戸籍を読んでいると、
「養子縁組と書かれているが、どこを見ればよいのか分からない」
「普通養子なのか特別養子なのか判断できない」
「養子になった後、戸籍がどう動くのか分からない」
「相続との関係で何を確認すればよいのか迷う」
といった場面に当たることがあります。
養子縁組は、制度の違いだけでなく、戸籍上の書かれ方もかなり違います。特に大事なのは、戸籍のどこに何が記載されるのかを読めるようになることです。
この記事では、養子縁組が成立したときの戸籍の記載に絞って、普通養子と特別養子が戸籍にどう書かれるのか、どこを見れば見分けられるのか、入籍や戸籍の動きまで含めて解説します。離縁は別記事で扱うため、本記事では成立時の記載だけに絞ります。
なお、普通養子と特別養子の制度の違いそのものは、以下の記事で詳しく解説しています。
普通養子と特別養子の違いとは?相続と戸籍確認の基本を解説
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
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先に結論
養子縁組が成立したときは、戸籍の身分事項欄に記載が入ります。見るべきポイントは次の3つです。
「身分事項欄に何と書かれているか」
「普通養子か特別養子かがどこで分かるか」
「入籍や除籍がどう動いているか」
普通養子では、身分事項欄に「養子縁組」と記載され、その下に
「縁組日 令和○年○月○日」
「養父 ○○」
「養母 ○○」
「養親の戸籍 ○○番地」
「入籍 ○○番地」
といった形の記載が続きます。
一方で特別養子では、
「特別養子縁組」
「特別養子縁組の裁判確定日 令和○年○月○日」
「民法817条の2による裁判確定日 令和○年○月○日」
といった記載が入り、普通養子とは見え方がはっきり違います。
養子縁組の記載はどこを見るか
養子縁組が成立したときは、まず養子本人の戸籍の身分事項欄を見ます。
ここに、
「養子縁組」
「特別養子縁組」
「裁判確定日」
「養父」
「養母」
「養親の戸籍」
「入籍」
といった情報が出てきます。
戸籍の基本的な読み方が曖昧な場合は、以下の記事もあわせて確認しておくと理解しやすいです。
戸籍の読み方|相続人が確定している場合に見るポイント
また、続柄の見方だけでは判断しきれない場面も多いため、以下の記事も参考になります。
戸籍の続柄の読み方|古い戸籍は戸主を基準に家族関係を読む
普通養子は戸籍にどう書かれるか
普通養子では、身分事項欄に次のような形で記載されます。
「養子縁組」
「縁組日 令和○年○月○日」
「養父 ○○」
「養母 ○○」
「養親の戸籍 ○○番地」
「送付を受けた日 令和○年○月○日」
「受理者 ○○市区町村長」
「入籍 ○○番地」
ここで大事なのは、普通養子では「特別養子縁組」や「民法817条の2」という文言は出てこないことです。戸籍上は、あくまで養子縁組という身分事項として記載されます。
普通養子を読んだときに確認したいのは、
「養子縁組と書いてあるか」
「養父と養母が誰か」
「養親の戸籍がどこか」
「入籍先がどこか」
の4点です。
普通養子の相続上の扱いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
普通養子は相続人になる?実子との違いと相続順位を解説
普通養子で確認したい戸籍の動き
普通養子は、成立すると戸籍の動きが出ます。よくあるのは、
「従前戸籍から養親側へ入籍する」
「元いた戸籍では入籍につき除籍になる」
という動きです。つまり、養子縁組を読むときは、身分事項欄の記載だけでなく、戸籍の移動も確認する必要があります。
このような戸籍の流れを追う考え方は、以下の記事でまだ詳しく解説しています。
相続の戸籍収集はどの順番で進める?出生までつなげる実務の流れ
特別養子は戸籍にどう書かれるか
特別養子は、普通養子と戸籍の見え方が大きく違います。身分事項欄には、次のような形の記載が入ります。
「特別養子縁組」
「特別養子縁組の裁判確定日 令和○年○月○日」
「養父 ○○」
「養母 ○○」
「届出日 令和○年○月○日」
「入籍 ○○番地」
または、
「民法817条の2による裁判確定日 令和○年○月○日」
という形で記載されることもあります。ここが普通養子との決定的な違いです。
特別養子の相続上の扱いは、以下の記事でも詳しく解説しています。
特別養子は相続人になる?実親との関係と相続への影響を解説
特別養子で重要な実方との親族関係終了の読み方
特別養子でさらに重要なのは、実方との親族関係が終了することが戸籍上どう扱われるかです。
記載例では、
「実方の血族との親族関係が終了している養子」
「未記録につき削除」
といった処理が出てきます。
ここはかなり重要です。普通養子は実親との関係が残りますが、特別養子はそうではありません。この違いは、相続人の判断にも直結します。
養子が関係する相続全体の注意点については、以下の記事も参考になります。
養子がいる相続はなぜ相続人確定が難しい?戸籍確認のポイントを解説
普通養子と特別養子は戸籍上どこで見分けるか
見分け方はかなり明確です。普通養子なら、身分事項欄に「養子縁組」と記載されます。特別養子なら、「特別養子縁組」や「民法817条の2による裁判確定日」といった表現が出ます。
つまり、
「養子縁組だけなら普通養子」
「特別養子縁組や裁判確定日があれば特別養子」
という形で判断できます。
続柄だけでは判断しきれない
戸籍を見たとき、続柄欄だけを見て「養子」とあるから分かったつもりになることがあります。しかし実際には、それだけでは足りません。
続柄欄で分かるのは、その戸籍の中での現在の位置づけです。一方で、
「どういう形で養子になったのか」
「普通養子か特別養子か」
「実方との関係がどうなっているのか」
までは分かりません。
そのため、
「まず続柄を見る」
「次に身分事項欄を見る」
という順で読むことが大切です。
戸籍収集にお困りの方へ
相続では、
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。
しかし、実際には、
・養子縁組の記載が読めない
・普通養子か特別養子か判断できない
・戸籍の移動が追えない
といった形で止まることがあります。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、
・相続に必要な戸籍収集
・相続人の確定
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
養子縁組が関係する相続でも、戸籍の読み取りから相続人の確認まで対応しています。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
養子縁組が成立したときは、戸籍の身分事項欄に記載が入ります。
普通養子では、
「養子縁組」
「縁組日」
「養父」
「養母」
「養親の戸籍」
「入籍」
といった記載を確認します。
特別養子では、
「特別養子縁組」
「民法817条の2による裁判確定日」
「実方との親族関係終了に関する処理」
が重要になります。
戸籍を読むときは、続柄だけで終わらせず、
「身分事項欄の記載」
「養子の種類」
「戸籍の動き」
まで確認することが大切です。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
