胎児は相続人になる?出生前に相続開始した場合の扱いと確定手順を解説

相続では、被相続人が亡くなった時点で、まだ生まれていない子どもがいることがあります。このような場合、胎児は相続人になるのかで迷いやすいです。

結論からいうと、胎児は相続については原則としてすでに生まれたものとして扱われます。ただし、実際に出生しなかった場合は、最初から相続人ではなかったものとして扱われます。

そのため実務では、

・出産前に相続が始まった場合、相続人は何人として扱うのか
・胎児がいるのに遺産分割を進めてよいのか
・出生しなかった場合はどうなるのか
・戸籍にまだ載っていないのに相続人として考えるのか
・法定相続情報一覧図はいつ作ればよいのか

といった点で手続きが止まりやすくなります。

胎児がいる相続では、

・戸籍にまだ載っていなくても相続人として考える前提を持つ
・出生結果が出る前に相続人を確定し切らない
・出生後または出生しなかった結果を踏まえて最終的に相続関係を固める

という進め方が重要です。

この記事では、

・胎児が相続人になる仕組み
・出生した場合と出生しなかった場合の違い
・遺産分割や法定相続情報一覧図への影響
・戸籍確認で注意すべき点

を、戸籍実務の視点から解説します。

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
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目次

胎児は原則として相続人になる

民法では、胎児は相続についてはすでに生まれたものとみなされます。

そのため、

・被相続人の死亡時点で胎児がいる
・その胎児が被相続人の子にあたる

この場合は、その胎児も相続人として扱う前提で相続関係を考える必要があります。ここで重要なのは、相続人の人数や相続分を考えるときに、胎児の存在を無視できないという点です。まだ戸籍に載っていないからといって、最初から相続人ではないものとして扱うことはできません。

法定相続人の基本的な考え方は、以下の記事でも確認できます。
法定相続人とは?誰が相続人になるのか判断手順を分かりやすく解説

胎児がいると相続人の前提が変わる

たとえば、被相続人に

・配偶者
・子1人
・さらに妊娠中の子1人

がいるとします。この場合、まだ胎児は戸籍に載っていません。それでも相続については、子が2人いる前提で考える必要があります。

つまり、

・配偶者がいる
・子は1人ではなく2人いる前提で考える

という形になります。

ここで「まだ生まれていないから、今いる子1人だけで考えればよい」として進めてしまうと、出生後に相続人の人数や相続分の前提が変わってしまいます。胎児がいる相続では、まずこの前提を外さないことが大切です。

出生した場合と出生しなかった場合で結論が変わる

胎児がいる相続では、最終的な結論は出生結果によって変わります。

胎児が出生した場合

胎児が無事に出生した場合は、その子は正式に相続人となります。

この場合は、

・出生届が出される
・戸籍に記載される
・相続人として正式に扱う

という流れになります。出生後は、その子を含めて相続人の人数や相続分を考えていきます。

胎児が出生しなかった場合

一方で、胎児が出生しなかった場合は、最初から相続人ではなかったものとして扱われます。

つまり、

・相続開始時点では胎児を相続人として考える前提を持つ
・しかし結果として出生しなければ、最初から相続人ではなかった扱いになる

ということです。

ここを外すと、

・相続人の人数を誤って考える
・相続分の前提を誤る
・手続きの前提が後から変わる

といった問題が起きやすくなります。

胎児がいる場合は相続人の確定を急がない

胎児がいる相続では、相続人の確定時期に特に注意が必要です。

たとえば、

・子が何人いるか
・他の相続人に進む余地があるか
・相続分をどう考えるか

といった判断は、胎児の出生結果によって前提が変わることがあります。

そのため実務では、

・胎児の存在を前提に考える
・出生前に相続人を確定したものとして進めすぎない
・出生または出生しなかった結果を踏まえて最終的に判断する

という進め方が必要になります。

子がいない相続人判断との関係は、以下の記事を見ておくと分かりやすいです。
子がいない場合の法定相続人は?戸籍で相続人を確定する手順を解説

胎児がいる相続では遺産分割を急いで進めない方がよい

このテーマで実務上いちばん注意したいのはここです。

胎児がいるのに、今見えている相続人だけで遺産分割を進めてしまうと、出生後に相続人の人数や相続分の前提が変わることがあります。

たとえば、

・配偶者と子1人だけだと思って話を進めた
・その後、胎児が出生して子が2人になった

この場合、最初の前提で進めた内容では足りなくなることがあります。

そのため胎児がいる相続では、

・出生前に遺産分割を確定しない
・少なくとも出生結果を見てから進める
・相続人の人数を固定した前提で急いで動かない

という姿勢が重要です。

戸籍には出生後に初めて記載される

胎児は、出生後に初めて戸籍に記載されます。

そのため、

・相続開始時点では戸籍上は存在しない
・しかし法律上は相続人として扱う前提で考える

というズレが生じます。ここが、胎児がいる相続で特に分かりにくいところです。戸籍だけを見て「まだ載っていないから相続人ではない」と考えてしまうと、相続人の範囲を誤りやすくなります。

胎児がいる場合の戸籍確認の流れ

胎児がいる相続では、戸籍確認も通常の相続より慎重に進める必要があります。

まず被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認する

最初に確認するのは、被相続人の出生から死亡までの戸籍です。

ここで、

・現在いる子の有無
・前婚の子の有無
・認知した子の有無
・必要に応じて養子の有無

を確認して、現時点で見えている相続人候補を把握します。

戸籍収集の基本的な流れは、以下の記事でも確認できます。
相続の戸籍の集め方【完全版】出生から死亡までの戸籍収集を実務解説

次に胎児の存在を前提に相続人を考える

戸籍上はまだ記載がなくても、妊娠している子がいるなら、その胎児も相続人になる前提で考えます。

ここでは、

・子の人数を今見えている人数だけで固定しない
・胎児が出生すれば相続人になる可能性がある

という前提を持つことが大切です。

出生結果を確認してから最終的な相続関係を固める

胎児が出生した場合は、その後に戸籍へ記載されます。その記載を確認して、最終的な相続人を確定していきます。一方で、出生しなかった場合は、その胎児は最初から相続人ではなかった扱いになります。その結果も踏まえて相続関係を確定します。

つまり胎児がいる相続では、

・最初の戸籍確認
・胎児の存在を前提にした見立て
・出生結果の確認
・その後に最終確定

という流れで考える必要があります。

相続人が分からない場合にどこから戸籍を集めるかは、以下の記事も参考になります。
相続人がわからない時の戸籍の取り方|どこから戸籍を集める?

法定相続情報一覧図は急いで作らない方がよい

胎児がいる場合、法定相続情報一覧図の作成時期にも注意が必要です。

胎児が出生する前に一覧図を作成すると、

・後から相続人が増える
・一覧図を作り直す必要が出る
・金融機関や登記手続の前提が変わる

といった問題が起こることがあります。

そのため実務では、

・胎児の出生後に一覧図を作成する
・出生前に作る場合は後でやり直しの可能性を見込む

といった対応が必要になります。

法定相続情報一覧図の基本は、以下の記事でも確認できます。
法定相続情報一覧図とは?作成方法・必要書類・何枚もらうべきかを解説

胎児がいる相続で止まりやすいポイント

胎児がいる相続では、次のような点で手続きが止まりやすくなります。

・戸籍に載っていないため相続人として考えない
・相続人の人数を確定しないまま遺産分割を進める
・出生後に前提が変わる
・法定相続情報一覧図を早く作りすぎる
・相続順位の判断を早まる

特に多いのは、「まだ生まれていないから関係ない」と考えてしまうケースです。しかし実際には、胎児を見落としたまま進めると、出生後に相続人の人数や相続分、一覧図の前提まで変わることがあります。

そのため、胎児がいる相続では「いったん待つべき場面」を見極めることが重要です。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。

胎児がいる相続では
・相続人の確定時期が遅れる
・戸籍収集の進め方を慎重に考える必要がある
・一覧図の作成タイミングに注意が必要になる
・出生前に進めた手続きを見直すことがある
といった点で、手続きが大変になることがあります。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
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をまとめて対応しています。

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まとめ

胎児は、相続についてはすでに生まれたものとして扱われます。

ただし、

・出生した場合は正式に相続人になる
・出生しなかった場合は最初から相続人ではなかった扱いになる
・戸籍には出生後に初めて記載される
・胎児がいる間は相続人の確定を急がない方がよい
・法定相続情報一覧図は出生後に作成した方が安全なことがある

という点に注意が必要です。

そのため胎児がいる相続では、

・戸籍にまだ載っていなくても相続人として考える前提を持つ
・被相続人の戸籍確認を進めつつ、出生結果を待つ
・出生または出生しなかった結果を踏まえて、最終的な相続人を確定する

という流れで進めることが重要になります。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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