法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違い|どこで使える?

相続手続きを進めていると、
・法定相続情報一覧図
・相続関係説明図
という似た名前の書類を見かけることがあります。

どちらも相続関係をまとめた書類ですが、
・何が違うのか
・どっちを作ればいいのか
・どこで使えるのか
・法定相続情報一覧図はあとから追加でもらえるのか

が分かりにくいと感じる方も多いです。結論からいうと、

法定相続情報一覧図は、戸籍を確認したうえで法務局が認証する公的書類
相続関係説明図は、相続関係を説明するために作る資料

です。この違いはかなり大きいです。

相続関係説明図は、相続関係を分かりやすく示す資料としては使えます。
ただし、それ自体が戸籍の代わりになるわけではありません。

一方、法定相続情報一覧図は、相続手続きで戸籍一式の代わりとして提出できることが多く、実務ではこちらのほうが使い勝手がかなり良いです。

この記事では、

・法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違い
・法定相続情報一覧図はどこで使えるのか
・追加で写しを取得できるのか
・どういう相続で法定相続情報一覧図を作るべきか

を実務の視点で解説します。

なお、法定相続情報一覧図そのものの作成方法や必要書類は、次の記事で詳しく解説しています。
法定相続情報一覧図とは?作成方法・必要書類・何枚もらうべきかを解説

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目次

法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違い

まずは、この2つの違いをはっきりさせます。
法定相続情報一覧図は、戸籍を確認したうえで法務局が認証する書類です。
これに対して、相続関係説明図は、相続関係を説明するために作る図です。

一番大きな違いは、「法務局の認証があるかどうか」です。

法定相続情報一覧図
→ 法務局の認証あり
→ 公的書類として使える
→ 戸籍一式の代わりとして提出できることが多い

相続関係説明図
→ 法務局の認証なし
→ 説明用の資料
→ それ自体では戸籍の代わりにならない

ここを落とすと、2つをほぼ同じものだと誤解しやすいです。

法定相続情報一覧図とは何か

法定相続情報一覧図は、被相続人と相続人の関係を一覧にした書類です。ただし、単に相続関係を図にしただけではありません。

被相続人の出生から死亡までの戸籍や、相続人を確認するための戸籍をもとに、法務局へ申出を行い、内容確認を受けたうえで認証文付きの写しが発行されます。

そのため、法定相続情報一覧図は「戸籍で確認した相続関係を、公的に示すための書類」という位置づけです。

相続関係説明図とは何か

相続関係説明図は、「被相続人と相続人の関係を分かりやすく示すための図」です。
例えば、「被相続人」「配偶者」「子」「親」「兄弟姉妹」「甥姪」などを図にして、誰が相続人なのかを見やすくするために使います。ただし、相続関係説明図は「説明用の資料」です。戸籍を読む補助にはなりますが、法務局の認証はありません。

そのため、「相続関係説明図だけを出して、戸籍一式の提出を省けるわけではない」という点が重要です。

どっちを作ればいいのか

実務で考えると、相続関係説明図だけで止めるより、法定相続情報一覧図まで作るほうが使いやすいです。理由は単純で、

法定相続情報一覧図のほうが
・提出先で使いやすい
・戸籍一式の代わりとして出せることが多い
・複数の手続きを同時に進めやすい
からです。

相続関係説明図は、相続関係を把握したり、関係者同士で確認したりするには役立ちます。また、相続登記では補助資料として使う場面もあります。ただし、相続手続きを前に進める書類としては法定相続情報一覧図のほうが明らかに強いです。

そのため、実務では「相続関係説明図で終わるより、法定相続情報一覧図まで作る」ことが多いです。

法定相続情報一覧図はどこで使える?

法定相続情報一覧図は、主に次のような相続手続きで使われます。

・銀行の相続手続き
・証券会社の相続手続き
・不動産の相続登記
・保険会社の手続き

これらの手続きでは、通常、戸籍一式を提出して相続関係を確認してもらいます。ただし、法定相続情報一覧図を提出できる場合は、「戸籍一式の提出が不要になることがほとんど」です。

つまり、提出先ごとに戸籍の束をそのまま出さずに済みやすくなります。

法定相続情報一覧図があると何が楽なのか

法定相続情報一覧図の実務上の強みは、単に見やすいことではありません。
大きいのは、「手続き先が戸籍一式を1通ずつ読まなくて済みやすいこと」です。

戸籍一式をそのまま出した場合、提出先は

・相続人が誰なのか
・代襲相続があるか
・前婚の子がいるか
・兄弟姉妹相続なのか

などを、戸籍を読みながら確認することになります。戸籍が少なければまだいいですが、

・改製原戸籍が複数ある
・兄弟姉妹相続で戸籍が多い
・代襲相続が入っている

といった相続では、この確認にかなり時間がかかります。

一方で、法定相続情報一覧図を提出できる場合は、戸籍一式の提出が不要になることが多く、提出先が戸籍を読む手間を省けます。そのため、手続きがスムーズに進みやすくなります。

この差は実務ではかなり大きいです。

法定相続情報一覧図があると手続きを同時進行しやすい

法定相続情報一覧図の大きなメリットは、相続手続きを同時進行しやすいことです。
例えば、銀行が2行」「証券会社が1社」「不動産の相続登記」「保険会社」といった形で、複数の手続き先があることは珍しくありません。

法定相続情報一覧図がない場合、戸籍一式をそのまま使うことになるため、
銀行に提出→返却待ち→返ってきてから証券会社に提出→返却待ち→そのあと登記に回す
という形になりやすいです。つまり、「戸籍を順番に使う運用」になりがちで、かなり時間がかかります。

一方、法定相続情報一覧図の写しを複数取得しておけば、「銀行」「証券会社」「不動産の相続登記」「保険会社」などを同時に進めやすくなります。実務では、この差がかなり大きいです。

相続を早く終わらせたいなら、法定相続情報一覧図を作る意味はかなりあります。

相続関係説明図はどこで使うのか

相続関係説明図は、主に
・相続関係を自分で把握する
・関係者間で確認する
・戸籍の読み取りを補助する
ために使うものです。

また、相続登記では、登記の添付図として相続関係説明図が使われる場面もあります。ただし、この場合でも相続関係説明図は、登記手続の補助資料としての意味合いが強く、法定相続情報一覧図のように戸籍一式の代わりになる書類ではありません。

そのため、
相続関係説明図は補助資料として使うもの
提出用・実務用の中心になるのは法定相続情報一覧図
と考えると分かりやすいです。

法定相続情報一覧図は追加で写しを取得できる?

法定相続情報一覧図は、最初の申出後に追加で写しを取得できます。ただし、何年でも自由に出せるわけではありません。実務では、「申出後5年間は、保管期間内であれば追加で写しを取得できる」と考えておくとよいです。つまり、

・最初にもらった枚数が足りなかった
・あとから別の手続きが必要になった
・追加で提出先が増えた

といった場合でも、保管期間内であれば追加取得できます。

ここは「再発行」というより、「追加で写しを取得できる」と理解したほうが実務に近いです。

最初に多めにもらっておいたほうがいいのか

はい、実務では最初に少し多めにもらっておくほうが楽です。理由は、相続手続きはあとから提出先が増えることがあるからです。

例えば、
・最初は銀行だけだと思っていた
・あとから証券口座が見つかった
・やはり相続登記も進めることになった

といったことは普通にあります。追加取得はできますが、あとでまた動くより、最初に「提出先の数+予備」くらいを見込んでおくほうが止まりにくいです。

法定相続情報一覧図を作るべきケース

実務で特に法定相続情報一覧図まで作っておいたほうがいいのは、次のようなケースです。

・金融機関が複数ある
・不動産の相続登記がある
・戸籍が多い
・兄弟姉妹相続で相続関係が複雑
・代襲相続がある
・手続きをできるだけ早く進めたい

こうした相続では、相続関係説明図だけで止めるより、法定相続情報一覧図まで作っておいたほうがかなり楽です。逆に、相続関係説明図は

・相続関係を自分で整理したい
・登記の補助資料として図が必要
・内部確認用に関係図を作りたい

といった場面では役立ちます。つまり、

説明用なら相続関係説明図
提出用・実務用なら法定相続情報一覧図

と考えると整理しやすいです。

戸籍収集と法定相続情報一覧図の作成にお困りの方へ

相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
という作業が必要になります。

しかし、実際には
・戸籍が何通も続く
・兄弟姉妹相続で戸籍が増える
・代襲相続で関係が複雑
・一覧図をどう書けばいいか分からない
・どこまで自分でやるべきか判断できない
といったケースが多くあります。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、
・相続に必要な戸籍収集
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をまとめて対応しています。

戸籍の通数が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括で対応可能です。
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まとめ

法定相続情報一覧図と相続関係説明図は、どちらも相続関係を示す書類ですが、役割は大きく異なります。

法定相続情報一覧図
→ 法務局が認証する公的書類
→ 戸籍一式の代わりとして提出できることが多い

相続関係説明図
→ 相続関係を説明するための資料
→ 補助資料として使うことはあるが、それ自体では戸籍の代わりにならない

相続手続きを実際に進めるなら、相続関係説明図だけで止めるより、法定相続情報一覧図まで作成しておくほうが使いやすいです。

特に、金融機関や不動産の手続きが複数ある相続では、法定相続情報一覧図があることで、提出先が戸籍を読む手間を省け、確認負担が減り、同時進行もしやすくなります。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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