MENU

遺産分割の方法について詳しく解説!

遺産分割の方法
について詳しく解説!

遺産分割の方法

遺産分割にはさまざまな方法がありますが、その中でも代表的なものに「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有分割」があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。以下に、各方法の詳細とそのメリット・デメリットについて説明します。

1. 現物分割(げんぶつぶんかつ)

現物分割は、遺産をそのままの形で相続人ごとに分ける方法です。例えば、家や土地、車などの財産を物理的に相続人ごとに割り当てます。

メリット

  • 手続きが比較的簡単
    売却や換金の手間がないため、相続手続きがスムーズに進みやすいです。財産をそのまま受け取るだけで済むため、迅速に分割を終えることができます。
  • 物理的な分割が可能な場合
    例えば、不動産が広い土地であり、分割可能な場合には相続人ごとに適切に分けることができます。土地を分割して、それぞれの相続人が住んだり、利用したりすることができます。

デメリット

  • 公平性の問題
    相続財産の価値が異なる場合、現物分割では公平性が確保しにくいことがあります。例えば、不動産と現金、株式などを分ける場合、それぞれの財産の価値が異なるため、どの相続人がどの財産を受け取るかを調整するのが難しくなることがあります。
  • 分割が難しい財産もある
    不動産や株式、保険金などは現物分割には向かないことがあります。特に不動産が小さい土地の場合、複数の相続人が共同で所有することになると、後々管理が煩雑になり、争いが起こる可能性もあります。

2. 代償分割(だいしょうぶんかつ)

代償分割は、現物分割を行った後に、不公平感を解消するために金銭を支払う方法です。例えば、相続人の一人が価値の高い不動産を受け取った場合、その相続人が他の相続人に代償金を支払うという方法です。

メリット

  • 公平感を保つことができる
    価値の異なる財産を分ける場合でも、代償金を支払うことで相続人間で公平性を保つことができます。特に不動産などの高価な財産を受け取る相続人が他の相続人に金銭的に補償することで、全員が納得しやすくなります。
  • 現物を引き継ぐ相続人の希望を尊重
    特定の不動産や動産を希望する相続人がいる場合、その希望を尊重しながら他の相続人に代償金を支払うことができます。

デメリット

  • 代償金を支払う負担が大きい
    高額な代償金を支払う必要がある場合、その支払いが相続人にとって負担になることがあります。特に、代償金を現金で支払う場合、現金を用意できない相続人にとっては困難になることがあります。
  • 金銭の調整が難しいことがある
    代償金をどのくらい支払うべきかを協議し、合意を得るのが難しいことがあります。相続人間での評価額や支払い方法について意見が食い違う場合、協議が長引くことがあります。

3. 換価分割(かんかぶんかつ)

換価分割は、遺産を売却して現金化し、その現金を相続人で分ける方法です。主に不動産などが分割しにくい場合に用いられます。

メリット

  • 公平に分割できる
    財産を売却して現金にすることで、相続人全員に対して等しく分けることができます。現金化することで、相続人間で公平に分配しやすくなります。
  • 複雑な財産の分割が可能
    不動産や株式など、物理的に分割しにくい財産も、売却して現金化することで分けやすくなります。特に不動産を分割するのが難しい場合に有効です。

デメリット

  • 売却に時間と費用がかかる
    財産を売却するには時間がかかり、売却手数料や税金、仲介費用などのコストが発生することがあります。また、不動産市場の状況によっては、期待していた金額で売却できない場合もあります。
  • 相続税の問題
    売却した結果得た現金が高額になると、相続税の申告や納付に影響を与える可能性があります。換価分割の際は、相続税の負担を考慮する必要があります。

4. 共有分割(きょうゆうぶんかつ)

共有分割は、遺産を相続人全員で共有する方法です。例えば、土地や不動産を複数の相続人が共同で所有し、その後管理や利用を決めるという方法です。

メリット

  • 物理的に分けにくい財産を分割できる
    財産を分けることが難しい場合、共有分割であれば物理的に分けずに相続人全員で所有することができます。土地や不動産など、分割しても使用価値が落ちる場合には有効な方法です。
  • 協力して管理できる
    共同で所有するため、相続人間で協力して管理や運営を行うことができる場合があります。例えば、家業などを続けるために共有分割を選択することがあります。

デメリット

  • 管理が煩雑
    複数の相続人が共有することにより、管理や利用方法で意見が対立することがあります。特に不動産の利用方法や売却に関して、意見の違いが生じることが多く、トラブルの原因となることがあります。
  • 売却や利用が難しくなる
    共有者全員の同意が必要となるため、共有分割後に財産を売却したり、利用方法を変更することが非常に難しくなることがあります。すべての相続人の意見が一致しないと、意思決定が進まなくなる可能性があります。

5. まとめ

分割方法メリットデメリット
現物分割手続きが簡単、特定の財産を希望する相続人に合う公平性の確保が難しい、分割しにくい財産がある
代償分割公平性が保たれる、相続人の希望を尊重代償金の負担が大きい、調整が難しい場合がある
換価分割公平に分割できる、分割しにくい財産を現金化できる売却に時間と費用がかかる、相続税の問題
共有分割分割しにくい財産を共有できる、協力して管理できる場合も管理が煩雑、全員の同意が必要で意思決定が進まないことがある

どの分割方法を選択するかは、遺産の種類や相続人の状況、相続人間の関係などによって異なります。相続人同士で協議し、最適な方法を選ぶことが大切です。