この記事は、相続の戸籍収集を実務の流れで解説する4本シリーズの1本目です。
相続で戸籍を集める必要があると、多くの方が最初に迷うのが
・まず何から始めればよいのか
・最初に取る戸籍はどれなのか
・本籍地が分からない場合はどうするのか
という点です。
相続の戸籍収集は、思いついた市区町村に順番に請求していく手続きではありません。最初の出発点を間違えると
・請求先を誤りやすい
・不要な請求が増えやすい
・前の本籍地を追いにくくなる
・戸籍収集全体に余計な時間がかかる
といった問題が起きやすくなります。
実務では、まず
「被相続人の死亡時の本籍地が分かっているか」
「被相続人の死亡時の本籍地が分からないか」
を分けて考えます。
本籍地が分かっているなら、死亡時の本籍地の戸籍から始めます。本籍地が分からないなら、先に本籍地入りの住民票を取って本籍地を確認します。
相続の戸籍収集は「どこから始めるか」「どう進めるか」「どこで終わりと判断するか」「終わった後に何をするか」という順番で理解すると、全体像が見えやすくなります。この記事では、この中の「どこから始めるか」に絞って解説します。
この記事では、戸籍収集の出発点として
・本籍地が分かっている場合の始め方
・本籍地が分からない場合の始め方
・最初の1通を取った後に何を確認するのか
を実務の流れに沿って解説します。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
戸籍収集の出発点は死亡時の本籍地
相続の戸籍収集で最初に確認するべきなのは、被相続人の死亡時の本籍地です。
戸籍は本籍地の市区町村で管理されているため、死亡時の本籍地が分からなければ、どこに請求すればよいかも決まりません。逆に、本籍地が分かっていれば、最初に請求する自治体が決まります。
そのため、戸籍収集の出発点は
・死亡時の本籍地が分かっている
・死亡時の本籍地が分からない
この2つのどちらかです。
最初の段階では、相続人が誰になるか、最終的に何通集まるかまで考え込む必要はありません。まずは死亡時の本籍地を起点にできるかどうかを確認することが大切です。
本籍地が分かっている場合の始め方
死亡時の本籍地が分かっている場合は、その本籍地の市区町村に対して、被相続人が死亡時点で入っていた戸籍を請求します。
実際に取得する書類は、現在戸籍、除籍謄本、全部事項証明書などの形になることがあります。ただ、出発点で大事なのは名称の違いではありません。大事なのは「死亡時点の本籍地にある最後の戸籍を取る」という考え方です。
この最初の戸籍を見ることで、「死亡時点の本籍地」「筆頭者」「戸籍が作られた理由」「前の戸籍につながる手がかり」が見えてきます。
相続の戸籍収集は、この最初の1通から前の本籍地や改製前の戸籍をたどっていく手続きです。そのため、本籍地が分かっているなら、まず死亡時の本籍地の戸籍から始めるのが基本になります。
本籍地が分からない場合の始め方
死亡時の本籍地が分からない場合は、いきなり戸籍を請求することはできません。請求先の市区町村が決まらないからです。この場合は、先に被相続人の本籍地の記載入りの住民票を取得します。住民票は、通常は被相続人の最後の住所地の市区町村に請求します。死亡後であれば住民票の除票になることもあります。請求時には、本籍地が表示される形で取得することが重要です。
ここで確認したいのは、住民票そのものではなく「死亡時の本籍地がどこか」という点です。本籍地が確認できたら、その本籍地の市区町村に対して、死亡時点の戸籍を請求します。つまり、本籍地が分からない場合の最初の1通は、戸籍ではなく住民票または住民票の除票です。
ここで大切なのは、「本籍地が分からないなら戸籍を探し回る」のではなく、「本籍地が分からないなら先に本籍地を確認する」という順番です。この順番を押さえておくと、出発点で止まりにくくなります。
本籍地の確認方法を詳しく見たい場合は、以下の記事で確認できます。
本籍地が分からない時の調べ方|住民票で確認する方法と相続の戸籍収集
最初の戸籍で確認するポイント
死亡時の本籍地の戸籍を取得したら、その戸籍の中から次に追うべき戸籍の手がかりを確認します。最初の戸籍で特に見ておきたいのは、「本籍地」「編製原因」「転籍の記載」「改製の記載」「除籍の記載」です。
たとえば、転籍の記載があれば、その前の本籍地が分かることがあります。改製の記載があれば、改製前の戸籍が別に存在する可能性があります。編製原因を見れば、その戸籍が婚姻、転籍、分籍など、どの理由で作られたものかが分かります。
ここで重要なのは、最初の戸籍を何となく読むことではありません。重要なのは、「次にどこへ請求するか」「この戸籍の前にまだ何があるか」「この1通だけで終わりではないか」を判断することです。
相続の戸籍収集は、今ある戸籍から前の戸籍の所在を見つけていく作業の連続です。最初の戸籍でこの視点を持てるかどうかで、その後の進めやすさが大きく変わります。
最初の1通はゴールではなく出発点
相続では、被相続人の出生から死亡までの戸籍をつなげて確認していく必要があります。ただし、死亡時の本籍地の戸籍を取っただけで、出生まで確認できることはむしろ少ないです。最初の1通は、あくまで出発点にすぎません。
実務では
・死亡時の本籍地の戸籍を取る
・その戸籍から前の本籍地や改製の手がかりを確認する
・前の戸籍を請求する
・さらにその前を確認する
という流れを繰り返しながら、少しずつ出生までつなげていきます。
つまり、最初の1通が取れた時点で安心してしまうのは危険です。相続の戸籍収集では、「最初の戸籍が取れたか」ではなく、「そこから前へ追っていけるか」が重要になります。
出発点は同じでもその後の重さは変わる
戸籍収集の出発点は共通でも、その後に必要になる戸籍の量や重さは、相続人の構成によって大きく変わります。
たとえば
・配偶者と子が相続人になるケース
・親が相続人になるケース
・兄弟姉妹が相続人になるケース
では、確認すべき人物や必要になる戸籍の範囲が変わります。
特に兄弟姉妹が相続人になるケースでは、被相続人だけでなく父母それぞれの戸籍まで確認が必要になり、戸籍収集が一気に重くなることがあります。
最初の1通を正しく取れても、その後の戸籍収集が軽いとは限りません。だからこそ、出発点を押さえた後は、自分の相続でどこまで戸籍が広がるのかを見ることが重要です。
必要範囲をケース別に確認したい場合は、以下の記事が参考になります。
相続の戸籍はどこまで必要?相続人の組み合わせ別|必要な戸籍の範囲
次は出生までどう追うかを考える
ここまでで、戸籍収集の出発点は
・本籍地が分かっていれば死亡時の本籍地の戸籍から始める
・本籍地が分からなければ本籍地入りの住民票から始める
という形で見えてきます。
ただ、戸籍収集は最初の1通を取って終わりではありません。実務ではその後
・どの記載を見て前の戸籍を追うのか
・どの順番で出生までさかのぼるのか
・途中でどこで止まりやすいのか
が次の問題になります。
続けて読む場合は、次の2本目の記事を確認してください。
相続の戸籍収集はどの順番で進める?出生までつなげる実務の流れ
戸籍収集にお困りの方へ
相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。
しかし、実際には
・最初にどこから戸籍を取るべきか分からない
・本籍地の確認で止まってしまう
・最初の戸籍を取っても次の進め方が分からない
といったケースも少なくありません。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
戸籍収集は、まず死亡時の本籍地が分かっているかどうかを確認するところから始まります。
本籍地が分かっていれば、死亡時の本籍地の戸籍から始めます。本籍地が分からなければ、本籍地入りの住民票または住民票の除票を先に取って本籍地を確認します。
最初に戸籍を取った後は、「本籍地」「編製原因」「転籍」「改製」「除籍」の記載を見ながら、前の戸籍を順番に追っていきます。
相続の戸籍収集は、最初の1通をどこから取るかで、その後の進めやすさが大きく変わります。出発点を正しく押さえることが、戸籍収集全体を進める第一歩です。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
