MENU

遺産分割協議について詳しく解説!

遺産分割協議
について詳しく解説!

1. 遺産分割協議とは

遺産分割協議は、相続人が集まり、故人(被相続人)の遺産をどのように分けるかを決めるための協議です。遺産分割協議が成立すると、分割方法が決まり、各相続人がその遺産を受け取ることになります。相続人全員の同意が必要で、協議が整わなければ、裁判所での調停や審判を経て遺産分割が決定されることになります。

2. 遺産分割協議を行う前に確認するべきこと

遺産分割協議を始める前に、以下の点を確認しておく必要があります。

2.1 相続人の確定

遺産分割協議を行う前に、まず誰が相続人であるかを確認しなければなりません。相続人は、通常、被相続人の配偶者や子供が該当しますが、他にも両親や兄弟姉妹が相続人となる場合があります。相続人が誰であるかを明確にするため、戸籍を確認することが重要です。

2.2 遺産の特定と評価

遺産には、現金、不動産、株式、貴金属など様々な種類があります。遺産を分ける前に、すべての遺産を特定し、その価値を評価することが必要です。特に不動産や株式などの評価が難しい場合、専門家(鑑定士や税理士)の助けを借りることが多いです。

2.3 遺言書の有無

遺産分割協議を開始する前に、被相続人が遺言書を残していないかを確認します。遺言書があれば、原則その内容に従って遺産を分割することになります。

3. 遺産分割協議の進行方法

遺産分割協議を行う際には、以下の手順に従います。

3.1 協議の開始

遺産分割協議は、相続人全員が集まって行います。協議の際には、遺産をどのように分けるか、誰がどの財産を受け取るかを話し合います。この段階で、分割方法について意見が分かれることもあります。

3.2 分割方法の決定

遺産分割協議では、相続人全員が納得する形で分割方法を決定します。具体的には、以下の方法があります。

  • 現物分割:遺産の一部を相続人にそのまま渡す方法。例えば、不動産や車などを特定の相続人に渡す。
  • 代償分割:現物分割が難しい場合に、代わりに金銭で代償を支払う方法。例えば、不動産を一部の相続人が受け取り、その代わりに他の相続人に金銭を支払う。
  • 換価分割:遺産を売却して現金にし、それを分ける方法。特に不動産など、売却可能な財産がある場合に用いられます。
  • 共有分割:財産を分けずに、相続人全員で共有する方法。ただし、共有状態が続くと、管理や利用に問題が生じるため、慎重に決めるべきです。

3.3 協議の成立

相続人全員が納得した内容で協議が成立すれば、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には、遺産の分割方法とそれぞれの相続人が受け取る財産が記載され、相続人全員が署名・押印を行います。この協議書は、遺産分割が正式に決定された証拠となります。

3.4 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議が成立した後、協議内容を記録するために「遺産分割協議書」を作成します。この書類には、協議に参加した全員の署名と押印が必要です。遺産分割協議書を作成することで、後に争いが起きた場合でも、協議内容が証拠となり、円滑な手続きが進みます。

4. 遺産分割協議の注意点

遺産分割協議を進める際には、いくつかの注意点があります。

4.1 相続人全員の同意が必要

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。一人でも反対すると、協議は成立しません。そのため、協議を行う際には、全員が参加することが求められます。

4.2 公平性を保つ

遺産分割の際、できるだけ公平に分けることが求められます。特に金銭的な負担や、分け方が不公平だと感じられる場合には、相続人間でトラブルが発生することがあります。公平に分割するために、事前に評価をしっかり行うことが大切です。

4.3 遺産分割協議書の不備

遺産分割協議書には、記載事項に不備があると後で問題が発生することがあります。例えば、記載内容が曖昧であったり、署名や押印が不完全な場合などです。そのため、協議書は慎重に作成し、法的に有効なものにする必要があります。

4.4 協議がまとまらない場合

相続人全員の合意が得られない場合や、協議が長引く場合には、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます。調停は、裁判所の仲介を受けて、相続人間で解決を図る手続きです。それでも解決しない場合は、遺産分割審判に移行することになります。

5. 遺産分割協議後の手続き

遺産分割協議が成立し、遺産分割協議書が作成された後、相続人は各自の相続財産を受け取ることになります。そのためには、次のような手続きが必要です。

  • 名義変更:不動産、預貯金、株式などの財産の名義変更を行います。これには、原則は遺産分割協議書の提出が必要ですが、少額の場合は遺産分割協議書が不要な場合もあります。
  • 相続税の申告:相続税がかかる場合は、相続税の申告と納付を行う必要があります。これには、遺産の評価が必要となります。

6. まとめ

遺産分割協議は、相続人が集まって遺産をどう分けるかを決める重要な手続きです。協議が円満に進むように、事前に相続人の確認、遺産の評価、遺言書の有無を確認し、遺産分割協議書を慎重に作成することが大切です。協議がまとまらない場合には、調停や審判を利用することができます。