本籍地が分からない時の調べ方|住民票で確認する方法と相続の戸籍収集

相続手続きでは、まず相続人を戸籍で確定する必要があります。そのために行うのが戸籍収集です。
ただ、戸籍を集め始めると、最初の段階で止まりやすいのが

・本籍地がわからない
・どこの役所に請求すればよいかわからない
・親族の本籍地が不明

という点です。戸籍は住所地ではなく、本籍地の役所に請求します。そのため、本籍地が分からないと戸籍収集は前に進みません。

この記事では、本籍地が分からないときに「どの書類のどこを見て」「どの順番で請求先を作るか」を、相続の戸籍収集の流れに沿って解説します。

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。

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基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。

目次

早見(結論)|本籍地の調べ方

本籍地が分からない場合は、次の方法で確認します。

被相続人の本籍地が分からない
・住民票の除票(本籍・筆頭者の表示あり)で確認する
・すでに取得した戸籍から確認する

自分の本籍地が分からない
・住民票(本籍地表示あり)で確認する
・戸籍の写し(手元にあれば)で確認する

親族の本籍地が分からない
・戸籍をたどって確認する(戸籍の身分事項欄の記載どおりに追う)

相続で必要な戸籍の範囲については、
相続の戸籍の集め方【完全版】出生から死亡までの戸籍収集を実務解説
記事で詳しく解説しています。

本籍地とは

本籍地とは、戸籍が置かれている場所のことです。本籍地と住所は別のものです。例えば

住所:東京都新宿区
本籍地:北海道札幌市

このように、住んでいる場所と本籍地が違うことは珍しくありません。
戸籍は本籍地の役所で管理されているため、戸籍を請求する場合は本籍地の市区町村役所に請求します。

本籍地が分からないと戸籍は請求できない

戸籍を請求するときは、請求書に「本籍地」「筆頭者」「氏名」を記載します。
このうち、本籍地が分からないと請求先の役所が特定できません。そのため相続の戸籍収集では、

① 本籍地を確認する
② 本籍地の役所に戸籍を請求する

という順番で進めます。

最初にやること|被相続人の本籍地を確定して「戸籍の入口」を作る

相続の戸籍収集は、最初の1手でほぼ決まります。やることは次の3行です。

① 被相続人の最後の住所地で、住民票の除票(本籍・筆頭者の表示あり)を取って本籍地を確定する
② その本籍地の役所に、被相続人の戸籍一式を「出生から死亡まで」で請求する
③ 届いた戸籍の「従前戸籍(前の本籍)」を見て、次の本籍地へ同じ請求を繰り返す

被相続人の戸籍がそろうと、配偶者や子などの情報が確認できるため、その後の戸籍収集が一気に進めやすくなります。

被相続人の本籍地が分からない場合|住民票の除票で確定する

被相続人の本籍地が分からない場合は、まず住民票の除票を取得します。
手順は次のとおりです。

① 被相続人の最後の住所地の役所に請求する
② 住民票の除票を「本籍・筆頭者の表示あり」で取得する
③ そこに記載された本籍地の役所に、戸籍一式を請求する

ここでの注意点は1つだけです。除票を請求するときに「本籍・筆頭者の表示あり」を指定しないと、肝心の本籍が出ません。

被相続人の戸籍は「戸籍一式」を出生から死亡までで請求する

本籍地が分かったら、その役所に被相続人の戸籍を請求します。最初から次のように請求すると無駄が減ります。

(例)「相続手続のため、被相続人○○の戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍を含む)を出生から死亡まで交付してください。」

戸籍が届いたら、次を確認します。

・従前戸籍(前の本籍)
・転籍の記載

そして、従前戸籍に書いてある前の本籍地へ、同じ請求を出します。
この繰り返しで、被相続人の戸籍を出生から死亡までつなげます。

自分(相続人)の本籍地が分からない場合

「自分の本籍地が分からない」だけなら、確認は簡単です。多くの場合、次のどちらかで足ります。

住民票で確認する
住民票は、請求時に「本籍地の表示あり」を選ぶと本籍地が出ます。
役所の窓口・郵送・コンビニ交付(自治体対応の場合)でも取得できます。

手元の戸籍で確認する
すでに自分の戸籍を持っている場合は、その戸籍の最上部に本籍地が載っています。
本籍地が分かったら、その役所に現在戸籍を請求できます。

相続の場面では、提出先から「相続人全員の現在戸籍」を求められることがあります。
そのときに自分の本籍地が分からず止まる人が多いので、先にここを潰しておくと楽です。

親族の本籍地が分からない場合|「どの記載を起点にするか」がすべて

被相続人の戸籍がそろえば、そこから親族の本籍地を確認できることが多いです。ここから先は、闇雲に追うのではなく「起点」を決めます。
見る場所は基本的に次の2つです。

・その人が載っている戸籍そのもの
・戸籍の身分事項欄にある転籍・婚姻などの記載

この記載どおりに請求先を移していけば、現在戸籍まで到達できます。

配偶者の本籍地

配偶者は、被相続人の戸籍(死亡の記載がある戸籍)に記載されています。
ここで配偶者について「氏名」「生年月日」「婚姻の事実」が確認できます。
提出先によって配偶者の現在戸籍を求められる場合は、配偶者の戸籍を現在までつなげて取得します。

(例)「相続手続のため、配偶者○○の現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。」

本籍地が不明でも、配偶者が載っている戸籍を起点にして、身分事項欄の転籍等の記載どおりに追えば到達できます。

子の本籍地

子は、被相続人の戸籍を出生までさかのぼる過程で出てきます。
戸籍上は、子について「氏名」「生年月日」「続柄」が記載されます。

子の現在戸籍が必要な場合は、子が載っている戸籍を起点にして、身分事項欄の記載(転籍・婚姻など)どおりに請求先を移し、現在戸籍までつなげます。

(例)「相続手続のため、子○○の現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。」

親の本籍地

親の本籍地は、被相続人の戸籍に出てくる父母の情報から作ります。
被相続人の戸籍には、父母について「氏名」「生年月日」「婚姻の事実」が記載されます。

相続で親が相続人になる場合は、通常、父母の戸籍を現在まで確認できる形でそろえます。親が死亡している場合は、死亡の記載がある戸籍で止めます。

(例)「相続手続のため、父(母)○○の戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍を含む)を出生から死亡まで交付してください。」

親が相続人になるケースは、祖父母まで確認が必要になることがあります。詳しくは以下の記事で解説しています。
親が相続人になる場合、戸籍はどこまで必要?父母・祖父母の確認範囲

兄弟姉妹の本籍地

兄弟姉妹の本籍地は、父母の戸籍で兄弟姉妹の全員を確定したうえで、各人を現在まで追います。
まずやることは固定です。

・父の戸籍(出生から死亡まで)
・母の戸籍(出生から死亡まで)

この2つで、父母の子としての兄弟姉妹がすべて出ます。
兄弟姉妹ごとの取得は次のとおりです。

・生存している兄弟姉妹:現在戸籍
・死亡している兄弟姉妹:出生から死亡までの戸籍

(例)「相続手続のため、兄弟(姉妹)○○の戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍を含む)を出生から死亡まで交付してください。」

兄弟姉妹の本籍地で止まりやすいのは、「今の本籍地が分からない」ことではなく、父母の戸籍で兄弟姉妹の全員を固められていないことです。先に父母の戸籍で全員を確定し、その後に各人を現在まで追います。

兄弟姉妹相続の戸籍収集については、以下の記事で詳しく解説しています。
兄弟姉妹が相続人の戸籍はどこまで必要?甥姪(代襲)までの取得範囲

甥姪の本籍地

甥姪の本籍地は、死亡した兄弟姉妹の戸籍から作ります。代襲が発生する場合は、次の順番が最短です。

① 死亡している兄弟姉妹の戸籍を出生から死亡までそろえる
② その途中で、子(甥姪)の氏名・続柄を確認する
③ 甥姪本人の戸籍を、そこを起点に現在までつなげる
④ 甥姪の現在戸籍を取得する

(例)「相続手続のため、甥(姪)○○の現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。」

甥姪で止まりやすいのは、「甥姪の氏名は分かったが、そこから本人の戸籍を現在までつなげられない」ケースです。この場合も、甥姪が載っている戸籍を起点にして、転籍・婚姻などの記載どおりに請求先を移します。

兄弟姉妹相続(代襲あり)の全体手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
兄弟姉妹が相続人の戸籍はどこまで必要?甥姪(代襲)までの取得範囲

住所も分からない場合(本籍以前に入口が作れない)

本籍地だけでなく、最後の住所地も分からない場合は、住民票の除票の請求先(自治体)が決まりません。この場合は、先に「最後に住んでいた市区町村」を特定する必要があります。
手がかりになりやすいのは、手元に残りやすい次のものです。

・郵便物(病院、介護施設、金融機関、公共料金、携帯会社など)
・年金関係の通知、保険証、運転免許証の記載
・固定資産税・住民税の通知(届いていたなら住所が出ます)
・通帳の取引店や届出住所、賃貸契約書、施設の入退去書類

最後の住所地が1つでも絞れれば、その自治体で住民票の除票を取り、本籍地までつながります。

本籍地が分からず止まりやすいポイント(このテーマ特有)

このテーマで特に止まりやすいのはここです。

・住民票の除票を取ったのに、本籍・筆頭者が表示されていない(請求時の指定漏れ)
・戸籍は取れたが、従前戸籍の本籍の表記が読みづらく、次の請求先が確定できない
・兄弟姉妹相続で、父母・兄弟姉妹・甥姪まで広がり、請求先が増えて把握しにくい

この3つに当てはまると、入口は作れても途中で止まりやすいです。早めに手順を固定して進めるのが安全です。

役所に出すときの請求文

被相続人の戸籍(出生から死亡まで)を請求するとき
相続手続のため、被相続人○○の戸籍一式(戸籍・除籍・改製原戸籍を含む)を出生から死亡まで交付してください。

住民票の除票(本籍・筆頭者あり)を請求するとき
相続手続のため、被相続人○○の住民票の除票(本籍・筆頭者の記載があるもの)を交付してください。

相続人の現在戸籍を請求するとき
相続手続のため、○○の現在戸籍を交付してください。転籍等している場合は転籍先が分かる戸籍を交付してください。

よくある質問(FAQ)

本籍地と住所は同じですか?

いいえ、別のものです。実際に住んでいる場所と本籍地が違うことは珍しくありません。

本籍地が昔のままでも戸籍は取れますか?

取れます。本籍地の役所に請求します。戸籍に従前戸籍の記載があれば、前の本籍地も追っていけます。

本籍地が分からないときは、住民票と戸籍のどちらを先に取るべきですか?

被相続人については、まず住民票の除票で本籍地を確認するのが一般的です。そこから本籍地の役所に戸籍一式を請求します。

兄弟姉妹の本籍地が分からないときは、父母の戸籍が必要ですか?

必要です。兄弟姉妹相続では、父母の戸籍で兄弟姉妹の全員を確定したうえで、各人の戸籍を現在まで追います。

まとめ

本籍地が分からない場合は、次の方法で確認できます。

・住民票(または住民票の除票)で確認する
・戸籍から確認する
・親族の戸籍をたどる

相続の戸籍収集では、まず被相続人の住民票の除票で本籍地を確定し、そこから戸籍一式を取って従前戸籍を追うのが最短です。

止まっている場合は、「誰の本籍地が分からないのか」と「入口(最後の住所地)が分かっているか」を先に確定させてください。そこが決まれば、戸籍収集は前に進みます。

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続手続きでは、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」すべて揃える必要があります。
次に、相続人を確定するために、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意するかを判断します。
この判断が難しく、戸籍収集が止まりがちです。

・相続人の範囲が分からない(配偶者・子・直系尊属・兄弟など)
・必要な戸籍の範囲が確定できず、どこで終わるか分からない
・改製原戸籍が読みにくい/つながりが分かりにくい

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行しています。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
「どこまで必要か分からない」段階でも、必要範囲の確認から対応します。

※全国の役所から戸籍を取り寄せできます

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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