この記事は、相続の戸籍収集を実務の流れで解説する4本シリーズの4本目です。
1本目の記事では、戸籍収集の出発点を解説しました。
相続の戸籍収集はどこから始める?最初に取る戸籍と本籍地の確認方法
2本目の記事では、出生まで戸籍を追っていく途中段階の進め方を解説しました。
相続の戸籍収集はどの順番で進める?出生までつなげる実務の流れ
3本目の記事では、戸籍収集をどこで完了と判断するかを解説しました。
相続の戸籍収集はどこで完了?必要な戸籍がそろったかの見極め方
ここまで終わると、次に多くの方が迷うのが
・戸籍が全部そろった後は何をすればよいのか
・法定相続情報一覧図はこの時点で作るのか
・金融機関や相続登記はどの順番で進めるのか
という点です。
相続では、戸籍を集めて終わりではありません。戸籍収集と相続人確認が終わった後は、その内容を使って法定相続情報一覧図を作成し、その後に各種の相続手続きを進めていくのが実務の基本です。
戸籍収集が終わったのに、その先で止まる人は少なくありません。実務では、ここから先の動き方を誤ると、せっかく集めた戸籍をうまく使えず、手続き全体が進みにくくなります。
相続の戸籍収集は
・どこから始めるか
・どの順番で出生まで追うか
・どこで完了と判断するか
・完了後に何をするか
という流れで理解すると、全体像が見えやすくなります。
この記事では、戸籍収集完了後にどの順番で相続手続きを進めるのかを解説します。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
戸籍収集完了後は法定相続情報一覧図が起点
戸籍収集が終わった後は、すぐに金融機関や法務局へ個別に動くのではなく、まず法定相続情報一覧図の作成を考えるのが実務の基本です。理由は、相続手続きでは、「銀行」「証券会社」「保険会社」「法務局」など、複数の提出先が出てくることが多いからです。
このとき法定相続情報一覧図がないと、そのたびに戸籍一式を出し直すことになりやすく
・提出書類の確認に時間がかかる
・戸籍の読み違いがあると各所で止まる
・同じ説明を何度も求められる
といった負担が発生しやすくなります。
一方で、法定相続情報一覧図を先に作っておけば、相続関係を一覧で示せるため、その後の手続きを進めやすくなります。
相続手続きが1か所だけで終わる例外的なケースを除けば、戸籍収集完了後は、まず法定相続情報一覧図を作る流れで考えておく方が実務的です。
まず法定相続情報一覧図を作成する
戸籍収集完了後に最初に行う実務は、法定相続情報一覧図の作成です。
法定相続情報一覧図は、集めた戸籍の内容をもとに相続関係を一覧化し、法務局の認証を受ける制度です。これを作成しておくと、その後の相続手続きで戸籍一式の提出負担を軽くしやすくなります。
流れとしては
・戸籍一式の内容を確認する
・法定相続情報一覧図を作成する
・法務局へ申出をする
・認証後の一覧図を取得する
です。
ここで大切なのは、法定相続情報一覧図は「余裕があれば作る書類」ではなく、「その後の相続手続きを進めるために先に作る書類」だという点です。
戸籍収集が終わった時点で一覧図まで作っておくと、その後の提出先ごとの説明負担が大きく減ります。逆に、ここを後回しにすると、金融機関や法務局ごとに戸籍一式を抱えて動くことになり、手続きが重くなりやすいです。
法定相続情報一覧図の制度や作成方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
法定相続情報一覧図とは?作成方法・必要書類・何枚もらうべきかを解説
相続関係説明図で足りるケースはかなり限られる
相続手続きでは、法定相続情報一覧図ではなく、相続関係説明図で対応することもあります。ただし、それで足りるケースはかなり限られます。
たとえば
・手続き先が実質1か所だけ
・戸籍通数が少ない
・法務局への申出までしなくても実務上ほぼ困らない
といったケースでは、相続関係説明図で足りることがあります。
しかし実務では
・金融機関が複数ある
・証券会社の手続きもある
・不動産の相続登記もある
といった相続の方が多いです。
その場合は、最初から法定相続情報一覧図を作成しておく方が、その後の負担を大きく減らしやすくなります。つまり、相続関係説明図で足りるかを先に考えるより、まず法定相続情報一覧図を作る前提で考えた方が、実務では失敗しにくいです。
法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違いは、以下の記事で確認できます。
法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違い|どこで使える?
法定相続情報一覧図を先に作ると手続きを同時進行しやすい
戸籍収集完了後に法定相続情報一覧図を先に作る大きなメリットは、その後の相続手続きを同時進行しやすくなることです。法定相続情報一覧図があれば、銀行、証券会社、相続登記などの手続きで、一覧図を使って相続関係を示せます。そのため、戸籍一式を毎回それぞれの提出先に出し直さなくて済み、複数の手続きを並行して進めやすくなります。
一方で、相続関係説明図はそれだけでは足りず、戸籍一式を一緒に出す前提です。そのため、銀行、証券会社、相続登記などを同時進行するには向いていません。
相続手続きが1か所だけなら相続関係説明図でも足りることがあります。しかし、金融機関が複数あり、不動産もあり、証券口座もある相続では、法定相続情報一覧図を先に作る方が明らかに進めやすいです。
金融機関の相続手続きに進む
法定相続情報一覧図の作成後は、金融機関の相続手続きに進みます。主な対象は、「預貯金」「証券口座」「投資信託」「保険」です。
一般的な流れは
・金融機関へ相続発生を連絡する
・必要書類の案内を受ける
・法定相続情報一覧図や他の必要書類を提出する
・払戻しや名義変更を進める
という形です。
この段階では、戸籍収集そのものよりも
・どの金融機関に何を出すか
・遺産分割の内容をどう反映するか
・書類の不足がないか
の方が問題になりやすいです。
だからこそ、戸籍収集完了後に法定相続情報一覧図を先に作っておくことが、その後の金融機関手続きを進めやすくする土台になります。
不動産がある場合は相続登記も早めに考える
被相続人名義の不動産がある場合は、相続登記も重要な手続きになります。
相続登記では
・法定相続情報一覧図
・遺産分割協議書などの書類
・固定資産評価証明書などの添付書類
をもとに、法務局へ申請します。
相続登記は現在、義務化されています。そのため、不動産がある相続では、「あとで考える」のではなく、戸籍収集完了後の早い段階で見通しを立てておくことが大切です。
実務では
・法定相続情報一覧図を取得する
・金融機関の手続きを進める
・相続登記の準備も並行して進める
という流れになることが多いです。
戸籍収集完了後に止まりやすいポイント
戸籍収集が終わった後は、むしろそこから手続きが前に進まなくなることがあります。特に止まりやすいのは
・法定相続情報一覧図を作るべきか判断できない
・金融機関ごとの必要書類が分からない
・相続登記まで考えると何から手をつければよいか分からない
といったケースです。
戸籍収集の後は、「取る作業」から「使う作業」に切り替わります。そのため、ここから先は
・どの書類を先に作るか
・どの手続きを並行して進めるか
・どこで止まりやすいか
を見ながら進める必要があります。
ここで止まると、「戸籍は全部そろったのに、その先の実務が前に進まない」という状態になりやすいです。相続では、戸籍収集の完了がゴールではなく、法定相続情報一覧図を起点に各手続きへつなげていくことが実務上の本番です。
まとめの前にシリーズ全体を確認したい方へ
戸籍収集は、集めること自体が目的ではありません。集めた戸籍を使って、法定相続情報一覧図の作成や金融機関の相続手続き、相続登記へつなげていくところまでが実務です。
出発点から完了までの流れを順番に確認したい場合は、4本シリーズ全体を通して読むと理解しやすくなります。
1本目・・・相続の戸籍収集はどこから始める?最初に取る戸籍と本籍地の確認方法
2本目・・・相続の戸籍収集はどの順番で進める?出生までつなげる実務の流れ
3本目・・・相続の戸籍収集はどこで完了?必要な戸籍がそろったかの見極め方
戸籍収集にお困りの方へ
相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。
しかし実際には
・戸籍収集は終わったが次の進め方が分からない
・法定相続情報一覧図を作るべきか迷う
・金融機関や相続登記まで見通せない
といったケースも少なくありません。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
戸籍収集が完了した後は
・まず法定相続情報一覧図の作成を進める
・その後に金融機関の相続手続きへ進む
・不動産がある場合は相続登記も並行して進める
という流れになります。
相続手続きでは、戸籍収集が終わった後に何を先にやるかで、その後の進めやすさが大きく変わります。実務では、相続関係説明図で足りるケースはかなり限られており、複数の手続きがある相続では、法定相続情報一覧図を先に作る方が進めやすいことが多いです。
戸籍収集完了後は、まず法定相続情報一覧図を起点に、その後の相続手続きを組み立てていくことが重要です。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
