戸籍の保存期間とは?除籍・改製原戸籍は何年保存されるのか

相続で戸籍を集めていると、
・古い戸籍はいつまで残っているのか
・除籍謄本や改製原戸籍は何年保存されるのか
・昔の戸籍はすでに廃棄されているのか
といった疑問が出てきます。

相続では、被相続人の戸籍を出生から死亡までそろえて相続人を確定します。
そのため古い戸籍までさかのぼって取得する必要がありますが、古い戸籍関係書類には保存期間があるため、非常に古い戸籍はすでに廃棄されていることもあります。
ただし、役所で「古い戸籍はありません」と言われても、すぐに廃棄と決めつけるのは危険です。

実務では、
・本籍地が過去に変わっていた
・転籍で戸籍が別の市区町村へ移っていた
・さらに前の戸籍が別の役所に残っていた
といったケースも少なくありません。

この記事では、

・戸籍の保存期間
・相続で保存期間の問題が出やすい戸籍
・以前の保存期間と現在の扱い
・なぜ古い戸籍が取れないことがあるのか
・廃棄証明書とは何か
・古い戸籍が見つからないときに確認すべきこと

を実務の視点で解説します。

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。

目次

戸籍の保存期間

まず押さえたいのは、相続で保存期間の問題が出やすいのは、主に「除籍謄本」「改製原戸籍」だという点です。現在使われている戸籍そのものよりも、出生までたどる途中で出てくる古い戸籍関係書類で保存期間の問題が出ます。

現在は、除籍簿や改製原戸籍簿などの戸籍関係書類は、制度上150年保存とされています。ただし、ここで大事なのは、「戸籍が作られてから150年ではない」という点です。

戸籍は、死亡・婚姻・転籍などで人が戸籍から抜けていき、戸籍に入っている人が全員いなくなると除籍になります。保存期間の問題が出るのは、この除籍後の古い戸籍関係書類です。

そのため相続で「戸籍の保存期間」が問題になるのは、実際には「現在戸籍ではなく、除籍謄本や改製原戸籍がどれくらい残っているか」という場面です。

以前は保存期間が80年だった

現在は150年保存ですが、以前はもっと短い保存期間が定められていました。かつては、「除籍謄本や改製原戸籍の保存期間は80年」とされていました。その後、制度改正によって現在は150年保存の扱いになっています。

ただし重要なのは、「昔の80年保存時代にすでに廃棄されていた戸籍は、今の制度になっても戻らない」という点です。つまり現在は150年保存でも、「昔の制度の時代に保存期間が過ぎていた」「その時点で役所が廃棄していた」という戸籍は、今から請求しても取得できません。
これが、「今は150年保存なのに、古い戸籍が取れないことがある理由」です。

特に、明治時代の戸籍、大正初期の戸籍、古い改製原戸籍などは、すでに廃棄されていることがあります。

除籍謄本とは

除籍謄本とは、「戸籍にいた人が全員いなくなった戸籍」です。例えば、「全員が死亡した」「全員が婚姻や転籍で別の戸籍に移った」といった場合、その戸籍は除籍になります。

相続では、この除籍謄本が何通も続くことがあります。そして古い除籍謄本については、「まだ保存されているもの」「昔の80年保存時代に廃棄されているもの」があります。

除籍謄本そのものについては、次の記事で詳しく解説しています。
除籍謄本とは?戸籍謄本との違い・相続で必要になる理由

改製原戸籍とは

改製原戸籍とは、「戸籍制度の変更によって新しい戸籍に作り替えられる前の戸籍」です。

例えば、
・昭和23年の戸籍制度改正
・紙戸籍からコンピューター戸籍への変更
などの際に、それまで使われていた古い戸籍が改製原戸籍として残ります。

相続で出生までさかのぼっていくと、改製原戸籍が出てくることがあります。しかも改製原戸籍は、現在戸籍や比較的新しい除籍謄本よりさらに前の戸籍に当たりやすいため、「まだ残っているもの」「すでに廃棄されているもの」が混在します。

ここで重要なのは、改製原戸籍は単に古い戸籍というだけではないことです。改製原戸籍が取れないと、その前の戸籍につながる手がかりがなくなり、出生まで追えなくなることがあるからです。

つまり改製原戸籍は、「保存期間の問題が出やすく、出生まで戸籍を追ううえで重要になる戸籍」です。

改製原戸籍そのものについては、次の記事で詳しく解説しています。
改製原戸籍とは?戸籍謄本・除籍謄本との違いと相続で必要になる理由

なぜ古い戸籍が取れないことがあるのか

古い戸籍が取れない理由は、大きく2つあります。

1.本当に廃棄されている

保存期間の経過により廃棄されている場合です。

2.請求先の役所が違う

実務では、こちらも非常に多いです。戸籍は「婚姻」「転籍」「戸籍改製」などで何度も移ります。そのため、
・現在の本籍地しか確認していない
・さらに前の本籍地が別の自治体だった
・今取れている戸籍の前戸籍をまだ追っていない
という理由で、まだ取れる戸籍を見落としていることがあります。

ここが、このテーマで一番大事な実務ポイントです。古い戸籍がない=すぐ廃棄とは限りません。
むしろ実務では、まず請求先違いを疑うことが大切です。

廃棄証明書とは

廃棄証明書とは、「保存期間経過により戸籍が廃棄されていることを証明する書類」です。

相続では「戸籍が存在しない理由を示す」「金融機関や法務局などに事情を説明する」ために使われることがあります。ただし廃棄証明書は、戸籍の代わりになる書類ではありません。あくまで「その戸籍は取得できない」という事情を示す書類です。

そのため実務では、
1.取れる戸籍をできるだけ集める
2.本当に廃棄なのか確認する
3.必要に応じて廃棄証明書を取得する
という順番で考えます。

提出先によって扱いは異なりますが、事情説明資料として取得しておくと手続きが進めやすくなることがあります。そのため、本当に保存期間経過で戸籍が取れないと分かった場合は、廃棄証明書は取っておいたほうがよいです。

少なくとも、「その戸籍は請求漏れではなく、保存期間経過で取得できない」ことを示しやすくなるからです。

郵送請求では役所から確認が入ることもある

郵送で戸籍を請求した場合、保存期間経過で戸籍が存在しないときは、役所から確認の連絡が入ることがあります。その際、「廃棄証明書を付けますか」と確認されることもあります。

そのため実務では、戸籍が存在しない理由が分からないまま返送されるケースは比較的少なく、
「本当に廃棄なのか」「請求先が違うだけなのか」を確認しながら進めることになります。

古い戸籍が見つからないときに確認すべきこと

古い戸籍が見つからないときは、次の順で確認すると進めやすいです。

① 今取れている戸籍を確認する
② 前の本籍地の記載を探す
③ 転籍の履歴を確認する
④ 前戸籍の請求先を追う
⑤ それでも取れない場合に廃棄を考える

特に重要なのは、「現在取れている戸籍の前戸籍の記載を見ること」です。そこから次の請求先が分かることが多いです。この確認をせずに「古い戸籍はもうない」と判断してしまうと、まだ取れる戸籍を見落とすことがあります。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。

しかし実際には
・古い戸籍が見つからない
・本当に廃棄されているのか分からない
・どの役所に請求すればよいか分からない
・本籍地が何度も変わっている
・改製原戸籍や除籍謄本が何通も続く
・出生までたどれる見込みが立たない
といったケースも多くあります。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。

戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。

まとめ

現在は、除籍簿や改製原戸籍簿などの戸籍関係書類は150年保存とされています。ただし、以前は保存期間が80年だったため、古い戸籍がすでに廃棄されていることもあります。

一方で、「本籍地の変更」「転籍」「別の自治体の戸籍」などによって、まだ取得できる戸籍を見落としているケースも少なくありません。

そのため古い戸籍が取れないときは、すぐに廃棄と決めつけず、まず請求先違いを疑い、現在取れている戸籍から前戸籍をたどることが重要です。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

目次