この記事は、相続の戸籍収集を実務の流れで解説する4本シリーズの2本目です。
1本目の記事では、戸籍収集の出発点を解説しました。
相続の戸籍収集はどこから始める?最初に取る戸籍と本籍地の確認方法
最初の戸籍を取れた後に、多くの方が次に迷うのが
・その次はどの戸籍を取ればよいのか
・どの順番で出生までさかのぼるのか
・途中で戸籍がつながらなくなったらどうするのか
という点です。
相続の戸籍収集は、最初から正しい順番が一本の線のように見えている手続きではありません。実務では、「戸籍を取る」「内容を読む」「次に請求する本籍地を判断する」という流れを何度も繰り返しながら、少しずつ過去へさかのぼっていきます。
そのため、最初の1通を取れたとしても
・前の本籍地の読み取りを誤る
・改製前の戸籍を見落とす
・途中のどこかで手がかりを拾い損ねる
といった形で止まりやすくなります。
戸籍収集の流れは
・どこから始めるか
・どの順番で出生まで追うか
・どこで完了と判断するか
・完了後に何をするか
という4段階で見ると、実務の全体像が分かりやすくなります。
この記事では、最初の戸籍を取った後に、どの順番で出生まで戸籍をつなげていくのかを実務の流れに沿って解説します。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
戸籍収集の順番は現在から過去
相続の戸籍収集では、まず死亡時の本籍地の戸籍を取り、そこから前の戸籍へさかのぼっていきます。
大きな流れとしては
・死亡時の本籍地の戸籍を取る
・そこに書かれた前の手がかりを確認する
・前の本籍地の戸籍を取る
・さらにその前を確認する
という形です。
ここで大切なのは、最初から出生時の戸籍を探しに行くわけではないという点です。今手元にある戸籍の記載を手がかりにして、その一つ前、そのさらに一つ前へと順番に追っていきます。
そのため、戸籍収集の順番は「現在から過去へ」です。ただし、毎回同じ形で単純に進むわけではなく、途中ごとに判断が必要になります。
最初の戸籍の次で止まりやすい理由
相続の戸籍収集で多いのが、死亡時の本籍地の戸籍を取ったところで次が分からなくなるケースです。多くの方は、最初の戸籍を取れば、その次に必要な戸籍もすぐ見えると思いがちです。ところが実際には、「転籍」「改製」「除籍」「婚姻や分籍」などが重なり、戸籍の流れが複雑になっていることがあります。
そのため、最初の戸籍を1通取っただけで、前の戸籍が自動的に全部見えるわけではありません。戸籍の記載内容を読みながら
・次にどこの自治体へ請求するか
・今見ている戸籍の一つ前は何か
・まだ前に追うべき戸籍が残っていないか
をその都度判断する必要があります。
つまり、戸籍収集は順番をただなぞる作業ではなく、順番を見つけながら進める作業です。ここを理解していないと、最初の1通を取ったところで止まりやすくなります。
次の戸籍は本籍地と記載内容から判断する
死亡時の本籍地の戸籍を取得したら、次に確認するべきなのは「前の戸籍はどこにあるか」です。その判断材料になるのが、「本籍地」「編製原因」「転籍の記載」「改製の記載」「除籍の記載」です。
たとえば、転籍の記載があれば、その前の本籍地が分かることがあります。その場合は、その前の本籍地の市区町村へ請求する流れになります。
また、改製の記載があれば、その戸籍より前に改製前の戸籍がある可能性があります。この場合は、今ある戸籍だけでは先へ進めず、改製前の戸籍まで確認しなければならないことがあります。
ここで大事なのは、家族関係だけを見るのではなく、「この戸籍はどこから来たのか」「この戸籍の前にまだ何があるのか」を読むことです。この視点がないと、前の戸籍を追い切れず、途中で流れが見えなくなりやすくなります。
進め方の基本は一つ前を追うこと
実際の戸籍収集は、きれいな一本道で進むとは限りませんが、基本の進め方は共通しています。流れとしては
・今ある戸籍を確認する
・その戸籍から前の本籍地や改製の手がかりを見つける
・一つ前の戸籍を請求する
・その戸籍を見て、さらに前を確認する
という繰り返しです。つまり、現在戸籍からいきなり出生時の戸籍へ飛ぶわけではありません。今ある戸籍の中から手がかりを拾い、その一つ前、そのさらに一つ前と順番に追っていきます。
この進め方を押さえておくと、全体像が見えなくなっても、「今ある戸籍の一つ前を追う」という形で動きやすくなります。
順番が分かりにくくなる典型場面
戸籍収集で特に難しくなるのは、改製と転籍が重なっているケースです。たとえば、死亡時の戸籍を取ると転籍の記載があり、その前の本籍地の戸籍を取ったら今度は昭和改製後の戸籍で、さらに改製前の戸籍を見ないとその前へ進めない、ということがあります。
この場合は、「今どの年代の戸籍を見ているのか」「次に取るべき戸籍は何か」「請求先の本籍地はどこか」を見ながら進める必要があります。
ここで読み違えると、「請求先を間違える」「前の戸籍を取り切れない」「何通も戸籍を取り直す」といった遠回りが起きやすくなります。戸籍収集で難しいのは、請求書を書くことではありません。今見ている戸籍の位置を理解して、その一つ前を正しく追うことです。
1通取るたびに次の手がかりを確認する
戸籍収集でよくあるのが、「前の本籍地の戸籍は取れたから、ひとまず安心だろう」と考えてしまうケースです。しかし実際には、その戸籍が昭和改製後の戸籍で、さらに前の改製原戸籍を見ないと先へ進めないことがあります。あるいは、転籍前の戸籍が別の自治体に残っていて、まだその前を追う必要があることもあります。
そのため、戸籍収集では1通取るたびに、「この戸籍の前にまだ何があるか」「次はどこへ請求するか」「まだ追っていない本籍地がないか」を確認する必要があります。
相続の戸籍収集は、1通取るたびに終わりへ近づくというより、1通取るたびに次の手がかりが見えてくる手続きだと考えた方が実務感覚に近いです。
戸籍の流れは途中で複雑になることがある
戸籍収集の基本は、現在の戸籍から過去へさかのぼることです。ただし、実際には一直線に進まないことがあります。その理由は、「本籍地の移動」「制度改正による改製」「婚姻」「分籍」などによって、戸籍の流れが途中で複雑になるからです。そのため、「現在戸籍→前の戸籍→さらに前の戸籍」と機械的に進めるだけでは足りません。
毎回、「この戸籍はどの時点のものか」「まだ確認していない前の戸籍があるか」「次に見るべき手がかりは何か」を見ながら進める必要があります。ここを誤ると、「戸籍は何通も取ったのに、次に何を取ればよいか分からない」という状態になりやすいです。
相続人の構成で途中段階の重さは変わる
戸籍収集の途中段階の重さは、相続人の構成によっても変わります。たとえば
・配偶者と子が相続人になるケース
・親が相続人になるケース
・兄弟姉妹が相続人になるケース
・代襲相続が入るケース
では、被相続人以外に確認が必要になる戸籍の範囲が変わります。
特に兄弟姉妹相続や代襲相続では、被相続人の戸籍を追うだけでなく、父母や兄弟姉妹、甥姪の戸籍確認が必要になることがあります。そのため、途中段階で一気に重くなるケースもあります。
必要範囲をケース別に確認したい場合は、以下の記事が参考になります。
相続の戸籍はどこまで必要?相続人の組み合わせ別|必要な戸籍の範囲
戸籍収集は止まりながら進むもの
相続の戸籍収集では「順番が分からなくなる」「戸籍がつながらない」「想定より通数が増える」ということは珍しくありません。これは特殊なケースではなく、むしろよくあることです。そのため、戸籍収集は「一度も止まらずに出生までたどれる手続き」だと考えるより、「途中で止まりながら、一つずつ前を確認していく手続き」だと考えた方が現実的です。
途中で止まったときに重要なのは、慌てて請求を繰り返すことではなく、今どの戸籍まで確認できていて、次に何を追うべきかを見極めることです。
戸籍の流れが分からなくなった場合の判断手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
戸籍がつながらない時はどうする?相続で止まった時の対処法
次はどこで完了と判断するかを考える
ここまでで、戸籍収集は
・現在の戸籍から過去へさかのぼる
・今ある戸籍から一つ前を追う
・改製や転籍の記載を見ながら順番を判断する
という形で進むことが見えてきます。
ただ、出生まで戸籍を追えたとしても、それだけで自動的に完了になるわけではありません。
次に問題になるのは
・どこまでそろえば止まってよいのか
・もう前に追うべき戸籍がないとどこで判断するのか
・相続人確認に必要な戸籍がそろったと言えるのはどこか
という完了の見極めです。
続けて読む場合は、4本シリーズの2本目の次の記事を確認してください。
相続の戸籍収集はどこで完了?必要な戸籍がそろったかの見極め方
戸籍収集にお困りの方へ
相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。
しかし実際には
・最初の戸籍は取れたが次の順番が分からない
・途中で戸籍の流れが見えなくなる
・どこへ請求すればよいか判断できない
といったケースも少なくありません。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
戸籍収集は、現在の戸籍から過去へさかのぼるという流れ自体は共通しています。ただし、実際には今ある戸籍の記載を読みながら、次に請求する戸籍をその都度判断していく必要があります。
特に「転籍」「改製」「除籍」が重なると、順番が分かりにくくなり、途中で止まりやすくなります。
相続の戸籍収集は、最初からゴールまでの道筋が見えている手続きではありません。1通ずつ戸籍を確認しながら、今ある戸籍の一つ前を追って出生までつなげていくことが重要です。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
