。
そのうえで、子も直系尊属(父母・祖父母など)もいない場合、相続人は兄弟姉妹に進みます。兄弟姉妹相続で多い悩みは、次のとおりです。
• 兄弟姉妹が相続人になるとき、戸籍はどこまで必要なのか
• 亡くなっている兄弟姉妹がいると、甥姪まで必要になるのか
• どの順番で取り寄せれば無駄がないのか
なお、配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人です。
※ここでいう「配偶者」は、被相続人の死亡時点で婚姻中の相手を指します(離婚している場合は相続人になりません)。
この記事では、兄弟姉妹相続を次の3パターンに分けて、必要な戸籍の範囲と取り寄せ手順を解説します。
• パターン① 兄弟姉妹が生存(相続人=兄弟姉妹)
• パターン② 兄弟姉妹の一部が死亡(相続人=生存兄弟姉妹+甥姪)
• パターン③ 兄弟姉妹が全員死亡(相続人=甥姪のみ)
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
早見(結論)|兄弟姉妹相続で「誰の戸籍をどこまで」取るか
まず共通で必要
・被相続人:出生〜死亡まで
配偶者がいる場合(共通)
• 原則として、被相続人の死亡が記載された戸籍(除籍)で配偶者の記載を確認できます
(※手続先によっては、配偶者の現在戸籍の提出を求められることがあります)
兄弟姉妹パート(子・直系尊属がいない場合)
• 兄弟姉妹の全員を確定するため、父と母の戸籍をそれぞれ「出生から死亡まで」そろえる必要があります
パターン別の追加
・パターン①(兄弟姉妹が生存):各兄弟姉妹の現在戸籍
・パターン②(一部が死亡):死亡兄弟姉妹の「出生から死亡までの戸籍」+甥姪の現在戸籍
・パターン③(全員死亡):各兄弟姉妹の「出生から死亡までの戸籍」+甥姪の現在戸籍
※兄弟姉妹相続の代襲相続は甥姪までです。甥姪が死亡していても、その子(再代襲)は相続人になりません。
相続手続きの提出先によって必要な戸籍が変わることがある
相続手続で求められる戸籍は、手続先(金融機関・相続登記・証券会社など)によって追加提出を求められることがあります。
例えば、配偶者がいる場合には、配偶者の「現在戸籍」の提出を求められることがあります。
迷う場合は、戸籍を集めきる前に提出先へ確認すると無駄が減ります。
相続で必要な戸籍の大原則|被相続人は「出生から死亡まで」
兄弟姉妹が相続人になる相続でも、最初にやることは共通です。被相続人の戸籍は「出生から死亡まで」必要です。
ここでいう「出生から死亡まで」とは、転籍(本籍の移動)や改製(様式変更)で戸籍が変わっていても途中を欠かさずつなげ、出生の記載がある戸籍まで到達し、最後は死亡の記載がある戸籍(多くは除籍)で終わる状態です。
出生まで追う理由は、相続人の漏れを防ぐためです。途中の戸籍に、前婚の子・認知・養子が出てくることがあるため、被相続人の戸籍は必ず出生まで追います。
取り寄せ手順①〜③|死亡→出生へ従前戸籍をたどる(全パターン共通)
3パターンすべてで、最初にやることは同じです。被相続人の戸籍を「死亡→出生」へつなげて完成させます。戸籍が届いたら、まず「死亡が載っている戸籍」→「従前戸籍欄(前の本籍)」の順で確認すると迷いにくいです。
① 被相続人の「最後の本籍地」の役所に、戸籍一式を請求します
請求先は住所地ではなく、最後の本籍地の役所です。ここでは最初から戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍)をまとめて請求します。
(例)「相続手続のため、被相続人○○の戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍を含む)を出生から死亡まで交付してください。」
② 受け取った戸籍で「従前戸籍(前の本籍)」を確認します
死亡の記載がある戸籍(多くは除籍)を確認し、従前戸籍(前の本籍地)を見て次に請求すべき役所を特定します。
③ 前の本籍地でも同じように戸籍一式を請求し、出生までつなげます
前の本籍地の役所にも同様に戸籍一式を請求し、出生の記載がある戸籍までさかのぼります。
ここまでで、被相続人の戸籍が「出生から死亡まで」つながります。
兄弟姉妹相続で必要になる戸籍(父母・兄弟姉妹・甥姪)
兄弟姉妹相続は、被相続人の戸籍だけでは相続人の全体像が確定しないことがあります。理由は、兄弟姉妹を確定するには、原則として父母(少なくともどちらか)の戸籍で「子(=兄弟姉妹)の全員」を確認する必要があるからです。そのため、兄弟姉妹相続は次の順番で固めるのが実務上スムーズです。
• 被相続人:出生〜死亡まで(①〜③で完成)
• 父・母:それぞれ出生〜死亡まで(父母の戸籍で兄弟姉妹の全員を確定)
• 兄弟姉妹:生存なら(必要に応じて)現在戸籍、死亡している場合は出生から死亡までの戸籍
• 死亡兄弟姉妹に子がいれば:甥姪の現在戸籍(代襲の確定)
※父母の本籍の手がかりは、被相続人の戸籍から拾えることが多いです。
兄弟姉妹相続で詰まりやすいケース(依頼が多い地雷)
兄弟姉妹相続は、次のようなケースで一気に難しくなります。
• 異母・異父兄弟が混ざっていて、父母どちらの戸籍を追うべきか判断が必要
• 兄弟姉妹の死亡が多く、甥姪が複数人に広がっている(全国に散っている)
• 父母の情報(本籍)が拾いにくく、請求先の特定に手間がかかる
記事どおりに進めても不安が残る場合は、無理に進めず「どこで詰まっているか」を先に切り分けるのが安全です。
詰まったら依頼すべきサイン(5つ)|ここに当てはまったら自力は危険
兄弟姉妹相続は、途中まで自力で進めても「最後に足りない戸籍が発覚してやり直し」になりやすいです。次の5つのうち1つでも当てはまるなら、無理に進めず一度止めた方が安全です。
サイン① 父母の戸籍が途中で途切れて、次の請求先(本籍地)が追えない
従前戸籍欄が読みにくい、古い戸籍で本籍の表記が揺れている、転籍の記載が分からないなどで「次にどこの役所へ出せばいいか」が確定できない状態です。ここで勘で出すと、時間と費用が膨らみます。
サイン② 父母どちらの戸籍を追えばいいか判断できない(異母・異父の可能性がある)
「母が違う」「父が違う」きょうだいが混ざると、父母の戸籍の追い方を間違えた瞬間に、相続人の取りこぼしが起きます。取りこぼしは手続の差戻しにつながるため、このパターンは早めに切り分けが必要です。
サイン③ 兄弟姉妹の死亡が多く、甥姪が複数人に広がっている
死亡兄弟姉妹が複数いると、代襲(甥姪)の範囲が一気に増えます。しかも、甥姪が全国に散っていると、請求先が増えるだけでなく「誰の戸籍がどこまで揃ったか」を見失いやすいです。
サイン④ 死亡兄弟姉妹の戸籍で、子(甥姪)の情報が拾えない
死亡が記載された戸籍(除籍)だけでは、子の記載が十分に出ないことがあります。その場合は従前戸籍をたどる必要がありますが、ここで止まる人が非常に多いです。「甥姪の氏名が確定しない」のは、自力継続が難しくなる典型サインです。
サイン⑤ 提出先から追加指定が出て、何を出せばいいか判断できない
金融機関や法務局から、
・相続人全員の現在戸籍
・配偶者の現在戸籍
・特定の人の“死亡の記載がある戸籍”
など、個別指定が来ることがあります。指定の意味を読み違えると、また取り直しになります。追加指定が出た時点で、必要書類の再設計が必要です。
依頼するなら「今どこまで揃っているか」だけ分かれば十分です
戸籍は、途中まで揃っていても問題ありません。むしろ、途中で止めた方が傷が浅いことが多いです。もし依頼する場合は、次の3点だけ分かれば、こちらで不足分の洗い出しができます。
• 被相続人の戸籍は「出生〜死亡まで」揃っているか
• 父と母の戸籍は、どこまで揃っているか(途中でも可)
• 兄弟姉妹(死亡者含む)と甥姪の人数感が分かるか
「自分のケースがどのパターンか分からない」「父母の戸籍の追い方が分からない」でも大丈夫です。状況を聞いた上で、必要な戸籍の範囲と取得順をこちらで確定します。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
パターン① 兄弟姉妹が生存している(相続人=兄弟姉妹)
必要な戸籍(誰→どこまで)
• 被相続人:出生から死亡まで
• 父:出生から死亡まで
• 母:出生から死亡まで
• 兄弟姉妹:(必要に応じて)現在戸籍(生存者全員)
このパターンでやること
核心は「兄弟姉妹が相続人であること」と「兄弟姉妹の全員」を戸籍で説明できる状態にすることです。
④ 父と母の戸籍を「死亡→出生」でたどり、出生から死亡までそろえる
父母の本籍地が分からない場合は、被相続人の戸籍(①〜③)に父母の情報が出てきます。そこから父、母それぞれの戸籍をたどります。
請求の考え方は被相続人と同じで、各本籍地で戸籍一式を取り、従前戸籍をたどって出生までさかのぼり、最後は死亡の記載がある戸籍で終わらせます。
(例)「相続手続のため、父(母)○○の戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍を含む)を出生から死亡まで交付してください。」
⑤ 兄弟姉妹の(必要に応じて)現在戸籍を取得する
父母の戸籍で兄弟姉妹の氏名が確定したら、生存している兄弟姉妹について、必要に応じて現在戸籍を取得します(本籍地が不明なら、戸籍をたどって現在へつなげます)。
(例)「相続手続のため、兄弟(姉妹)○○の現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。」
完了条件(ここまでで終われます)
• 被相続人の戸籍が出生から死亡までつながっている
• 父母の戸籍が出生から死亡までそろい、兄弟姉妹の全員が確定している
• (必要に応じて)生存している兄弟姉妹の現在戸籍がそろっている
パターン② 兄弟姉妹の一部が死亡(相続人=生存兄弟姉妹+甥姪)
必要な戸籍(誰→どこまで)
• 被相続人:出生から死亡まで
• 父:出生から死亡まで
• 母:出生から死亡まで
• 生存している兄弟姉妹:(必要に応じて)現在戸籍
• 死亡している兄弟姉妹:死亡が確認できる戸籍(除籍など)
• 甥姪(死亡兄弟姉妹の子):現在戸籍(生存者)
※代襲相続は甥姪までです(甥姪の子は相続人になりません)。
このパターンでやること
核心は「死亡兄弟姉妹の代わりに、甥姪が相続人になる」ことを戸籍で確定することです。
④ 父と母の戸籍を「出生→死亡」までそろえる
パターン①と同じです。父母の戸籍で兄弟姉妹の全員を確定します。
⑤ 生存している兄弟姉妹の現在戸籍と、死亡している兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍を取得する
兄弟姉妹ごとに、生存している場合は(必要に応じて)現在戸籍を取得します。死亡している場合は、出生から死亡までの戸籍を取得します。死亡している兄弟姉妹については、甥姪との親子関係を確認する必要があるため、出生までさかのぼって戸籍をそろえます。
(例)「相続手続のため、兄弟(姉妹)○○の戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍を含む)を出生から死亡まで交付してください。」
「生存している場合は、現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。」
⑥ 甥姪の現在戸籍を取得する(代襲の確定)
死亡兄弟姉妹に子がいる場合、その子(甥姪)が相続人になります。
まず、死亡している兄弟姉妹の戸籍を確認し、子(甥姪)の氏名・続柄を特定します。甥姪の氏名が確認できたら、その甥姪の現在戸籍を取得します。
(例)「相続手続のため、甥(姪)○○の現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。」
甥姪の本籍地が分からない場合でも、死亡兄弟姉妹の戸籍をたどることで請求先(本籍地)を確認できます。
① 死亡兄弟姉妹の戸籍を確認し、子(甥姪)の氏名・続柄を確認する
② 子(甥姪)の記載が見当たらない場合は、従前戸籍をたどる
死亡が記載された戸籍の従前戸籍(前の本籍)を確認し、前の本籍地の役所に戸籍一式(除籍・改製原戸籍を含む)を請求します。 これを繰り返し、子(甥姪)が記載されている戸籍までさかのぼります。
③ 甥姪の氏名が確定したら、甥姪本人の戸籍を現在までつなげる
甥姪が記載されている戸籍を起点に、戸籍の身分事項欄に記載された転籍・婚姻などの情報を追い、現在戸籍までつなげます。
完了条件
• 被相続人の戸籍が出生から死亡までつながっている
• 父母の戸籍が出生から死亡までそろい、兄弟姉妹の全員が確定している
• (必要に応じて)生存兄弟姉妹の現在戸籍がそろっている
• 死亡兄弟姉妹の死亡確認ができている
• 甥姪の現在戸籍で、代襲する相続人(甥姪)が確定している
パターン③ 兄弟姉妹が全員死亡(相続人=甥姪のみ)
必要な戸籍(誰→どこまで)
• 被相続人:出生から死亡まで
• 父:出生から死亡まで
• 母:出生から死亡まで
• 兄弟姉妹(全員):死亡が分かる戸籍
• 甥姪:現在戸籍(生存者)
※同順位の相続人(甥・姪)は複数人になることがあります。
このパターンでやること
核心は「兄弟姉妹が全員死亡しているため、甥姪が相続人になる」ことを戸籍で説明できる状態にすることです。
④ 父と母の戸籍を「出生→死亡」までそろえる
父母の戸籍で兄弟姉妹の全員を確定します(ここが土台です)。
⑤ 兄弟姉妹(全員)の死亡が分かる戸籍を取得する
兄弟姉妹が全員死亡していることを、戸籍で固めます。
⑥ 甥姪の現在戸籍を取得する(代襲の確定)
死亡兄弟姉妹に子がいる場合、その子(甥姪)が相続人になります。まず、死亡している兄弟姉妹の戸籍を確認し、子(甥姪)の氏名・続柄を特定します。甥姪の氏名が確認できたら、その甥姪の現在戸籍を取得します。
(例)「相続手続のため、甥(姪)○○の現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。」
甥姪の本籍地が分からない場合でも、死亡兄弟姉妹の戸籍をたどることで請求先(本籍地)を確認できます。
完了条件
• 被相続人の戸籍が出生から死亡までつながっている
• 父母の戸籍が出生から死亡までそろい、兄弟姉妹の全員が確定している
• 兄弟姉妹の全員について死亡確認ができている
• 甥姪の現在戸籍で、相続人(甥姪)が確定している
兄弟姉妹も甥姪もいない場合
兄弟姉妹がいない、または兄弟姉妹が全員死亡しており、その子(甥姪)もいない場合、相続人は存在しない扱いになります。配偶者がいるなら、配偶者のみが相続人になります(他に相続人がいないため)。
配偶者もおらず相続人がいない場合は、相続財産清算人の選任など、別の手続きに進みます。
まとめ
兄弟姉妹が相続人になる場合でも、まず全パターン共通で
• ①〜③ 被相続人の戸籍を「死亡→出生」でつなげ、出生から死亡まで完成させる
を行います。
そのうえで、兄弟姉妹相続では
• 父母の戸籍を(原則として)出生→死亡までそろえて、兄弟姉妹の全員を確定する
• 兄弟姉妹が死亡していれば、甥姪の現在戸籍まで取得して代襲を確定する
という順に、相続人を固めます。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続手続きでは、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」すべて揃える必要があります。
次に、相続人を確定するために、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意するかを判断します。
この判断が難しく、戸籍収集が止まりがちです。
・相続人の範囲が分からない(配偶者・子・直系尊属・兄弟など)
・必要な戸籍の範囲が確定できず、どこで終わるか分からない
・改製原戸籍が読みにくい/つながりが分かりにくい
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行しています。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
「どこまで必要か分からない」段階でも、必要範囲の確認から対応します。
※全国の役所から戸籍を取り寄せできます
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
