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法定相続分について詳しく解説!

法定相続分について
詳しく解説!

法定相続分とは

法定相続分とは、遺言がない場合に、民法に基づいて相続人が遺産をどのように分けるかを定めた規定のことです。遺産相続において、遺言が存在しない場合は、法律に従って相続人の間で遺産が分割されます。この法定相続分は、民法第900条から民法第1014条にかけて規定されています。

1. 法定相続分の基本ルール

法定相続分は、相続人の種類によって異なります。主に、配偶者と血族(子、親、兄弟姉妹など)に分けられ、それぞれの相続分が決まっています。

2. 配偶者の相続分

配偶者は常に相続人となります。配偶者の相続分は、他の相続人(子、直系尊属、兄弟姉妹)との関係により異なります。以下のように規定されています。

配偶者と子が相続人の場合

  • 配偶者は、1/2の相続分を持ちます。
  • 子(子供)が相続人の場合、残りの1/2を子どもたちが均等に分けます。

例えば、遺産が1000万円の場合、配偶者が500万円、残りの500万円を子どもたちで分けます。子が2人の場合、子どもそれぞれが250万円ずつ相続することになります。

配偶者と直系尊属(親)との相続の場合

  • 配偶者は2/3の相続分を持ち、残りの1/3を直系尊属(親)が均等に分けます。
  • 例:遺産が1000万円の場合、配偶者が666.6万円、親が333.3万円を相続します。

配偶者と兄弟姉妹との相続の場合

  • 配偶者は3/4の相続分を持ち、残りの1/4を兄弟姉妹が均等に分けます。
  • 例:遺産が1000万円の場合、配偶者が750万円、兄弟姉妹が250万円を相続します(兄弟姉妹が複数いる場合はその人数で均等に分けます)。

3. 子(子ども)の相続分

子が相続人となる場合、遺産の全てを均等に分けます。配偶者がいる場合、配偶者と半分ずつ、配偶者がいない場合は子どもたちで均等に分けます。

  • 配偶者がいない場合:子どもが相続人であれば、遺産は子どもたちで均等に分けます。
    • 例:遺産が1000万円で子が2人の場合、1人500万円ずつ相続します。
  • 配偶者がいる場合:配偶者が1/2を相続し、残りの1/2を子どもたちが均等に分けます。子供が3人いれば1/2を3人で割り、それぞれ1/6を相続します。

4. 直系尊属(親)の相続分

直系尊属(親)は、被相続人に子どもがいない場合にのみ相続人となり、その場合の相続分は1/3です。

  • 例:遺産が1000万円で、配偶者と親が相続人の場合、配偶者が2/3、親が1/3を相続します。父親、母親両方が存命の場合それぞれの法定相続分は1/6です。

5. 兄弟姉妹の相続分

兄弟姉妹は、他に相続人がいない場合や被相続人に子、親がいない場合に相続人となります。

  • 例:遺産が1000万円で、兄弟姉妹が相続人となる場合、遺産を兄弟姉妹で均等に分けます。例えば、兄弟姉妹が4人の場合、それぞれ250万円ずつ相続します。

6. 具体例

例1:配偶者と子が相続人

  • 遺産額:2000万円
  • 相続人:配偶者(1名)、子ども(2名)
  • 配偶者の相続分:1/2 → 1000万円
  • 子ども2人で残りの1/2を均等に分ける → 500万円ずつ

例2:配偶者と親が相続人

  • 遺産額:2000万円
  • 相続人:配偶者(1名)、親(1名)
  • 配偶者の相続分:2/3 → 1333万円
  • 親の相続分:1/3 → 667万円

例3:配偶者と兄弟姉妹が相続人

  • 遺産額:1000万円
  • 相続人:配偶者(1名)、兄弟姉妹(2名)
  • 配偶者の相続分:3/4 → 750万円
  • 兄弟姉妹で残りの1/4を均等に分ける → 125万円ずつ

7. 法定相続分の変更

法定相続分は、あくまで法律上の目安であり、遺言書や遺産分割協議により変更することができます。例えば、遺言で特定の相続人に多くの財産を渡すことができますし、相続人全員で話し合って分割方法を自由に決めることもできます(これを「遺産分割協議」といいます)。

結論

法定相続分は、遺言がない場合に相続人がどのように遺産を分けるかを決める法的な目安です。

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