戸籍の転籍とは?相続で戸籍が移る仕組みと追い方を解説

相続で戸籍を集めていると、

・同じ人なのに戸籍が途中で切り替わっている
・本籍地が途中で変わっている
・前の戸籍と今の戸籍で請求先が違う

といった場面があります。

このとき、戸籍の流れを理解するうえで重要になるのが転籍です。転籍とは、本籍地を変更することです。相続で戸籍を出生から死亡まで追うときは、この転籍を正しく読めるかどうかで、次に取るべき戸籍や請求先がかなり変わります。

特に、

・今の戸籍だけ見て終わったと思ってしまう
・前の本籍地の戸籍を見落とす
・昔は別の役所だったのに、今は同じ役所になっている

といったところで止まりやすいです。

この記事では、戸籍の転籍とは何かを相続実務の目線で解説します。

具体的には、

・転籍とは何か
・管内転籍と管外転籍の違い
・相続でどこが重要か
・転籍がある戸籍をどう追うか
・止まりやすいポイント

を順番に見ていきます。

なお、編製原因全体の見方は、以下の記事でまとめて解説しています。
戸籍の編製原因とは|転籍・婚姻・分家・家督相続で戸籍の流れを読む

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
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目次

転籍とは本籍地を変更すること

転籍とは、本籍地を別の場所へ変更することです。戸籍は本籍地ごとに作られます。そのため、本籍地が変わると、戸籍の流れにも影響が出ます。相続で戸籍を追うときに大事なのは、「戸籍の中の人が変わったかどうか」ではなく、「どの本籍地の戸籍を次に追うべきか」です。

転籍があると、この流れが変わります。そのため、戸籍を読んでいるときは、

・いつ転籍したのか
・どこからどこへ本籍地が変わったのか
・その結果、次にどの戸籍を取るべきか

を見る必要があります。

本籍地は比較的自由に選べるため、婚姻や住所地への変更などをきっかけに転籍する人もいます。

相続で転籍が重要になる理由

相続では、被相続人の戸籍を出生から死亡まで集める必要があります。このとき、現在の戸籍だけでは足りないことがほとんどです。婚姻、転籍、改製などによって、前の戸籍が別に残っているからです。

特に転籍は、

・前の戸籍が別にある手がかりになる
・請求先が変わることがある
・今の戸籍だけでは過去が追えなくなる

という点で重要です。

たとえば、死亡時の戸籍を取っても、その戸籍の中に前の本籍地が見えていれば、まだ前の戸籍があります。ここで終わったと思ってしまうと、出生から死亡までつながりません。つまり、転籍を正しく読めないと、「被相続人の戸籍は集めたつもりだったが、実はまだ前の戸籍があった」という形で止まりやすいです。

転籍には管内転籍と管外転籍がある

転籍には、大きく分けて

・管内転籍
・管外転籍

があります。この違いは、相続で戸籍を追うときにかなり重要です。

管内転籍とは同じ市区町村内で本籍地を変えること

管内転籍とは、同じ市区町村の中で本籍地を変更することです。

たとえば、同じ市内で本籍地だけを別の町名地番へ移すような場面です。この場合、転籍ではありますが、請求先の役所は変わりません。そのため、相続で戸籍を追うときも、今の目線では同じ役所の中で追えることが多いです。

管外転籍とは別の市区町村へ本籍地を移すこと

管外転籍とは、別の市区町村へ本籍地を変更することです。この場合は、転籍前と転籍後で請求先の役所が変わります。相続で重要なのはここです。

今の戸籍を見て前の本籍地が別の市区町村になっていれば、次に追う戸籍は別の役所へ請求することになります。そのため、戸籍が追えなくなる原因として多いのは、管外転籍です。

管内転籍は同じ役所の中で続いて見えることがある

古い戸籍では、管内転籍の場合、必ずしも戸籍そのものがまったく別の紙に切り替わるとは限りません。同じ市区町村の中で本籍地を移した場合、古い戸籍の中で本籍の記載が変更される形で扱われることがあります。

つまり、

・同じ役所の中で続いている
・見た目には一続きに見える
・でも本籍地自体は変わっている

ということがあります。

このため、管内転籍では請求先の役所は変わらなくても、「本籍地が変わった」という事実そのものは見落とさない方がいいです。相続では、戸籍の流れを読むときに、本籍地の変化そのものが次の手がかりになることがあるからです。

管外転籍は別の戸籍として追う意識が必要

管外転籍は、相続で特に重要です。別の市区町村へ転籍している場合は、転籍前の戸籍と転籍後の戸籍を別のものとして追う意識が必要です。

流れとしては、

前の本籍地の戸籍

管外転籍

新しい本籍地で新しい戸籍

となります。

そのため、相続で被相続人の戸籍を追うときは、

・今の戸籍に書かれている前の本籍地を見る
・その前の本籍地の役所へ請求する
・さらにその戸籍を見て、もっと前があれば追う

という流れになります。ここを分かっていないと、「今の役所でもう全部取れたはず」と思って止まりやすいです。

転籍当時は管外でも今は同じ役所のことがある

ここは実務でかなり大事です。転籍当時は別の市区町村への転籍、つまり管外転籍だったとしても、今は市町村合併によって同じ市区町村になっていることがあります。

たとえば、

転籍した当時→ A市からB町への転籍だった
現在→ A市とB町が合併して同じ市になっている

というケースです。

この場合、転籍当時の意味としては管外転籍ですが、今の請求先としては同じ役所になることがあります。つまり、「当時の戸籍の流れ」と「今の請求先」は分けて考えないといけません。ここを混同すると、「別役所だと思っていたら今は同じだった」逆に「今は同じ市だから一続きだと思ったが、当時は別の戸籍だった」という勘違いが起きやすいです。

転籍がある戸籍を追うときの見方

相続で転籍がある戸籍を追うときは、次の順で見ると分かりやすいです。

まず今の戸籍の本籍地を確認する

最初に見るのは、今取れている戸籍の本籍地です。ここで今の戸籍の位置が分かります。

次に転籍の記載や前の本籍地を確認する

その戸籍の中に、前の本籍地や転籍に関する記載がないかを見ます。ここが次に追う戸籍の手がかりです。

前の本籍地に対応する戸籍を取る

前の本籍地が分かったら、その本籍地に対応する戸籍を請求します。その戸籍を見て、さらに前があれば同じように追います。

出生までつながるまで繰り返す

相続で必要なのは、被相続人の戸籍が出生から死亡まで切れずにつながることです。そのため、「今の戸籍→前の本籍地→さらに前の本籍地」という流れを、出生までたどります。

転籍で止まりやすい典型パターン

相続実務で止まりやすいのは、次のようなパターンです。

今の戸籍だけ見て終わったと思う

一番多いのがこれです。死亡時の戸籍や現在戸籍を取って安心してしまい、前の本籍地があることを見落とすパターンです。

改製と転籍が重なっていて流れを見失う

戸籍は、転籍だけでなく改製でも切り替わります。

そのため、

・転籍で本籍地が変わる
・その後に改製が入る

という流れだと、戸籍のつながりが見えにくくなります。

改製については以下の記事で詳しく解説します。
戸籍の改製とは?改製原戸籍が必要になる理由と戸籍の流れを解説

昔の地名と今の自治体名が違って請求先が分からない

これもかなり多いです。昔の戸籍には、今はもうない市町村名が出てくることがあります。そのため、現在どこの役所へ請求すればよいのか分からなくなりやすいです。

管内転籍と管外転籍を感覚で判断してしまう

見た目だけで「同じ紙だから同じ戸籍だろう」「今は同じ市だから同じ扱いだろう」と考えると危ないです。見るべきなのは、今の感覚ではなく、その戸籍の流れです。

転籍と改製はセットで見ると分かりやすい

相続で戸籍を追うときは、転籍だけでなく改製も一緒に見ると流れが分かりやすくなります。
転籍は本籍地の移動です。
改製は制度変更にともなう戸籍の作り直しです。
相続で止まりやすいのは、この2つが重なる場面です。

たとえば、

・転籍前の戸籍がある
・その戸籍の中に改製原戸籍がある
・さらにその前に別の本籍地がある

というように、何層にもなっていることがあります。そのため、転籍だけ見ていても足りず、「この戸籍はなぜ作られたのか」まで見る必要があります。

相続で転籍を読むときに押さえたいこと

相続で転籍を読むときに大事なのは、次の3点です。

・本籍地が変わったら前の戸籍が別にある可能性が高い
・管外転籍では請求先が変わる
・転籍当時の区分と今の請求先は一致しないことがある

つまり、転籍は本籍地を変える編製原因であり、相続では前の戸籍の所在と請求先を見つける手がかりになります。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では、
・被相続人の戸籍を出生から死亡まで集める
・戸籍を確認して相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。

しかし、実際には、
・転籍で本籍地が変わって戸籍が追えない
・前の本籍地がどこまで続くのか分からない
・管内転籍なのか管外転籍なのか判断しにくい
・昔の市町村名と今の請求先が結びつかない
といった形で止まりやすいです。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、
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まとめ

転籍とは、本籍地を変更することです。相続で戸籍を追うときは、転籍を正しく読むことが重要です。なぜなら、本籍地が変わると、前の戸籍の所在や次の請求先が変わるからです。

特に大事なのは、

・管内転籍と管外転籍の違い
・転籍前の戸籍が別にあること
・転籍当時は管外でも今は同じ役所のことがあること

です。

転籍は本籍地を変える編製原因であり、相続では前の戸籍の所在と請求先を見つける手がかりになります。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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