戸籍は代理で取れる?本人・代理人・専門家の違いを解説

相続で戸籍収集を進めようとすると、

・戸籍は代理で取れるのか
・誰なら戸籍を請求できるのか
・兄弟姉妹の戸籍は自分で取れるのか
・委任状があれば取得できるのか
・行政書士や司法書士はどこまで戸籍を取れるのか

といった点で迷うことがあります。

戸籍は誰でも自由に取得できる書類ではありません。法律で、請求できる人の範囲や取得の根拠が明確に決まっています。相続の戸籍収集では、ただ「親族だから取れる」と考えると止まりやすいです。

実際には、

・本人等請求で取れるのか
・第三者請求として理由を示す必要があるのか
・委任状で代理取得するのか
・専門家の職務上請求で進めるのか

を分けて考える必要があります。

この記事では、この4つの取得方法の違いを整理しながら、相続の戸籍収集を現実的に進めるための判断軸を分かりやすく解説します。

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。

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目次

戸籍は誰でも取れるわけではない|請求できる人と根拠が法律で決まっている

戸籍は、出生、婚姻、親子関係、死亡などの身分関係が記載された重要な公的資料です。そのため、取得できる人の範囲は法律で限定されています。相続実務では、戸籍の取得方法を次の4つに分けて理解すると整理しやすいです。

・本人等請求
・第三者請求
・委任状による代理請求
・職務上請求

この4つは似ているようで根拠が全く違います。相続で戸籍収集が難しくなるのは、どの戸籍をどの根拠で取るのかが途中で変わることがあるからです。

本人等請求とは|本人・配偶者・直系親族は理由を示さず請求できる

戸籍法上、本人や一定の親族は「本人等」として戸籍を請求できます。相続で重要になるのは、「本人」「配偶者」「直系尊属(父母・祖父母など)」「直系卑属(子・孫など)」です。
これらの関係にある場合は、原則として具体的な理由を示さなくても戸籍を請求できます。

たとえば、

・被相続人の子が親の戸籍を取る
・被相続人の父母が子の戸籍を取る
・祖父の相続で孫が祖父の戸籍を取る

といったケースです。

相続の戸籍収集では、まずこの本人等請求でどこまで取れるかを確認するのが基本です。最初から第三者請求や専門家依頼を考える前に、自分が本人等請求で取れる範囲を整理すると全体の流れがかなり見えやすくなります。

兄弟姉妹などは本人等請求では取れない|第三者請求として正当理由が必要になる

兄弟姉妹や甥姪などは、本人等請求の範囲には入りません。ここは実務でかなり重要です。相続でよくある誤解は、「兄弟姉妹も親族なのだから自由に戸籍を取れる」というものですが、これは違います。

兄弟姉妹や甥姪が戸籍を取る場合は、戸籍法10条の2に基づく第三者請求として進める必要があります。つまり、戸籍が必要な正当な理由を示さなければなりません。

第三者請求の根拠は戸籍法10条の2|相続は典型的な正当理由に当たる

戸籍法10条の2第1項では、自己の権利行使や義務履行などのために必要がある者は、戸籍の交付を請求できるとされています。実務で大事なのは、ここでいう「必要」が抽象的な興味では足りないという点です。相続のように、法律上の手続きを進めるために戸籍が必要であることを示す必要があります。

相続では、たとえば

・相続人の範囲を確定する必要がある
・遺産分割協議の前提として親族関係を確認する必要がある
・金融機関や証券会社の相続手続きに戸籍が必要である
・法定相続情報一覧図の作成に戸籍が必要である

といった事情があります。これらは相続手続きのための具体的な必要性なので、第三者請求の正当理由になります。つまり、

・兄弟姉妹相続
・甥姪の代襲相続
・直系親族ではない相続人による戸籍収集

では、この第三者請求の理解が不可欠です。

第三者請求では何を書くのか|相続では「なぜ必要か」を具体的に示すことが重要

第三者請求では、ただ「相続のため」と書けば十分とは限りません。役所に、なぜその戸籍が必要なのかが伝わるように書くことが重要です。実務では、

・誰の相続手続きのためか
・請求者が被相続人とどういう関係か
・何の手続きに使うのか
・なぜその戸籍が必要なのか

を具体的に示すと通りやすくなります。たとえば、

・被相続人○○の相続手続のため
・相続人確認のため
・法定相続情報一覧図作成のため
・金融機関提出のために必要

といった形です。また、請求する戸籍と請求理由がつながっていないと、追加資料を求められたり、説明不足と判断されたりすることがあります。

つまり第三者請求で重要なのは、「自分が親族であること」より「その戸籍が法律上の手続きに必要であること」を具体的に示すことです。

興味本位や単なる調査目的では第三者請求は認められない

第三者請求は、あくまで法律上の必要性がある場合に限って認められます。そのため、「家系を調べたい」「昔の親族関係を見てみたい」「なんとなく確認したい」といった目的では、戸籍の交付は認められません。ここを誤解すると、兄弟姉妹の戸籍も自由に取れるように感じやすいですが、実際は違います。

相続では取得できるのに、平常時には取得できないことがあるのは、相続には具体的な法的手続きという正当理由があるからです。

委任状による代理請求とは|請求権のある人が第三者に取得を任せる方法

戸籍は、請求権のある人が自分で役所に行かなくても、委任状を使って代理人に取得を依頼できます。これは、「本人等請求できる人」「第三者請求できる人」が、自分で動けないときに第三者へ取得を任せる方法です。たとえば、「相続人が遠方に住んでいる」「高齢で役所に行けない」「平日に役所へ行く時間が取れない」といった場合です。

相続では、家族や専門家に委任して戸籍収集を進めるケースも多くあります。

委任状による代理請求で必要になるもの|委任状があれば何でも取れるわけではない

委任状による代理請求では、一般に次のようなものが必要になります。

・委任状
・代理人の本人確認書類
・請求対象戸籍の情報
・必要に応じて請求理由が分かる資料

ここで重要なのは、委任状があれば何でも無制限に取れるわけではないという点です。委任者自身に請求権があることが前提になります。つまり、

・請求権のない人が委任状を書いても意味はない
・委任の範囲が曖昧だと補正を求められることがある
・本籍地や筆頭者が不明だと特定できず進まないことがある

といった注意点があります。

実務では、委任状で進めるより、最初から行政書士などの専門家に依頼してまとめて進めた方が早いケースも少なくありません。

職務上請求とは|専門家は自分の業務に必要な範囲でしか戸籍を取得できない

行政書士や司法書士などの士業は、職務上請求書を使って戸籍を取得できます。ただし、士業であれば自由に戸籍を取れるわけではありません。戸籍を取得できるのは、その士業に法律上認められている業務を行うために必要な範囲だけです。ここはかなり重要です。

つまり、「行政書士なら何でも取れる」「司法書士なら何でも取れる」という理解は誤りです。相続では、誰に依頼するかによって戸籍取得の法的根拠が変わります。

行政書士は相続関係書類の作成を前提に戸籍を取得できる

行政書士は、相続に必要な書類作成業務のために戸籍を取得できます。相続では、たとえば

・法定相続情報一覧図の作成
・相続関係説明図の作成
・遺産分割協議書など相続関係書類の作成を前提とした相続人確認

といった場面で戸籍収集が必要になります。そのため相続では、

・戸籍を集めたい
・相続人を確定したい
・法定相続情報一覧図を作りたい
・相続関係説明図を作りたい

という場合は、行政書士に依頼できます。

ここはかなり重要で、相続で不動産があっても、相続登記を自分でやるのであれば、戸籍収集や一覧図作成は行政書士に依頼できます。つまり、不動産の有無ではなく、相続登記を司法書士に依頼するかどうかが分岐点です。

司法書士は相続登記とセットでなければ戸籍取得を依頼できない

司法書士が相続で戸籍を取得できるのは、相続登記など登記申請業務のためです。つまり、

・相続登記を司法書士に依頼する
・その登記申請に必要な戸籍を取得する

この形が前提になります。逆に言えば、

・不動産が絡まない
・戸籍だけ取ってほしい
・法定相続情報一覧図の作成までを依頼したい
・不動産はあるが相続登記は自分でやる

このようなケースは、法律上、司法書士に戸籍取得を依頼する話ではありません。司法書士は相続登記と無関係に戸籍収集だけを受けることはできません。ここは行政書士と司法書士の決定的な違いです。

相続で誰に依頼するかは「不動産の有無」ではなく「登記依頼の有無」で決まる

相続でよくある誤解は、「不動産があるなら司法書士」という雑な理解です。正確にはそうではありません。
判断基準は、

・相続登記を司法書士に依頼するか
・戸籍収集と一覧図作成までを依頼したいのか

です。たとえば、

・不動産がない相続
→ 行政書士で進める話になる

・不動産はあるが相続登記は自分でやる
→ 戸籍収集や法定相続情報一覧図の作成は行政書士でよい

・相続登記もまとめて依頼したい
→ 司法書士に依頼し、その業務の中で戸籍を取得する

この整理を押さえると、誰に依頼するべきかがかなり明確になります。

戸籍請求の4類型を理解すると相続の進め方が見えてくる

相続では同じ戸籍収集でも、

・本人等請求で自分で取る
・第三者請求として理由を示して取る
・委任状で代理人に依頼する
・行政書士が書類作成業務のために取得する
・司法書士が相続登記のために取得する

というように、取得の法的根拠が異なります。この違いを理解しておくと、

・自分でどこまでできるのか
・どこから第三者請求になるのか
・委任で済むのか
・行政書士に依頼すべきか
・司法書士に依頼すべきか

が、かなり判断しやすくなります。
相続の戸籍収集では、この判断を間違えると時間も手間も余計にかかります。だからこそ、請求方法の違いを最初に理解しておくことが重要です。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。

しかし実際には
・兄弟姉妹の戸籍の取り方が分からない
・第三者請求の理由の書き方に迷う
・どの戸籍を次に取ればよいか判断できない
・遠方の役所からの戸籍収集が大変
といったケースも少なくありません。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。

戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。

まとめ

戸籍は誰でも自由に取得できる書類ではなく、法律上の根拠に基づいて取得する必要があります。
相続では、

・本人や直系親族は本人等請求で取得できる
・兄弟姉妹などは戸籍法10条の2に基づく第三者請求になる
・委任状があれば代理人による取得も可能
・行政書士は相続関係書類作成のために戸籍を取得できる
・司法書士は相続登記と一体でなければ戸籍取得を依頼できない

という違いを理解しておくことが重要です。

特に相続では、不動産の有無ではなく、相続登記を誰に依頼するかで整理することが大切です。不動産があっても相続登記を自分で行うのであれば、戸籍収集や法定相続情報一覧図の作成は行政書士に依頼できます。

この違いを押さえておくことで、相続の戸籍収集をどのように進めるべきかがかなり明確になります。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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