法定相続情報一覧図を作ろうと考えたとき、
・どの手続で使えるのか
・銀行や証券会社、法務局でも使えるのか
・一覧図を出せば何が不要になるのか
・逆に、一覧図があっても別で必要な書類は何か
と気になる方は多いです。
結論から言うと、法定相続情報一覧図は多くの相続手続で使えます。そして、一覧図を提出すれば、各手続先に戸籍原本は提出しません。ただし、一覧図があっても相続手続がそれだけで終わるわけではありません。本人確認書類、印鑑証明書、遺産分割協議書、手続先ごとの所定書類などは別で必要になることがあります。
つまり、法定相続情報一覧図は「相続手続の必要書類を全部なくすもの」ではなく、「戸籍原本を各手続先に何度も出さないためのもの」として理解するのが正確です。
この記事では、法定相続情報一覧図がどこで使えるのか、何の代わりになり、どこで足りなくなるのかを実務ベースで解説します。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
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先に結論 法定相続情報一覧図が代わりになるのは戸籍一式だけ
先に結論を言うと、法定相続情報一覧図が代わりになるのは、相続関係を証明するための戸籍一式です。そのため、一覧図を提出すれば、各手続先に戸籍原本は提出しません。
一方で、一覧図があっても別で必要になりやすいのは、たとえば次のような書類です。
・相続人本人の本人確認書類
・印鑑証明書
・遺産分割協議書
・各手続先の所定書類
つまり、法定相続情報一覧図は「戸籍の代わりになる資料」ではありますが、「相続手続に必要なすべての書類の代わりになる資料」ではありません。
法定相続情報一覧図そのものの制度、作成方法、必要書類は、以下の記事で詳しく解説しています。
法定相続情報一覧図とは?作成方法・必要書類・何枚もらうべきかを解説
法定相続情報一覧図を使うと何が変わるのか
法定相続情報一覧図を使う最大の変化は、各手続先に戸籍原本を出さなくてよくなることです。
通常の相続では、
・戸籍原本を出す
・返してもらう
・次の手続先にまた出す
という流れになりやすいです。
特に、銀行にも法務局にも出したい相続では、
・先に銀行へ出す
・原本が戻る
・そのあと法務局に出す
という形で、戸籍原本を回しながら進めることになります。
一方、法定相続情報一覧図を作った後は、
・各手続先には一覧図を出す
・戸籍原本は各手続先に出さない
という流れになります。この違いはかなり大きいです。
戸籍原本を返してもらいながら進める原本還付との違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
相続手続で戸籍の原本還付とは?法定相続情報一覧図との違い
法定相続情報一覧図が使える主な手続
銀行の相続手続
銀行の預金解約や名義変更では、法定相続情報一覧図が使えます。この場面で一覧図が意味を持つのは、相続関係を証明するために、戸籍原本ではなく一覧図を提出できるからです。ただし、銀行手続では一覧図だけで完結するわけではありません。本人確認書類や印鑑証明書、場合によっては遺産分割協議書などは別で必要です。
証券会社の相続手続
証券口座の解約や名義変更でも、法定相続情報一覧図は使えます。考え方は銀行と同じです。一覧図を提出すれば、相続関係を証明するために戸籍原本は出しません。
ただし、証券会社でも、
・本人確認
・所定の相続手続書類
・遺産分割協議書などの別書類
は別で必要になります。
相続登記(不動産の名義変更)
相続登記でも、法定相続情報一覧図は使えます。この場面でも、一覧図を提出すれば戸籍原本は提出しません。ここで原本還付との違いがはっきり出ます。原本還付で進める場合は、戸籍原本を出して返してもらいながら進めます。一方、一覧図を作れば、各手続先に戸籍原本を出さない方向に変わります。
法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違い|どこで使える?
その他の相続手続
そのほかの名義変更や解約手続でも、法定相続情報一覧図が使える場面があります。ただし、ここは一律に考えない方が安全です。手続先ごとに必要書類が違うことがあるからです。したがって実務では、「一覧図があれば何でも通る」ではなく、「戸籍の代わりとして使える場面が多いが、別書類は手続先ごとに必要」という見方が自然です。
法定相続情報一覧図があっても別で必要な書類
ここがこの記事のいちばん大事なところです。法定相続情報一覧図があっても、次のような書類は別で必要になりやすいです。
本人確認書類
一覧図は相続関係を示す資料です。そのため、相続人本人が誰かを確認するための本人確認書類までは代替しません。
印鑑証明書
印鑑証明書も、一覧図では置き換えません。一覧図は相続人の関係を示す資料であって、押印した人の意思や実印の証明までは担わないからです。
遺産分割協議書
遺産分割協議書が必要な相続では、一覧図があっても協議書は別で必要です。一覧図は「誰が相続人か」を示す資料です。一方、遺産分割協議書は「誰が何を取得するか」を示す資料です。役割が違うので、一覧図で協議書が不要になるわけではありません。
手続先ごとの所定書類
各手続先には、それぞれ独自の申請書や届出書があることが普通です。一覧図はそれらの代わりにはなりません。したがって、一覧図を作った後も、手続先ごとの所定書類は別で必要です。
どこで足りなくなるのか
法定相続情報一覧図が足りなくなるのは、相続関係の証明以外の確認が必要な場面です。
つまり、一覧図は
・相続関係の証明には強い
・それ以外の確認までは担わない
という性質です。
だから、一覧図があっても、
・本人確認
・印鑑証明
・遺産分割協議書
・手続先独自書類
が別で必要なら、その部分では一覧図だけでは進みません。
言い換えると、
・戸籍の代わりにはなる
・相続手続全部の代わりにはならない
ということです。
どんな相続で法定相続情報一覧図を使うべきか
手続先が複数ある場合
銀行、証券会社、不動産など、複数の手続先がある場合は、法定相続情報一覧図のメリットが大きいです。一覧図を作れば、各手続先に戸籍原本を提出しません。そのため、戸籍原本を回しながら進める必要がなくなります。
戸籍の通数が多い場合
兄弟姉妹相続や代襲相続などで戸籍が多い場合は、一覧図の価値が大きくなります。戸籍一式をそのまま何度も出すより、一覧図で相続関係をまとめて示す方がかなり進めやすいからです。
同時に複数の手続を進めたい場合
一覧図を作れば、各手続先には一覧図を出す流れになります。そのため、複数の手続を並行して進めやすくなります。ここでも、一覧図の強みは「戸籍原本を各手続先に出さないこと」にあります。
戸籍収集にお困りの方へ
相続では、
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。
しかし、実際には、
・戸籍が多くて全体が見えにくい
・どこまで集めればよいか分からない
・法定相続情報一覧図を作るべきか判断できない
・複数の手続先にどう出せばよいか分からない
といった形で止まりやすいです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
戸籍が多い相続でも戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
法定相続情報一覧図は、多くの相続手続で使えます。そして、一覧図を提出すれば、各手続先に戸籍原本は提出しません。
ただし、一覧図が代わりになるのは戸籍一式だけです。
そのため、
・本人確認書類
・印鑑証明書
・遺産分割協議書
・手続先ごとの所定書類
までは代替しません。
つまり、法定相続情報一覧図は「何もかも不要にする制度」ではなく、「戸籍原本ループを止める制度」として理解するのが正確です。
特に、
・手続先が複数ある
・戸籍が多い
・同時に手続を進めたい
といった相続では、法定相続情報一覧図を作るメリットが大きくなります。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
