戸籍で認知した子を見落とす典型例|子どもはいないと思うのは危険?

相続で戸籍を集めていると、

「被相続人に子どもはいないはず」
「配偶者と兄弟姉妹だけが相続人になるはず」
「今見えている家族だけで相続人は足りているはず」

と考えてしまうことがあります。

実際にも、

・現在の戸籍に子どもの記載が見当たらない
・家族も「子はいない」と認識している
・その前提で預金解約や相続登記の話を進めている

というケースは少なくありません。

しかし、そのまま進めると、

・銀行で「本当に子はいませんか」と確認される
・法務局で「出生までつながる戸籍を確認してください」と言われる
・追加で戸籍をたどった結果、認知した子がいたと分かる

といった形で、途中から前提が崩れることがあります。

認知した子は、今の家族の中に見えていなくても相続人になります。しかも、家族が本当に存在を知らないまま相続が始まることもあるため、見落としたときの影響が大きいです。

この記事では、「子どもはいないと思う」という思い込みで認知した子を見落とす典型例と、戸籍のどこを見れば防げるのかを解説します。

相続の戸籍収集にお困りの方へ

相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。

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目次

先に結論

認知した子は、相続人になります。婚姻していたかどうかにかかわらず、被相続人が認知していれば、その子は法定相続人に含まれます。

そのため、

・現在の戸籍に子どもの記載が見当たらない
・家族が子の存在を知らない
・兄弟姉妹が相続人になる前提で話が進んでいる

といった場合でも、戸籍に認知の記載が見つかれば、相続人の前提は変わります。

特に注意が必要なのは、認知した子が見つかると、

・相続人が1人増えるだけで終わらないことがある
・兄弟姉妹が相続人ではなくなることがある
・遺産分割の前提そのものが崩れることがある

という点です。

見落としを防ぐうえで重要なのは、

・戸籍を出生までさかのぼること
・子がいない前提で判断しないこと
・身分事項の認知の記載を最後まで確認すること

です。

認知した子が相続人になるかは、以下の記事で詳しく解説しています。
認知した子は相続人になる?戸籍で確認すべきポイントを実務解説

典型例① 現在の戸籍に子が見えないため「子はいない」と判断する

よくあるのが、現在の戸籍だけを見て判断してしまうケースです。

たとえば、

・被相続人に配偶者はいる
・現在の戸籍には夫婦の記載はある
・しかし子どもの記載が見当たらない

という場面です。

この状態だと、「夫婦に子はいなかった」「子はいないから、配偶者と兄弟姉妹が相続人になる」と考えやすくなります。

しかし、実際には、

・被相続人が過去に子を認知している
・その子は別の戸籍にいる
・現在の戸籍にはその子が直接出てこない

ということがあります。

ここで重要なのは、「今の戸籍に子が見えないことと、子が存在しないことは別」という点です。現在の戸籍は、被相続人の人生全体のうち最後の一部だけを示していることがあります。前の戸籍までたどらなければ、見えていない相続人がいる可能性は消えません。

戸籍の必要範囲は、以下の記事で確認できます。
相続の戸籍はどこまで必要?配偶者と子が相続人の場合の必要範囲

典型例② 家族全員が「子はいない」と思い込んでいる

認知した子で特に多いのが、家族の認識そのものがずれているケースです。

たとえば、

・配偶者も子どもの存在を知らない
・兄弟姉妹も「子はいない」と思っている
・親族の間でも、その前提で話が通っている

という状態です。

この場合、「家族全員が知らないのだから間違いない」「誰も聞いたことがないのだから、子はいないはずだ」と考えてしまいがちです。

しかし、戸籍を確認すると、

・身分事項に認知の記載がある
・その記載から認知した子の存在が分かる

ということがあります。

認知は、今の家族に共有されないまま行われていることもあります。そのため、「聞いていない」「誰も知らない」「親族がそう言っている」という事情だけで、子はいないと判断するのは危険です。

このテーマで特に厄介なのは、家族が知らないこと自体が不自然ではない点です。前婚の子よりも、家族の認識と戸籍の記載がずれやすいテーマだと言えます。

相続人の全体像は、以下の記事で確認できます。
法定相続人とは?誰が相続人になるのか判断手順を分かりやすく解説

典型例③ 兄弟姉妹が相続人のはずだと思っていたら手続が止まる

最も問題が大きくなりやすいのが、兄弟姉妹が相続人になる前提で進めてしまうケースです。

たとえば、

・配偶者はいるが子はいないと思っている
・父母もすでに亡くなっている
・そのため、配偶者と兄弟姉妹で相続すると考えている

という状態で、

・遺産分割の話を進める
・預金解約や相続登記の準備を進める

ことがあります。

ところがその後、

・銀行で「本当に子はいませんか」と確認される
・法務局で「この戸籍だけでは足りません」と言われる

ことで手続が止まります。

そこで戸籍を出生までさかのぼると、

・身分事項に認知の記載が見つかる
・認知した子が相続人に含まれる
・兄弟姉妹は相続人ではなくなる

ということが判明します。

この時点で、兄弟姉妹が相続人だという前提そのものが崩れます。

その結果、

・遺産分割の話を最初からやり直す
・相続人を確定し直す
・認知した子を含めて合意を取り直す

必要が出てきます。

しかも、

・連絡先が分からない
・関係が薄い
・突然、相続人として連絡を取る必要が出てくる
・すでにまとまりかけていた話をやり直す

といった事情が重なると、手続は一気に長引きやすくなります。

戸籍提出後に止まりやすい場面は、以下の記事も参考になります。
銀行で戸籍が足りないと言われたら?相続手続で追加提出になる典型例

なぜ認知した子は見落としやすいのか

認知した子が見落とされやすいのは、家族関係の見え方と戸籍の見方の両方に理由があります。

まず、家族の側では、

・被相続人に子はいないと思い込んでいる
・認知の事実を聞かされていない
・現在の家族構成だけを見ると不自然さがない

ということがあります。

一方、戸籍の側でも、

・認知の記載は身分事項に入る
・婚姻や転籍の記載に目が行き、認知を流し見しやすい
・現在の戸籍だけでは子の存在が見えにくいことがある

ため、見落としが起きやすくなります。

特に危ないのは、

・子の記載だけを見て終わる
・今の戸籍に子がいないことだけを確認する
・身分事項を最後まで読まない

という見方です。

認知した子は、こうした確認不足がそのまま見落としにつながりやすいテーマです。

戸籍のどこを見れば認知に気づけるか

認知した子に気づくためには、次の点を確認します。

・身分事項の認知の記載
・認知の記載が入っている時期
・現在の戸籍だけで判断していないか
・前の戸籍へのつながり

まず最も重要なのは、身分事項です。

ここで、

・認知の記載があるか
・いつ認知されたのか
・その認知が今の家族の認識とずれていないか

を確認します。

認知の記載があれば、その子は相続人に含まれます。

このとき危ないのは、

・婚姻や転籍ばかりを見てしまう
・認知の記載を流し見してしまう
・身分事項を途中で読むのをやめてしまう

という見方です。

認知という言葉が出た時点で、「子はいない」「兄弟姉妹が相続人になる」という前提はいったん止めて、相続人の組み合わせを見直す必要があります。

次に、現在の戸籍だけで安心しないことも重要です。現在の戸籍に子どもが見えなくても、

・過去の戸籍に認知の手がかりがある
・戸籍の流れをたどることで子の存在が見えてくる

ことがあります。

そのため、

・今の戸籍に子が載っていない
・家族も知らない

という状態でも、そこで判断を止めず、出生までつながるかを確認する必要があります。

戸籍の流れの見方は、以下の記事で解説しています。
戸籍の編製原因とは|転籍・婚姻・分家・家督相続で戸籍の流れを読む

認知した子を見落とすとどうなるのか

認知した子を見落としたまま進めると、相続手続は大きく止まります。
起こりやすいのは、次のような問題です。

・銀行や法務局で手続が止まる
・戸籍を追加で取り直すことになる
・相続人を最初から確認し直すことになる
・遺産分割協議をやり直すことになる

さらに重要なのは、「認知した子も相続人である以上、その人を含めずに遺産分割や各種手続を進めることはできない」という点です。

しかも、認知した子の見落としは前提そのものを大きく変えることがあります。
たとえば、

・兄弟姉妹が相続人だと思っていた
・しかし認知した子が見つかった
・その結果、兄弟姉妹は相続人ではなくなる

ということがあります。

この場合は、単に相続人が増えるのではなく、誰が相続人なのかという前提自体を組み直す必要があります。すでに押印や提出直前まで進んでいたとしても、認知した子が判明すればやり直しになります。見落としは、後から1人追加すれば済む問題ではありません。

見落としを防ぐための確認ポイント

見落としを防ぐには、次の点を意識することが重要です。

・現在の戸籍に子が見えなくても安心しない
・身分事項の認知の記載を必ず最後まで確認する
・家族の認識だけで「子はいない」と決めない
・子がいない前提で兄弟姉妹相続に進まない
・戸籍は途中で止めず、出生までさかのぼる

特に大事なのは、「子どもはいないと思っているときほど、認知の記載を疑って確認する」という視点です。

認知した子は、今見えている家族構成の外側にいることがあります。

だからこそ、

・今の戸籍だけで完了と思わない
・身分事項を流さずに見る
・子がいない前提で相続人を確定しない

この進め方が重要です。

戸籍収集にお困りの方へ

相続では、
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。

しかし、実際には、
・認知した子がいるか分からない
・戸籍のどこを見ればよいか分からない
・相続人が本当に全員そろっているか不安になる
といった場面で手が止まることがあります。

たとえば、
・兄弟姉妹が相続人のはずだと思っているが、このまま進めてよいか不安
・子はいない前提で話しているが、身分事項のどこを見ればよいか分からない
・銀行や法務局に出す前に、認知した子の見落としがないか確認したい
といったケースです。

戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では、
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。

認知した子がいるか分からない場合でも、戸籍収集から対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。

まとめ

認知した子は、現在の戸籍だけでは見えないことがあります。

そのため、

・戸籍に子の記載がないから子はいないと判断する
・家族が知らないから存在しないと考える
・兄弟姉妹が相続人になる前提で話を進める

といった進め方をすると、相続人を見落とす可能性があります。

特に認知した子は、

・家族が本当に知らないことがある
・身分事項を見落とすと気づきにくい
・見落とすと相続人の組み合わせ自体が変わることがある

という点で注意が必要です。

だからこそ、

・戸籍を出生までさかのぼる
・身分事項の認知の記載を確認する
・今見えている情報だけで完了と思わない

この前提で進めることが重要です。

認知した子の見落としは、誰が相続人なのかという前提そのものを崩します。今の戸籍だけで判断せず、必ず戸籍全体を確認して進める必要があります。

相続の戸籍まわりの全体像は
相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。

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