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戸籍の広域交付制度について詳しく解説!

戸籍の広域交付制度
について詳しく解説!

戸籍の広域交付制度とは

戸籍の広域交付制度とは本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を取得することができるという制度です。戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第 17 号)が、令和6年3月1日に施行され、本籍地以外の市区町村窓口でも、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍を除き、戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになりました(ただし、一部事項証明書、個人事項証明書の請求は除く)。これによって、例えば、本籍地が遠くにある方でも、お住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口1か所で、全国各地の戸籍証明書等をまとめて請求できることとなります。広域交付を利用することで、特定の目的に応じた手続きを効率的に進めることができます。

広域交付の特徴とメリット

  1. 自宅の近くで他市区町村の戸籍を取得できる
    • 例えば、住民登録をしているのが東京都の渋谷区で、本籍地が福岡県の福岡市の場合、渋谷区役所や最寄りの役所など全国どこの役所でも、福岡市の戸籍を直接請求することができ、手続きの効率化を図ることができます
  2. 戸籍取得の手続きが簡便になる
    • 戸籍が必要となる手続き(相続、結婚、名前の変更など)を行う際に、住民登録している市区町村以外で戸籍証明書を取得する場合に便利です。たとえば、引越し後に新しい市区町村で手続きをする場合、引越し先の近隣の役所で戸籍証明書を取得できることで、手続きがスムーズに進みます。
  3. 離れて住む人にも便利
    • 引越しをして他の市区町村に住んでいる場合でも、元の市区町村での戸籍証明書が必要な場合に便利です。特に、仕事や用事で一時的に別の地域に住んでいる場合に、元の戸籍の証明を簡単に取り寄せられるメリットがあります。

広域交付を利用するための要件

広域交付制度を利用するには、いくつかの条件があります。

  1. 請求できる人
    • 請求できる人は本人や配偶者、父母や祖父母等の直系尊属、子や孫等の直系卑属に限られています。委任状による代理請求、第三者請求、士業による職務上請求は対象外となっていますので注意が必要です。
  2. 取得できる戸籍の種類
    • 広域交付制度を使って取得できる戸籍証明書は、戸籍謄本(戸籍全員の記載)や戸籍抄本(特定の人物の記載)です。コンピュータ化されていない戸籍謄本・除籍謄本、一部事項証明書、個人事項証明書、戸籍の附票の写し、身分証明書、独身証明書等は広域交付制度の対象外です。
  3. 申請方法
    • 市区町村の窓口で申請を行いますが、全国どこの役所であっても広域交付を通じて申請が可能です。ただし、身分証明書(免許証やパスポートなど)を提示し、適切な手続きを行うことが求められます。戸籍等を請求できる方が直接窓口で請求する必要があるため、郵送による請求はできません。

広域交付の利用例

  1. 相続手続き
    相続手続きを進めるために、相続人の戸籍謄本や抄本が必要となります。相続人の本籍地を管轄する市区町村でなくても、広域交付を通じてその市区町村の戸籍証明書を取得できます。
  2. 婚姻届の提出
    婚姻届を提出する際に、両方の戸籍謄本が求められることがあります。この場合も、全国どこの役所でも広域交付を使って戸籍謄本を取得できます。

広域交付を利用する際のデメリット

  • 手数料がかかる
    通常、戸籍証明書を取得する際には手数料がかかります。広域交付であっても手数料は同様に発生しますが、これは地域によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
  • 取得できるのは一部の戸籍だけ
    広域交付制度では、戸籍証明書の取得が主な目的となり、コンピュータ化されていない戸籍謄本・除籍謄本、一部事項証明書、個人事項証明書、戸籍の附票の写し、身分証明書、独身証明書等は広域交付制度の対象外です。そのため、住民票の交付は住民登録がある市区町村で行う必要があります。
  • 申請方法が限られている
    戸籍等を請求できる方が直接窓口で請求する必要があるため、郵送による請求や代理人などによる請求はできません。

広域交付制度の利用方法

  1. 窓口に行って申請
    市区町村の窓口で、必要書類(身分証明書など)を提示し、広域交付を通じて戸籍証明書を申請します。
  2. 申請書の記入
    申請書を記入し、発行を依頼します。
  3. 手数料の支払い
    各市町村で決められた手数料を支払い、発行された証明書をその場で受け取ることができます。

まとめ

戸籍の広域交付制度は、全国どこの役所でも、他の市区町村の戸籍証明書(謄本や抄本)を取得できる便利な制度です。これにより、引っ越し後や遠方の戸籍証明書が必要な場合でも、効率的に手続きが進められます。相続や婚姻、財産分与などで必要な戸籍証明書をスムーズに取得するために、広域交付制度を上手に活用することができます。

※一部法務省のHPより引用