戸籍を読んでいると、
「養子離縁と書かれているが、どこを見ればよいのか分からない」
「離縁後に戸籍がどう動くのか分からない」
「元の戸籍に戻るのか、新しく戸籍が作られるのか判断できない」
「氏はどうなるのか分からない」
といった場面に当たることがあります。
養子縁組の成立時の記載はイメージしやすくても、離縁はその後の戸籍の動きが複雑になりやすく、実務でも止まりやすいポイントです。
この記事では、養子離縁が戸籍にどう書かれるのか、協議離縁と裁判離縁の違い、復籍・新戸籍編製・氏変更まで含めて、戸籍の記載パターンに絞って解説します。
なお、養子縁組の成立時の記載については、以下の記事で詳しく解説しています。
養子縁組は戸籍にどう書かれる?普通養子・特別養子の成立時の記載方法
相続の戸籍収集にお困りの方へ
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先に結論
養子離縁は、戸籍の身分事項欄に
「養子離縁」
「離縁日 令和○年○月○日」
という形で記載されます。
ここに加えて、実務で重要なのは次の4点です。
「裁判確定日があるか」
「復籍と書かれているか」
「新戸籍編製の動きがあるか」
「戸籍法73条の2による氏変更があるか」
つまり、離縁の戸籍を読むときは、単に「離縁した事実」だけでなく、
「離縁の種類」
「離縁後にどの戸籍へ動いたか」
「氏がどうなったか」
まで確認する必要があります。
養子離縁の記載はどこを見るか
養子離縁があった場合は、まず本人の戸籍の身分事項欄を見ます。
ここに、
「養子離縁」
「離縁日 令和○年○月○日」
「養父 ○○」
「養母 ○○」
といった形の記載が出てきます。
ただし、ここで終わりではありません。離縁の戸籍では、身分事項欄で離縁の事実を確認したあと、
「入籍につき除籍」
「復籍」
「新戸籍編製」
といったその後の戸籍の動きまで見て、はじめて全体が読めます。
戸籍の基本的な見方が曖昧な場合は、以下の記事もあわせて確認すると分かりやすいです。
戸籍の読み方|相続人が確定している場合に見るポイント
協議離縁は戸籍にどう書かれるか
協議離縁の場合、身分事項欄には次のような形で記載されます。
「養子離縁」
「離縁日 令和○年○月○日」
「養父 ○○」
「養母 ○○」
ここでは、裁判確定日に関する文言は出ません。この点が、裁判離縁との最初の見分けポイントです。
さらに、離縁後に別の戸籍へ移っている場合は、「入籍につき除籍」という記載が出ます。
つまり、協議離縁を読むときは、
「養子離縁」
「離縁日」
「入籍につき除籍」
この並びを意識して見ると流れが分かりやすいです。
裁判離縁は戸籍にどう書かれるか
裁判離縁の場合は、協議離縁と違って裁判に関する記載が入ります。
たとえば、
「養子離縁」
「裁判確定日 令和○年○月○日」
といった形です。
この「裁判確定日」があることで、協議離縁ではなく裁判離縁と判断できます。
つまり見分け方としては、
「離縁日だけなら協議離縁をまず疑う」
「裁判確定日があれば裁判離縁」
という形です。
離縁の事実だけでなく、その成立経過まで戸籍から読める点が重要です。
離縁後の戸籍の動きはどう書かれるか
ここが離縁編でいちばん大事な部分です。離縁後の戸籍の動きは、主に次の3パターンです。
「復籍」
「新戸籍編製」
「入籍につき除籍」
戸籍を読むときは、この文言が実際にどう出てくるかを見ます。
復籍するケース
元の戸籍に戻る場合は、「復籍」という記載が出ます。これは、離縁した人が従前の戸籍に戻ったことを示す記載です。実務では、離縁後の行き先を見るときにこの文言が非常に重要です。離縁したあとに所在が分からなくなるのではなく、「元の戸籍へ戻った」と戸籍上で読めるからです。
新戸籍が作られるケース
元の戸籍に戻らず、新しく戸籍が作られる場合は、「新戸籍編製」の動きが出ます。この場合は、離縁後に独立した戸籍が作られているため、元の戸籍にも養親の戸籍にも戻っていないことになります。離縁後の戸籍の追い方としては、この「新戸籍編製」が出ているかどうかで、次に追うべき戸籍が変わります。
入籍につき除籍となるケース
離縁後に別の戸籍へ入る場合は、元の戸籍側に「入籍につき除籍」という記載が出ます。この文言があると、その人はその戸籍から抜けて別の戸籍へ入ったと読めます。つまり、離縁の戸籍では「離縁したかどうか」だけでなく、「その後どこへ移ったか」をこの文言で読んでいくことになります。
氏の変更はどう記載されるか
離縁では、氏の問題もかなり重要です。ただし、ここで注意したいのは、「離縁」と「氏の変更」は別の記載だという点です。戸籍では、「戸籍法73条の2による届出」といった形で氏の変更が記載されることがあります。
つまり、離縁したからといって、その場で当然に氏の扱いまで全部読めるわけではありません。身分事項欄で離縁を確認したあとに、氏変更の記載が別にあるかを見る必要があります。ここを飛ばすと、「離縁したから元の氏に戻ったはず」と決めつけて読み違えることがあります。
特別養子離縁は戸籍にどう書かれるか
特別養子の離縁は、普通養子の離縁より重い手続です。戸籍上も、普通養子離縁のように単に離縁日だけを見るのでは足りません。
ここで重要になるのは、
「裁判確定日」
「特別養子に関する記載」
「復籍・新戸籍編製などの動き」
です。
つまり、特別養子離縁では「家庭裁判所の審判を前提にしている」ことが戸籍上の読み方の出発点になります。普通養子離縁と同じ感覚で読むのではなく、裁判確定日があるか、離縁後の戸籍の動きがどうなっているかをより慎重に見ていく必要があります。
続柄だけでは離縁は判断しきれない
離縁があった場合でも、続柄欄だけでは判断しきれません。続柄欄で分かるのは、その戸籍の中での現在の位置づけです。
一方で、
「いつ離縁したのか」
「協議離縁か裁判離縁か」
「復籍したのか、新戸籍が作られたのか」
「氏の変更があったのか」
までは分かりません。
そのため、離縁が出てきたときは、
「まず続柄を見る」
「次に身分事項欄で養子離縁の記載を見る」
「その後に復籍・新戸籍編製・氏変更を見る」
という順で読むことが大切です。
続柄の見方については、以下の記事も参考になります。
戸籍の続柄の読み方|古い戸籍は戸主を基準に家族関係を読む
相続で特に注意すべきポイント
離縁の戸籍が相続で重要になるのは、「どの家系で相続人になるのか」「現在どの戸籍につながっているのか」を間違えやすいからです。
離縁した事実だけ見ても足りません。相続で重要なのは、その後に「元の戸籍へ戻ったのか」「新戸籍が作られたのか」「別の戸籍へ移ったのか」を追うことです。
この流れが読めないと、戸籍が途中で切れて見えたり、現在の家族関係を誤って読んだりしやすくなります。
戸籍収集にお困りの方へ
相続では、
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。
しかし、実際には、
・養子離縁の記載が読めない
・離縁後の戸籍の動きが追えない
・復籍や新戸籍の判断ができない
といった形で止まることがあります。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、
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をまとめて対応しています。
養子離縁が関係する相続でも、戸籍の読み取りから相続人の確認まで対応しています。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
養子離縁は、戸籍の身分事項欄に「養子離縁」「離縁日」という形で記載されます。
そこに加えて、実務では
「裁判確定日」
「復籍」
「新戸籍編製」
「入籍につき除籍」
「戸籍法73条の2による氏変更」
といった文言を確認することが重要です。
戸籍を読むときは、離縁の事実だけで終わらず、
「離縁の種類」
「離縁後の戸籍の動き」
「氏の変更」
まであわせて確認することが大切です。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
