前妻の子は相続人になる?相続順位と戸籍確認のポイントを実務解説

相続が始まったときに、「前妻の子は相続人になるのか」と不安になる方は少なくありません。

特に、

・今の配偶者との間に子がいる
・前の結婚について家族がよく知らない
・前妻はもう相続に関係ないのだから、その子も関係ないのではないかと思っている
・現在の戸籍を見ると今の家族しか出てこない

このような場合は、相続人の判断で止まりやすいです。

結論から言うと、前妻の子であっても、被相続人の子であれば相続人になります。ここで重要なのは、「前妻は相続人ではない」ことと、「前妻との間の子は相続人になる」ことを分けて考えることです。

この点を勘違いすると、

・今の家族だけで相続人を考えてしまう
・前妻との間の子を相続人に入れないまま話を進めてしまう
・後から相続人漏れが分かって遺産分割の前提が崩れる

といった問題が起こります。

相続では、誰が相続人になるかは感覚ではなく戸籍で確認します。

この記事では、前妻の子は相続人になるのか、相続順位はどうなるのか、戸籍ではどこを確認すべきかに絞って解説します。

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相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
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目次

前妻の子は相続人になる

前妻の子が被相続人の子であれば、相続人になります。離婚しているかどうか、今は同居していないかどうか、交流があるかどうかは、相続人になるかどうかの判断とは別です。

相続で見るのは、「今どのような関係か」ではなく、「法律上、被相続人の子なのか」です。そのため、前妻との間に生まれた子であっても、被相続人の子であれば相続人になります。

前妻の子が相続人になる場合、実際にどこまで戸籍を取得する必要があるのかは、以下の記事で詳しく解説しています。
前妻の子がいる相続で戸籍はどこまで必要?確認範囲と収集の進め方

前妻は相続人にならないが、前妻との間の子は相続人になる

ここは非常に勘違いが起きやすい部分です。前妻は、被相続人とすでに離婚している以上、相続人にはなりません。相続人になるのは、相続開始時点で婚姻関係にある配偶者です。そのため、前妻本人は相続人ではありません。一方で、前妻との間の子は、被相続人の子であれば相続人になります。

つまり、

・前妻は相続人ではない
・前妻との間の子は相続人になる

という形です。

前妻本人が相続人ではないからといって、その子まで相続人ではなくなるわけではありません。実際には、「前妻はもう他人だから、前の家族は相続に関係ないだろう」と考えてしまい、前妻との間の子の存在を相続人確認の場面で落としてしまうことがあります。この勘違いは、相続人漏れの典型例の一つです。

前妻の子の相続順位は今の配偶者との子と同じ

前妻の子は、今の配偶者との子より相続順位が下になるわけではありません。被相続人に子がいる場合、子は全員が第一順位の相続人です。

これは、

・前妻との子
・今の配偶者との子
・過去の婚姻関係の中で生まれた子

といった違いで変わりません。つまり、前妻の子も、今の配偶者との子も、同じ「子」として相続人になります。

そのため、

・今の家庭の子だけが相続人だと思い込む
・前妻の子を相続人として数えない
・今の配偶者と今の子だけで遺産分割の話を進める

このような進め方をすると、後から相続人漏れが分かり、話し合いをやり直すことになりかねません。

今見えている家族だけで相続人を判断してはいけない

前妻の子が関係する相続で危ないのは、現在見えている家族関係だけで相続人を判断してしまうことです。

現在の戸籍には、今の配偶者と今の子だけが載っていて、家族関係が単純に見えることがあります。そのため、「この家族だけで相続人は全員そろっている」と思い込みやすいです。しかし、被相続人に前の婚姻関係があれば、その婚姻中に生まれた子が相続人になる可能性があります。

たとえば、

・家族は今の配偶者との結婚しか意識していない
・離婚歴は聞いていたが、前妻との間に子がいたことは知らなかった
・現在の戸籍だけ見て、今の家族しかいないと思っていた

このような状況は実務でも珍しくありません。

相続では、今見えている家族だけで判断せず、被相続人の過去の婚姻関係まで確認する必要があります。

前妻の子の有無は現在の戸籍だけでは分からないことがある

ここが実務ではかなり重要です。前妻の子がいるかどうかは、現在の戸籍だけでは分からないことがあります。

なぜなら、戸籍は

・婚姻
・離婚
・転籍
・改製

などによって形が変わっていくからです。

現在の戸籍だけを見ると、今の配偶者とその子だけが載っていて、前の婚姻関係が見えにくいことがあります。しかし、過去の戸籍をたどっていくと、前の婚姻関係や、その婚姻中に生まれた子の記載が確認できることがあります。

そのため、

・現在の戸籍に前妻の子が出ていない
・今の家族しか載っていない
・家族も前の婚姻関係をよく知らない

このような場合でも、「前妻の子はいない」とは言えません。

実務では、「今の戸籍に載っていないから大丈夫だと思った」という感覚で進めた結果、被相続人の古い戸籍を取り寄せて初めて前妻との間の子が見つかることがあります。こうなると、最初の前提が崩れ、相続人の確認をやり直すことになります。

前妻の子を確認するために戸籍で見るポイント

前妻の子がいるかどうか、また前妻の子が相続人になるかどうかを確認するには、被相続人の戸籍を出生までたどっていくことが基本です。ここで確認したいのは主に次の点です。

過去の婚姻と離婚の記載

まず確認したいのは、被相続人に前の婚姻関係があるかどうかです。

戸籍をたどると、

・いつ婚姻したのか
・いつ離婚したのか
・その時期にどの戸籍にいたのか

が見えてきます。

前妻との婚姻歴が確認できれば、その婚姻中に子が生まれていないかを次に見ていくことになります。前妻の子がいるかどうかを考えるときは、この婚姻と離婚の流れを外せません。

子の記載

前の婚姻中に子が生まれていれば、その記載が戸籍に出てきます。ここで重要なのは、現在の戸籍では見えなくても、過去の戸籍には出てくることがある点でそのため、「今の戸籍に載っていないから前妻の子はいない」とは言えません。

相続人判断では、現在の戸籍だけでなく、過去の戸籍までたどって子の記載を確認する必要があります。

転籍や改製による見え方の変化

戸籍はずっと同じ形で残るわけではありません。転籍して本籍地が変わったり、改製によって戸籍の書式が変わったりすると、見た目が大きく変わります。その結果、前の婚姻関係や子の存在が、現在の戸籍だけでは見えにくくなることがあります。

そのため、前妻の子の有無を確認するときは、現在の戸籍だけで判断しないことが大切です。相続人を確定する場面では、被相続人の戸籍全体の流れを見る必要があります。

前妻の子が関係する相続で実際に起きやすい勘違い

前妻の子が関係する相続では、次のような勘違いが起きやすいです。

・前妻は相続人ではないので、前妻との間の子も相続人ではないと思ってしまう
・現在の戸籍に載っていないので、前妻の子はいないと思ってしまう
・今の配偶者と今の子だけで話を進めてよいと思ってしまう
・前の婚姻関係は昔の話なので、相続には関係ないと思ってしまう

しかし、相続ではこうした感覚的な判断は危険です。特に、被相続人に再婚歴がある場合は、「前の婚姻関係の中で子が生まれていないか」を戸籍で確認する必要があります。

前妻との間の子の存在が後から判明すると、

・相続人の数え方が変わる
・遺産分割の前提が変わる
・戸籍収集のやり直しが必要になる

といった形で、手続き全体に影響が出ます。

前妻の子がいる相続で戸籍収集が大変になりやすい理由は、以下の記事で詳しく解説しています。
前妻の子がいる相続で戸籍収集が大変になる理由|止まりやすいポイント

感覚ではなく戸籍で確認することが大切

前妻の子が相続人になるかどうかは、感覚では決められません。

・今は別に暮らしている
・何年も連絡を取っていない
・今の家族とは交流がない
・離婚したのはかなり昔

こうした事情があっても、被相続人の子であれば相続人になります。

また、前妻本人は相続人ではありませんが、その子は相続人になることがあります。この点は非常に勘違いが起きやすいため、前妻本人と前妻との間の子を分けて考える必要があります。

相続では、本人たちの認識よりも、戸籍上どうなっているかが重要です。前の婚姻関係がある相続では、被相続人の戸籍を出生までたどって確認することが基本になります。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった手続きが必要になります。

しかし実際には、前妻との間の子の存在が途中で分かったり、前の婚姻関係の戸籍を追う必要が出てきたりして、戸籍収集が大変になることも少なくありません。

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まとめ

前妻の子は、被相続人の子であれば相続人になります。今の配偶者との子と同じく第一順位の相続人になるため、前の婚姻関係がある相続では相続人漏れに注意が必要です。

また、前妻は相続人ではありませんが、前妻との間の子は相続人になります。この点は勘違いが起きやすいため、前妻本人と前妻との間の子を分けて考える必要があります。

現在の戸籍だけでは分からないこともあるため、被相続人の戸籍を出生までたどり、過去の婚姻・離婚・子の記載を確認していくことが大切です。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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