法定相続情報一覧図を使って相続手続を進めていると、
・最初にもらった分が足りなくなった
・後から別の銀行や証券会社が見つかった
・追加でもらうにはどうすればいいのか
と悩む場面が出てきます。
結論から言うと、法定相続情報一覧図は再交付を受けることができます。そのため、足りなくなったからといって、すぐに全部やり直しになるわけではありません。ただし、再交付は後から申出をし直す手続です。誰が申出できるのか、どこに出すのか、何を用意するのかを押さえておかないと、そこで止まりやすくなります。
この記事では、法定相続情報一覧図の再交付はできるのか、誰ができるのか、どこに申出するのか、必要書類は何かを中心に解説します。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
先に結論 法定相続情報一覧図は再交付できる
先に結論を言うと、法定相続情報一覧図は後から再交付を受けることができます。
つまり、
・最初の枚数が足りなかった
・提出先が後から増えた
・別の手続にも追加で使いたくなった
という場合でも、それで終わりではありません。ただし、誰でも自由に再交付を受けられるわけではありませんし、どこの法務局でもよいわけでもありません。再交付には条件と手続があります。
法定相続情報一覧図そのものの制度や作成方法、最初に何枚くらい考えるべきかは、以下の記事で詳しく解説しています。
法定相続情報一覧図とは?作成方法・必要書類・何枚もらうべきかを解説
再交付できるのは誰か
再交付を受けられるのは、最初の申出で申出人として手続をした人です。ここはかなり大事です。後から一覧図が足りなくなったとしても、相続人なら誰でも再交付できる、わけではありません。再交付できるのは、あくまで当初の申出書に申出人として記載した人です。
当初の申出人になっていなかった他の相続人は、原則として再交付を受けられません。そのため、最初の段階で誰を申出人にするかは、後から一覧図を追加で使う可能性も見て決めた方が実務的です。
再交付できる期間は5年
法定相続情報一覧図は、申出日の翌年から5年間保管されます。この期間内であれば、再交付を受けることができます。逆に言うと、5年を過ぎると再交付は前提にしにくくなります。そのため、足りなくなったらいつでもまたもらえる、と考えるのではなく、再交付できるのは5年以内、と押さえておいた方が安全です。
再交付の申出先は最初の法務局
再交付の申出は、最初に法定相続情報一覧図の申出をした法務局で行います。どこの法務局でもよいわけではありません。つまり、後から足りなくなった、もう一度必要になった、となったときは、当初の申出をした法務局に戻って手続することになります。ここを勘違いすると、再交付の段階で止まりやすいです。
再交付のやり方
再交付の流れ自体はそこまで複雑ではありません。大まかには次の流れです。
・再交付申出書を用意する
・必要書類をそろえる
・最初に申出をした法務局に提出する
これが基本です。最初に一覧図を作ったときの書類が、そのまま再利用できるわけではありません。再交付は、あらためて申出をする手続です。
そのため、
・申出書を作る
・本人確認書類を用意する
・提出先が当初の法務局であることを確認する
という作業が必要になります。
再交付申出書が必要
再交付では、再交付申出書を提出します。ここは当たり前に見えて大事です。足りなくなったからといって、前の控えを見せる、口頭で追加を頼む、という形では進みません。再交付用の申出書を用意して、あらためて申出する必要があります。
再交付で必要になる主な書類
再交付で主に必要になるのは、
・再交付申出書
・申出人の氏名と住所を確認できる公的書類
です。
法務局の案内では、氏名と住所を確認できる公的書類として、たとえば次のようなものが挙げられています。
・運転免許証の表裏両面のコピー
・マイナンバーカード表面のコピー
・住民票記載事項証明書(住民票の写し)など
つまり、再交付では「申出人本人であること」を確認するための書類が必要になります。
代理人が申出する場合
再交付は、代理人による申出もありえます。その場合は、委任状など追加の書類が必要になることがあります。
法務局の案内でも、
・委任による代理人が申出をする場合
・親族が代理する場合
・資格者代理人が代理する場合
で必要になる書類の案内があります。つまり、本人が直接やる場合より、代理人による申出の方が確認書類は増えます。
どんな場面で再交付が必要になりやすいか
再交付が必要になりやすいのは、主に次のような場面です。
最初に見込んだ提出先より増えたとき
たとえば最初は、銀行だけ、相続登記だけ、と思っていても、後から
・別の銀行口座が見つかった
・証券口座もあった
・ほかの手続も必要になった
ということがあります。この場合、最初にもらった一覧図では足りなくなることがあります。
最初に最低限の枚数しか考えていなかったとき
とりあえず必要最低限だけで進めると、後から不足しやすいです。
特に、
・銀行が複数ある
・証券会社もある
・不動産もある
という相続では、思ったより必要数が増えやすいです。
後から別の手続先が増えたとき
相続では、最初に想定していた提出先だけで終わらないことがあります。
・まず預金解約だけ進める
・後から相続登記も進める
・さらに別の名義変更も必要になる
という場合は、一覧図も追加で必要になりやすいです。
法定相続情報一覧図が実際にどの手続で使えるのか、何の代わりになるのかは、以下の記事で詳しく解説しています。
法定相続情報一覧図はどこで使える?使える場面と足りない場面を解説
再交付はできるが、後から動くのは普通に手間がかかる
ここが実務で一番大事です。再交付はできます。ただし、できることと、楽であることは別です。
再交付になれば、
・申出人であることを確認する
・5年以内か確認する
・再交付申出書を作る
・必要書類を用意する
・当初の法務局に申出する
という流れになります。
つまり、再交付は「後から追加で対応できる」という話ではありますが、「足りなくなっても何の作業も増えない」という話ではありません。
最初から少し多めに考えておく方が無難
ここまで見れば分かるとおり、再交付はできますが、後からやる手続としては普通に面倒です。
そのため実務では、
・今見えている提出先
・後から増えそうな提出先
・予備
を少し見込んで、最初から余裕を持って考えておく方が無難です。
特に、
・銀行や証券会社が複数ある
・不動産もある
・まだ全体像が見えていない
という相続では、最初から少し多めに考えた方が進めやすいです。
法定相続情報一覧図で進めるなら、できるだけ一覧図で統一した方がいい
法定相続情報一覧図の強みは、各手続先に戸籍原本を提出しないことにあります。そのため、途中で足りなくなったからといって、
・一部は一覧図で出す
・一部は戸籍原本で出す
という流れに戻すより、できるだけ一覧図で統一して進める方がきれいです。
戸籍原本を返してもらいながら進める原本還付との違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
相続手続で戸籍の原本還付とは?法定相続情報一覧図との違い
戸籍収集にお困りの方へ
相続では、
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。
しかし、実際には、
・どこまで戸籍を集めればよいか分からない
・一覧図を何通くらい考えておけばよいか分からない
・後から足りなくなった場合にどう動けばよいか不安
・複数の手続先にどう出せばよいか分からない
といった形で止まりやすいです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
戸籍が多い相続でも戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
法定相続情報一覧図は、後からでも再交付を受けることができます。
ただし大事なのは、
・再交付できるのは最初の申出人
・再交付できるのは5年以内
・最初に申出した法務局で手続する
・再交付申出書や本人確認書類が必要
という点です。
つまり、足りなくなっても対応はできますが、後から動く手間は普通にかかります。そのため、実務では最初から少し余裕を持って考えておく方が無難です。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
