戸籍の分家とは?古い戸籍で新しい戸籍が作られる仕組みを解説

古い戸籍を見ていると、

・ある人が途中で別の戸籍へ移っている
・本家とは別に新しい戸籍が作られている
・家の流れがそこで分かれている

といった場面があります。このとき重要になるのが分家です。

分家は、戸籍の編製原因の一つです。古い戸籍では、分家をきっかけに本家から分かれて新しい戸籍が作られることがあります。そのため相続で古い戸籍を読むときは、分家によって戸籍の流れがどこで枝分かれしたのかを読めることが重要です。

ここを誤解すると、

・なぜその人が別の戸籍にいるのか分からない
・どこで戸籍の流れが分かれたのか見失う
・本家と分家の関係を今の感覚で読んでしまう

といった形で止まりやすくなります。

この記事では、戸籍の分家とは何かを、相続実務で古い戸籍を読む目線から解説します。

具体的には、

・分家はどの時代の戸籍で問題になるのか
・分家とは何か
・古い戸籍でどこを見ればよいのか
・分家がある戸籍をどう読むか
・止まりやすいポイント

を順番に見ていきます。

なお、編製原因全体の見方は、以下の記事でまとめて解説しています。
戸籍の編製原因とは|転籍・婚姻・分家・家督相続で戸籍の流れを読む

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目次

分家は明治から昭和前半の戸主制度の戸籍で重要になる

分家は、明治から昭和前半の戸主制度の戸籍で重要になる論点です。

古い戸籍では、主に

・明治31年式戸籍
・明治19年式戸籍
・大正4年式戸籍

を読むときに出てきやすいです。

分家は、今の戸籍実務で日常的に出る話ではありません。そのため現在の感覚だけで古い戸籍を読むと、「なぜここで別の戸籍が作られているのか」「なぜ家の流れが分かれているのか」が分かりにくくなります。古い戸籍で分家の記載を見たときは、「これは戸主制度の時代に家が分かれて新しい戸籍が作られた話だ」と押さえることが大切です。

明治31年式戸籍や明治19年式戸籍や大正4年式戸籍の見方は、以下の記事も参考になります。
大正4年式戸籍の読み方|相続で確認するポイントを分かりやすく解説
明治31年式戸籍の読み方|戸主制の戸籍で確認するポイントを解説
明治19年式戸籍の読み方|最も古い戸主制の戸籍で確認するポイント

分家は戸籍の編製原因の一つ

分家は、戸籍の編製原因の一つです。ここでいう編製原因とは、その戸籍がなぜ作られたのか、あるいはなぜその戸籍の流れが変わったのかを示すものです。相続で古い戸籍を読むときに大事なのは、「分家したという事実」そのものより、「分家によって戸籍の流れがどう分かれたか」です。

古い戸籍では、分家をきっかけに

・本家から分かれる
・新しい家になる
・別の戸籍が作られる

という流れが出てきます。

つまり、分家は昔の家制度の話であるだけでなく、戸籍の流れを枝分かれさせる編製原因でもあります。

分家とは本家から分かれて新しい家を作ること

分家とは、本家から分かれて新しい家を作ることです。古い戸籍では、家が一つの単位として扱われていました。そのため、分家があると、本家の戸籍から分かれて別の戸籍が作られることがあります。

ここで大事なのは、分家は単なる住所移動や本籍地変更ではないという点です。見るべきなのは、

・誰が分家したのか
・どこで本家から分かれたのか
・その結果、どの戸籍が新しく作られたのか

です。つまり、分家は古い戸籍で家の流れが枝分かれする場面を読むための重要な手がかりです。

分家は家督相続とは別の論点

分家は、家督相続と似たように見えて別の論点です。家督相続は、戸主の地位を承継する話です。一方、分家は、本家から分かれて別の家を作る話です。

そのため、

・家督相続は戸主交代を見る論点
・分家は家が分かれて新しい戸籍が作られる流れを見る論点

として分けて考えた方が、古い戸籍は読みやすいです。

古い戸籍では、

・戸主が変わる
・新しい戸籍が作られる

という変化がどちらでも出てきうるため、混同しやすいです。ただ、何が起きたのかは違います。

家督相続については、以下の記事で詳しく扱っています。
戸籍の家督相続とは?戸主が変わる仕組みと古い戸籍の見方を解説

古い戸籍で分家が重要なのは家の流れがそこで分かれるから

古い戸籍では、家そのものの流れを見ることが重要です。そのため、分家があると

・本家の流れと分家の流れが分かれる
・同じ一族でも別の戸籍になる
・どこから先を別に追うべきかが変わる

ことがあります。

相続実務で問題になるのは、古い戸籍を現在の感覚で読んでしまい、「ただ別の家族として戸籍が作られたのか」「本家から分かれた分家なのか」を曖昧にしてしまうことです。分家の記載がある場合、そこで家の流れが分かれていると見ると、古い戸籍のつながりを読みやすくなります。

分家は古い戸籍で新しい戸籍が作られる編製原因として見る

分家は、古い戸籍では新しい戸籍が作られる編製原因として見ると分かりやすいです。本家の戸籍の中にいた人が、分家によって別の家となり、新しい戸籍を持つようになるからです。

つまり、

本家の戸籍

分家

新しい戸籍

という流れです。

相続で古い戸籍を読むときは、分家の記載があれば、

・そこで本家の戸籍から離れた
・その後は別の戸籍として追う必要がある

と考えることが大切です。

分家がある戸籍をどう読むか

相続で古い戸籍に分家が出てきたときは、次の順で見ると分かりやすいです。

まず誰が本家の戸籍にいるかを見る

最初に見るのは、その戸籍で誰が本家の戸籍に属しているかです。古い戸籍では、家単位で人が記載されています。そのため、まず本家の戸籍の中でその人がどう位置づいているかを見る必要があります。

次に分家の記載がどこにあるかを見る

分家がある場合は、古い戸籍の記載の中で、その出来事がどこに出ているかを見ます。ここで、誰についての記載か、どの時点で本家から分かれたのか、を押さえることが大切です。

分家後に作られた戸籍を別に追う

分家は、家の流れが分かれる場面です。そのため、分家の記載があれば、その後は本家の戸籍だけで追わず、分家後の戸籍を別に見ていく必要があります。

本家の流れと分家の流れを混ぜない

分家があると、本家の流れと分家の流れが別々に進みます。そのため、本家の戸籍の続きを見ているのか、分家後の戸籍を追うべき段階なのか、を切り替えて考えないと、古い戸籍の流れを見失いやすいです。

分家で止まりやすい典型パターン

古い戸籍で止まりやすいのは、次のようなパターンです。

分家をただの転籍や住所移動だと思ってしまう

一番多いのがこれです。分家は、本家から分かれて新しい家を作る話です。単なる本籍地変更や住所移動とは違います。ここを混同すると、「なぜ別の戸籍を追う必要があるのか」が分かりにくくなります。

転籍については、以下の記事も参考になります。
戸籍の転籍とは?相続で戸籍が移る仕組みと追い方を解説

分家の記載があるのに本家の戸籍だけを見続けてしまう

分家があると、その後は本家とは別の戸籍になります。それなのに本家の戸籍だけで追い続けると、途中からその人の流れが見えなくなります。

家督相続と分家を混同する

古い戸籍では、家督相続も分家も家の流れを大きく変えるため、混同しやすいです。

ただし、家督相続は戸主交代、分家は家が分かれること、なので、意味は違います。ここを分けて読めないと、戸籍の流れを読み違えやすいです。

分家後の戸籍を追わずに家族関係を決めつけてしまう

分家があると、その後は別の戸籍で家の流れが進みます。そのため、分家後の戸籍を見ないまま家族関係や戸籍のつながりを決めつけると止まりやすいです。

分家と婚姻・改製・転籍は別々に見る方がいい

古い戸籍では、分家だけでなく、転籍、改製、婚姻も戸籍の流れに影響します。

そのため、

・本籍地が変わった
・新しい戸籍が作られた
・戸籍の所属が変わった

という変化を全部まとめて見てしまうと、どの出来事で流れが変わったのか分かりにくくなります。

分家は、「家が分かれて新しい戸籍が作られる」という論点です。転籍は本籍地の移動、婚姻は戸籍の所属の変化、改製は戸籍の作り直しです。この違いを分けて読めると、古い戸籍の流れをかなりつかみやすくなります。

転籍、改製、婚姻との違いは、以下の記事も参考になります。
戸籍の転籍とは?相続で戸籍が移る仕組みと追い方を解説
戸籍の改製とは?改製原戸籍が必要になる理由と戸籍の流れを解説
戸籍の婚姻編製とは?婚姻で戸籍がどう変わるかを解説

分家が相続で重要になる場面

分家が特に重要になるのは、次のような場面です。

・古い戸籍で新しい戸籍が作られているとき
・本家と分家の流れが分かれているとき
・明治、大正、昭和初期の戸籍を読むとき
・どこから別の戸籍として追うべきか迷うとき

つまり、分家は「昔の制度の豆知識」ではなく、「古い戸籍で家の流れがどこで分かれたかを読むための前提知識」として重要です。

相続で分家を読むときに押さえたいこと

相続で分家を読むときに大事なのは、次の3点です。

・分家は本家から分かれて新しい家を作ることだと理解すること
・分家は古い戸籍で新しい戸籍が作られる編製原因として見ること
・分家後は本家の流れと別に戸籍を追う必要があると意識すること

つまり、分家は古い戸籍で家の流れが枝分かれする場面を読む手がかりになります。

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・古い戸籍に分家と書かれていて意味が分からない
・本家と分家のどちらの戸籍を追えばいいか分からない
・分家をただの本籍地変更のように読んでしまう
・家督相続や婚姻、改製と何が違うのか分からない
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まとめ

分家は、戸籍の編製原因の一つです。分家とは、本家から分かれて新しい家を作ることです。

古い戸籍では、分家は新しい戸籍が作られる編製原因として重要です。そのため、分家の記載があると、本家の流れとは別に分家後の戸籍を追う必要があります。

特に大事なのは、

・分家はただの転籍や住所移動ではないこと
・分家は本家から分かれて新しい戸籍が作られる話であること
・分家後は本家の流れと別に戸籍を追う必要があること

です。

分家は古い戸籍で家の流れがどこで枝分かれしたかを読むための重要な手がかりです。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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