配偶者は常に相続人になる?内縁・離婚・別居・再婚時の相続関係を解説

相続では「配偶者は相続人になる」と聞くことが多いですが、正確には、相続開始時点で法律上の婚姻関係がある配偶者が相続人になります。

そのため実務では、

・内縁の相手も相続人になるのか
・離婚した元配偶者はどうなるのか
・別居している場合は相続人ではないのか
・再婚している場合は誰が配偶者として扱われるのか

といった点で迷うことが少なくありません。

結論からいうと、配偶者が法定相続人になるかどうかは、一緒に暮らしていたかどうかではなく、相続開始時点で法律上の婚姻関係があるかどうかで決まります。

また、配偶者が相続人になるとしても、それだけで相続人確認が終わるわけではありません。前婚の子の有無も含めて、相続人全体を確認する必要があります。

この記事では、

・配偶者が相続人になる基本ルール
・内縁、離婚、別居、再婚時の考え方
・前婚の子がいる場合の相続人関係
・戸籍でどの順番で確認するのか

を、戸籍収集の実務を前提に解説します。

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相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
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目次

配偶者は順位とは別枠で常に法定相続人になる

法定相続人には、

「第1順位 子」
「第2順位 直系尊属」
「第3順位 兄弟姉妹」

という順位があります。

ただし、配偶者はこの順位の中の1つではありません。相続開始時点で法律上の配偶者であれば、順位とは別枠で常に相続人になります。

つまり配偶者がいる場合は、

・子がいれば「配偶者と子」
・子がいなければ「配偶者と直系尊属」
・子も直系尊属もいなければ「配偶者と兄弟姉妹」

という形で相続人が決まります。

ここは法定相続人の総論として最初に押さえておきたい部分です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
法定相続人とは?誰が相続人になるのか判断手順を分かりやすく解説 

配偶者かどうかは生活実態ではなく法律上の婚姻関係で判断する

相続でいう配偶者は、法律上の婚姻関係にある人です。

そのため、

・長年同居している
・生活費を支えていた
・周囲から夫婦として見られていた

といった事情があっても、婚姻届を出していなければ法定相続人にはなりません。

逆に、

・長期間別居している
・夫婦関係が事実上うまくいっていない

という事情があっても、離婚が成立していなければ配偶者です。
相続では、生活実態よりも、相続開始時点で法律上の婚姻関係があるかどうかで判断します。

内縁・離婚・別居では配偶者の扱いがどう変わるか

内縁の配偶者は法定相続人にならない

内縁関係は、実質的には夫婦のような生活をしていても、原則として法定相続人にはなりません。

たとえば、

・長期間同居している
・子どもがいる
・生活がほぼ一体になっている

という場合でも、婚姻届を出していなければ相続人にはならないのが原則です。そのため相続人確認では、現在の戸籍上の婚姻関係を基準に判断します。

離婚した元配偶者は法定相続人にならない

離婚した元配偶者も、法定相続人にはなりません。過去に婚姻関係があったとしても、相続開始時点で離婚が成立していれば、相続人として扱われることはありません。

戸籍実務では、「婚姻の記載」「離婚の記載」の両方を確認し、相続開始時点で婚姻関係が続いていたかを見ます。

別居していても婚姻関係が続いていれば配偶者である

夫婦が長期間別居していても、離婚が成立していなければ法律上の配偶者です。したがって、法定相続人になります。生活実態が離れていることは、配偶者でなくなる理由にはなりません。ここでも基準になるのは別居の事実ではなく、婚姻関係の有無です。

再婚している場合は現在の配偶者が法定相続人になる

再婚している場合に相続人になる配偶者は、現在婚姻関係にある配偶者です。前婚の元配偶者は相続人にはなりません。ただし、再婚がある相続では、配偶者本人よりも「前婚の子」を見落としやすい点に注意が必要です。

たとえば、

・前妻とは離婚している
・その後に再婚している
・前妻との間に子がいる

この場合の相続人は、「現在の配偶者」「前妻との子」となります。前妻本人は相続人ではありません。この点は、現在の配偶者が前婚の子の存在を把握していないこともあり、実務では特に重要です。

元配偶者は相続人にならなくても前婚の子は相続人になることがある

ここは実務で特に誤解が多いポイントです。

離婚した元配偶者は法定相続人にはなりませんが、その元配偶者との間に子がいる場合、その子は被相続人の子として相続人になります。

そのため、

・元配偶者は相続人ではない
・しかし前婚の子は相続人になることがある

この2点を分けて見ないと、相続人の前提を誤りやすくなります。特に現在の配偶者だけを見て相続人を考えてしまうと、前婚の子の存在を見落として後から前提が変わることがあります。

配偶者がいても他の相続人の確認は必要になる

配偶者は常に相続人になりますが、それだけで相続人確認が終わるわけではありません。配偶者と一緒に相続人になる人を確定する必要があるからです。

そのため実務では、

・まず配偶者の有無を確認する
・次に子の有無を確認する
・子がいなければ直系尊属を確認する
・それもいなければ兄弟姉妹を確認する

という順番で見ていきます。ここで重要なのは、「配偶者がいる相続」ではなく、「配偶者を含めた相続人全体」を確認するという視点です。

配偶者に関する戸籍確認はどの順番で進めるか

配偶者が関係する相続では、戸籍で主に次の点を確認します。

まず確認すること

・相続開始時点で婚姻関係があるか
・離婚の記載があるか
・再婚している場合は現在の婚姻関係がどうなっているか

続けて確認すること

・被相続人の出生から死亡までの戸籍
・子の有無
・前婚の子の有無
・必要に応じて直系尊属や兄弟姉妹の有無

つまり、配偶者だけを見るのではなく、配偶者を起点として相続人全体を確認していくことが重要です。

相続人が分からない場合にどこから戸籍を集めるかは、以下の記事でも解説しています。
相続人がわからない時の戸籍の取り方|どこから戸籍を集める?

配偶者が関係する相続で止まりやすいポイント

配偶者がいる相続では、

・内縁の相手を配偶者だと思ってしまう
・離婚した元配偶者を相続人だと思ってしまう
・別居しているから相続人ではないと考えてしまう
・再婚後も前婚の元配偶者が関係すると誤解する
・前婚の子の存在を見落とす

といった点で判断を誤りやすくなります。
特に生活実態を基準に配偶者かどうかを判断してしまうと、相続人の前提が途中で変わる原因になります。

また、現在の配偶者だけを見て安心してしまい、前婚の子まで確認しないまま進めると、あとで相続人の範囲が変わることもあります。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。

特に配偶者がいる相続では
・現在の婚姻関係の確認
・過去の婚姻歴の確認
・前婚の子の有無の確認
・配偶者と一緒に相続人になる人の確定
など、戸籍確認が必要になることがあります。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。

戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。

まとめ

配偶者は、相続開始時点で法律上の婚姻関係があれば常に法定相続人になります。

重要なのは、

・内縁の相手は法定相続人ではない
・離婚した元配偶者は法定相続人ではない
・別居していても離婚していなければ配偶者である
・再婚している場合は現在の配偶者が相続人になる
・前婚の子は相続人になることがある

という点です。

また実務では、配偶者だけでなく、子・直系尊属・兄弟姉妹の有無を順番に確認し、相続人全体を戸籍で確定していくことが重要になります。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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