職務上請求とは?行政書士が戸籍を取れる仕組みと注意点を解説

相続で戸籍を集めるときに、「行政書士は本人ではないのに、なぜ戸籍を取れるのか」と疑問に感じる方は少なくありません。

特に分かりにくいのが、

・職務上請求とは何か
・行政書士はどんな根拠で戸籍を取れるのか
・本人請求や代理請求と何が違うのか
・職務上請求なら何でも取れるのか
・相続ではどんな場面で使われるのか

という点です。

結論からいうと、職務上請求とは、弁護士、司法書士、行政書士などの資格者が、法令で認められた業務を行うために必要な範囲で、戸籍や住民票の写しなどを請求できる仕組みです。つまり、行政書士が戸籍を取れるのは、「本人でなくても自由に取れるから」ではなく、「相続業務など、法令に基づく業務のために必要だから」です。

この記事では、職務上請求とは何か、行政書士が戸籍を取れる仕組み、本人請求や代理請求との違い、注意点を分かりやすく解説します。

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。

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目次

職務上請求とは何か

職務上請求とは、弁護士、司法書士、行政書士などの資格者が、法令で認められた職務を行うために必要な範囲で、戸籍や住民票の写しなどを請求する仕組みです。ここで大事なのは、職務上請求は、「資格者だから特別に何でも取れる制度」ではなく、「資格者が正当な業務のために必要な資料を取る制度」だという点です。

相続では、相続人を確定したり、法定相続情報一覧図を作成したりするために戸籍収集が必要になります。行政書士が依頼を受けてその業務を進める中で、必要な戸籍を取得する場面があります。この取得の根拠の一つが職務上請求です。

行政書士はなぜ本人ではないのに戸籍を取れるのか

行政書士が本人ではないのに戸籍を取れるのは、相続手続きなどの正当な業務を進めるために必要だからです。

たとえば相続では、

・被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する

といった作業が必要になります。

こうした業務を依頼者から受けて進める場合、行政書士は必要な範囲で戸籍を取得することがあります。

つまり順番としては、

・行政書士という資格がある
・その資格に基づく相続業務を受けている
・その業務に必要だから戸籍を取る

です。

ここを飛ばして「行政書士は本人でなくても取れる」とだけ理解すると、制度の意味を外しやすくなります。

本人請求、代理請求、職務上請求は何が違うのか

戸籍の取得には、いくつかの形があります。

大きく分けると、

・本人請求
・代理請求
・職務上請求

です。

本人請求は、本人が自分の戸籍を取る形です。
代理請求は、本人から委任を受けた代理人が取る形です。
職務上請求は、資格者が法令で認められた職務のために必要な範囲で取る形です。

つまり、職務上請求は「本人の代わりに動く代理請求」と同じではありません。

本人請求や代理請求との違いを大づかみに言うと、

・本人請求は、本人が取る
・代理請求は、本人の委任を受けた人が取る
・職務上請求は、資格者が職務のために取る

という違いです。

戸籍を取れる人の違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
戸籍は代理で取れる?本人・代理人・専門家の違いを解説

職務上請求なら何でも取れるのか

取れません。ここはかなり重要です。職務上請求は、法令で認められた業務のために必要な範囲でのみ使える仕組みです。

そのため、

・業務と関係のない戸籍
・興味本位の取得
・依頼内容と無関係な取得

まで認められるわけではありません。

つまり職務上請求は、「資格者に無制限の権限がある制度」ではなく、「必要な業務のために必要な範囲で認められている制度」です。この点を外すと、「専門家なら何でも取れる」という誤解につながります。

相続ではどんな場面で職務上請求が使われるのか

相続で職務上請求が問題になるのは、主に戸籍収集の場面です。

たとえば、

・被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める
・前婚の子や認知した子の有無を確認する
・兄弟姉妹相続で父母や兄弟姉妹の戸籍を追う
・法定相続情報一覧図の作成に必要な戸籍を集める

といった場面です。

相続では、依頼者が想定していなかった相続人が戸籍収集の途中で判明することもあります。

たとえば、

・前妻の子
・認知した子
・兄弟姉妹
・甥姪

などです。

こうしたケースでは、相続人を確定するために戸籍を追っていく必要があり、その実務の中で行政書士が必要な戸籍を取得することがあります。

職務上請求が問題になりやすいのはどんなときか

職務上請求が問題になりやすいのは、たとえば次のような場面です。

・本人の委任がないのに取れるのはなぜか分かりにくい
・専門家なら自由に取れると思ってしまう
・代理請求と同じだと思ってしまう
・相続と無関係な戸籍まで取れると思ってしまう

しかし実際には、

・資格者であること
・法令に基づく業務であること
・その業務に必要な範囲であること

がそろって初めて問題になります。

つまり職務上請求は、便利な仕組みではありますが、使える範囲ははっきり決まっています。

行政書士が取った戸籍は本人通知制度の対象になるのか

なることがあります。

本人通知制度がある自治体では、行政書士が職務上請求で戸籍を取得した場合でも、登録者本人に通知が行われることがあります。ここで大事なのは、「通知されること」と「適法に取得できること」は別問題だという点です。

つまり、

・行政書士が正当な相続業務として戸籍を取る
・その事実が本人通知制度により通知されることがある

という関係です。

通知される可能性があるからといって、相続で必要な適法な取得までできなくなるわけではありません。

本人通知制度そのものは、以下の記事でも詳しく解説しています。
本人通知制度とは?戸籍取得で通知が来る仕組みを分かりやすく解説

典型例で見ると分かりやすいケース

例1 相続人確定のために戸籍を追う場合

・父が死亡
・依頼者は後妻の子
・戸籍を追ったところ、前妻との間の子がいる可能性がある

この場合、相続人確定のために被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める必要があります。こうした相続業務の中で、行政書士が必要な戸籍を取得する場面があります。

例2 兄弟姉妹相続で確認範囲が広がる場合

・被相続人に子はいない
・父母も死亡している
・兄弟姉妹が相続人になる
・兄弟姉妹や甥姪まで確認が必要になる

この場合は、父母の戸籍や兄弟姉妹の存在が分かる戸籍まで追う必要があります。兄弟姉妹相続では確認範囲が広くなるため、職務上請求が実務上問題になりやすいです。

このテーマで押さえるべき結論

このテーマで押さえるべきポイントはシンプルです。

・職務上請求とは、資格者が法令で認められた業務のために必要な範囲で戸籍等を請求する仕組みである
・行政書士は相続業務の中で必要な戸籍を取ることがある
・本人請求や代理請求とは根拠が違う
・職務上請求だからといって何でも自由に取れるわけではない
・本人通知制度の対象になることがあっても、適法な取得まで止まるわけではない

つまり、相続との関係で見るなら、「行政書士が相続実務のために必要な戸籍を取得する仕組み」として理解しつつ、「使える範囲には限界がある」と押さえるのが大事です。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。

しかし、実際には、
・前婚の子や認知した子の確認が必要になる
・兄弟姉妹や甥姪まで確認範囲が広がる
・どこまで戸籍を取ればよいか分からない
・専門家がどういう仕組みで戸籍を取るのか分かりにくい
といったケースが少なくありません。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。

相続で戸籍が多くなるケースでも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。

まとめ

職務上請求とは、行政書士などの資格者が、法令で認められた業務のために必要な範囲で戸籍等を請求する仕組みです。

重要なのは、

・行政書士は相続業務のために戸籍を取ることがある
・本人請求や代理請求とは根拠が違う
・職務上請求だからといって何でも自由に取れるわけではない
・相続では相続人確定のために使われることがある

という点です。

相続の戸籍収集では、制度の仕組みを知ったうえで、必要な戸籍を適切に集めていくことが大切です。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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