この記事は、相続の戸籍収集を実務の流れで解説する4本シリーズの3本目です。
1本目の記事では、戸籍収集の出発点を解説しました。
相続の戸籍収集はどこから始める?最初に取る戸籍と本籍地の確認方法
2本目の記事では、出生まで戸籍を追っていく途中段階の進め方を解説しました。
相続の戸籍収集はどの順番で進める?出生までつなげる実務の流れ
ここまで進むと、多くの方が次に迷うのが
・どこまで集めれば戸籍収集は完了なのか
・本当に必要な戸籍はもう全部そろったのか
・この状態で相続人を確定できるのか
という点です。
相続の戸籍収集は、「戸籍が全部そろってから相続人確定を始める」手続きではありません。実務では、戸籍を取りながら内容を読み、その都度相続人の見込みを確認し、不足戸籍を追加で取っていきます。
そのため完了判断を誤ると
・相続人の漏れが後から発覚する
・法務局や金融機関で差し戻される
・不足戸籍の特定からやり直すことになる
といった問題が起きやすくなります。
特に厄介なのは、「かなり古い戸籍まで取れたから終わりだろう」と思った後に、相続人確認に必要な戸籍が不足していることに気づくケースです。ここで止まると、また戸籍の流れを見直して取り直すことになります。
戸籍収集の流れは
・どこから始めるか
・どの順番で出生まで追うか
・どこで完了と判断するか
・完了後に何をするか
という順番で理解すると、手続き全体が見えやすくなります。
この記事では、戸籍を取りながら相続人を確認していく実務の流れを前提に、どこで「もう相続人確定に必要な戸籍はそろった」と判断するのかを解説します。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)が、相続に必要な戸籍収集を全国対応で代行します。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
戸籍収集の完了は相続人を確定できる状態
戸籍収集の完了は、単に戸籍をたくさん集めたかどうかでは判断できません。
実務で見るべきなのは
・被相続人の戸籍の流れに抜けがないか
・相続関係を判断するために必要な戸籍がそろっているか
・もう追加で取るべき戸籍が残っていないか
という点です。
つまり、相続の戸籍収集は
「戸籍を全部集める」→「その後で相続人を確定する」
という二段階の手続きではありません。
実際には
「戸籍を取る」→「内容を読む」→「相続人の見込みを確認する」→「不足戸籍を追加で取る」
という流れを繰り返しながら進みます。
そのため完了判断とは、「相続人を確定するために必要な戸籍が、もう追加なくそろった」と判断することです。
戸籍を取りながら相続人を絞り込んでいく
相続の戸籍収集では、最初から相続人が完全に見えていることは少なくありません。
たとえば最初の戸籍を見た段階では
・子がいるのか
・子が先に亡くなっているのか
・前婚の子がいるのか
・兄弟姉妹相続になるのか
がまだ固まっていないことがあります。だからこそ実務では、戸籍を1通取るたびに内容を確認し、その時点で必要になりそうな次の戸籍を判断します。
この流れを繰り返して、最終的に
「もう相続人を判断するために追加で取る戸籍はない」
という状態になれば、そこで初めて完了に近づきます。
被相続人の出生から死亡までは完了判断の一部
戸籍収集でよくある誤解が、「被相続人の戸籍が出生から死亡までつながれば終わり」という考え方です。たしかに、被相続人の出生から死亡までの戸籍は重要です。ただ、それだけで完了とは限りません。なぜなら、相続人の構成によっては、被相続人以外の戸籍も確認しなければ相続人を確定できないからです。
たとえば
・子が先に亡くなっていて孫が代襲相続人になる
・子がいないため親が相続人になる
・子も親もおらず兄弟姉妹相続になる
といったケースでは、被相続人の戸籍だけでは足りないことがあります。つまり完了判断では「被相続人の戸籍がつながったか」だけでなく、「相続人を確定するために必要な戸籍までそろったか」を確認する必要があります。
相続人の組み合わせごとの必要範囲は、以下の記事でまとめて確認できます。
相続の戸籍はどこまで必要?相続人の組み合わせ別|必要な戸籍の範囲
完了判断で見るのは追加取得が残っていないか
完了判断で大切なのは、「今ある戸籍で相続関係を説明し切れるか」です。
具体的には
・戸籍の流れに空白がない
・改製前の戸籍が残っていない
・転籍前の本籍地を追い切っている
・相続人確認に必要な人物の戸籍まで確認できている
といった状態になっている必要があります。
逆に、どこかで
・前の本籍地の手がかりが残っている
・改製の記載があるのに前の戸籍を見ていない
・相続人の構成は見えてきたが、その確認戸籍が不足している
という状態なら、まだ完了ではありません。
ここで危ないのは、「たくさん取ったから大丈夫」「古い戸籍まで出てきたから終わり」という感覚で止めてしまうことです。完了判断とは、「これ以上取るべき戸籍はない」と言える状態かどうかを見る作業です。
完了誤認が起きやすい典型パターン
完了判断で止まりやすいのは、次のようなケースです。
・出生の記載がある戸籍を見て安心してしまう
・通数が多いので終わった気になる
・被相続人の戸籍だけで判断してしまう
・相続人確認に必要な戸籍の不足を見落とす
特に危ないのは、「かなり古い戸籍まで取れたから大丈夫だろう」という感覚で終わらせてしまうことです。
実務では
・被相続人の出生から死亡まではつながったが、代襲相続人の確認戸籍が不足していた
・兄弟姉妹相続なのに、父母の戸籍の確認が途中で止まっていた
・改製の記載を見落として、改製前の戸籍を取っていなかった
といった形で、あとから不足が見つかることがあります。
相続の戸籍収集では、通数や古さではなく、「相続関係を確定するために必要な情報が全部そろっているか」で判断しないと、後から高い確率で詰まります。
一度そろったと思ったら最初から見直す
実務では、戸籍が一通りそろったと思った段階で、最初からもう一度流れを見直します。
この見直しをすると
・最初は気づかなかった転籍記載に気づく
・改製原戸籍の不足に気づく
・相続人確認の前提になる戸籍不足に気づく
といったことは珍しくありません。そのため戸籍収集では「前へ前へ進む視点」だけでなく、「そろった後にゼロから見直す視点」を持つことが大切です。
ここを省くと、「最後の1通を取った時点では終わったと思ったのに、提出段階で不足が見つかる」という形でやり直しになりやすいです。最後の1通を取った時点で完了だと思い込むのではなく、全体を見直しても不足がないと確認できた時点で完了と判断する方が実務感覚に近いです。
完了判断のあとに進む相続手続き
戸籍収集が完了したと判断できた後は
・法定相続情報一覧図を作成する
・金融機関の相続手続きに進む
・相続登記などの実務に進む
という流れになります。つまり、完了判断はゴールではなく、その後の相続手続きに進むための分岐点です。
続けて読む場合は、4本シリーズの4本目の次の記事を確認してください。
戸籍収集が終わった後は何をする?法定相続情報一覧図と相続手続き
戸籍収集にお困りの方へ
相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
といった作業が必要になります。
しかし、実際には
・どこまで集めれば完了なのか判断できない
・戸籍の流れに抜けがないか不安
・相続人確認に必要な範囲が分からない
といったケースも少なくありません。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
戸籍収集の完了は
・被相続人の戸籍の流れに抜けがないこと
・相続人確認に必要な戸籍までそろっていること
・もう追加で取るべき戸籍が残っていないこと
を確認して判断する必要があります。
大事なのは「全部集め終わってから相続人確定する」ではなく「戸籍を取りながら相続人を確認し、最後に不足がない状態まで持っていく」という考え方です。
一度そろったと思っても、最初から全体を見直すことで不足戸籍に気づくことがあります。この見直しまで含めて慎重に判断することが、相続手続きをスムーズに進める前提になります。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
