相続の戸籍収集は、相続人であれば自分で進めることもできます。
そのため、
・とりあえず家族の誰かがやる
・時間がありそうな人に任せる
・近くに住んでいる人が進める
・なんとなく長男が担当する
といった形で決まることが少なくありません。
しかし、戸籍収集は「誰かが少し動けば終わる手続き」ではありません。相続では、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集め、相続人を確定できる状態にする必要があります。
そのため、担当する人を間違えると、
・最初の戸籍だけ取って止まる
・どこまで必要か分からなくなる
・銀行や法務局で戸籍不足になる
・他の相続人に状況が伝わらない
・相続手続き全体が遅れる
といった問題につながります。
特に、兄弟姉妹相続、再婚家庭、転籍が多いケース、相続人が多いケースでは、家族内でなんとなく担当を決めると途中で止まりやすいです。
この記事では、相続の戸籍収集は誰に任せるべきか、家族内で担当を決める基準と失敗例を実務ベースで解説します。
相続の戸籍収集にお困りの方へ
相続では、まず被相続人の戸籍を「出生から死亡まで」揃える必要があります。
ただ本当に迷いやすいのは、相続人側の戸籍を「誰の・どこまで」用意すべき範囲が分からないことです。
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基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
先に結論
相続の戸籍収集を家族内で進めるなら、次の条件を満たす人に任せるべきです。
・平日に役所や郵送請求の対応ができる
・郵送請求を途中で止めずに続けられる
・取得した戸籍を見て、次の請求先を確認できる
・相続人が確定するところまで進められる
・他の相続人に状況を共有できる
逆に、
・忙しくて後回しになりやすい
・書類の確認が苦手
・どこまで必要か判断できない
・他の相続人と連絡を取りにくい
という場合は、家族内で無理に担当者を決めるより、専門家に依頼した方が早く終わることがあります。
戸籍収集は「誰でもできる手続き」ではあります。しかし、「誰に任せても同じ結果になる手続き」ではありません。
戸籍収集は相続人の1人が担当してもよい
相続の戸籍収集は、相続人全員で分担する必要はありません。
実務上は、
・相続人の1人が代表して戸籍を集める
・必要に応じて他の相続人に協力してもらう
・集めた戸籍を相続手続きで共通して使う
という形で進めることが多いです。
相続人全員が別々に戸籍を集めると、
・同じ戸籍を重複して請求する
・どこまで取得したか分からなくなる
・誰が何を持っているか分からなくなる
・提出先ごとに戸籍の内容がそろわない
といった問題が起きやすくなります。そのため、基本的には1人が担当して進める方が現実的です。
ただし、1人に任せる場合でも、他の相続人に何も伝えずに進めるのは避けた方がよいです。戸籍収集の結果によって、相続人の範囲や遺産分割協議に参加する人が決まるからです。
戸籍を代理で取得できる範囲や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
戸籍は代理で取れる?本人・代理人・専門家の違いを解説
家族内で担当を決めるときの基準
平日に対応できるか
戸籍は郵送で請求できます。しかし、実際には平日に対応が必要になる場面があります。
たとえば、
・役所に請求内容を確認する
・不備の連絡に対応する
・追加で必要な戸籍を確認する
・郵送物を受け取って再請求する
といった場面です。
仕事などで平日にまったく対応できない人が担当すると、1回の差し戻しだけで数日から数週間止まることがあります。
相続手続きでは、戸籍収集が止まると、
・銀行の相続手続き
・相続登記
・遺産分割協議
・法定相続情報一覧図の作成
にも影響します。
担当者を決めるときは、平日に最低限の確認や郵送対応ができるかを見ておく必要があります。
郵送請求を継続できるか
戸籍収集は、1回の請求で終わるとは限りません。
特に相続では、
・現在戸籍
・除籍謄本
・改製原戸籍
・転籍前の戸籍
・婚姻前の戸籍
などを順番にたどることがあります。
1つの戸籍を取ったら終わりではなく、その戸籍を見て、次にどこの役所へ請求するかを確認します。
つまり、戸籍収集は、
・請求する
・届いた戸籍を見る
・次の本籍地を確認する
・また請求する
という流れを繰り返す手続きです。
この作業を途中で止めてしまう人が担当すると、戸籍が中途半端な状態で残ります。戸籍収集を任せるなら、郵送請求を何度か繰り返す前提で対応できる人が向いています。
取得した戸籍を確認できるか
戸籍収集は、戸籍を取るだけでは不十分です。
取得した戸籍を見て、
・被相続人の出生までつながっているか
・転籍前の戸籍が残っていないか
・改製原戸籍が必要ではないか
・前婚の子や認知した子がいないか
・養子縁組の記載がないか
・兄弟姉妹相続で父母の戸籍まで確認できているか
を確認する必要があります。
ここを確認しないまま進めると、後で銀行や法務局から戸籍が足りないと言われることがあります。「相続人は分かっているから大丈夫」と思っていても、提出先では戸籍上の確認が求められます。
戸籍収集の完了判断については、以下の記事で詳しく解説しています。
相続の戸籍収集はどこで完了?必要な戸籍がそろったかの見極め方
最後まで相続人確定まで進められるか
相続の戸籍収集は、戸籍を何通か集めることが目的ではありません。目的は、相続人を確定できる状態にすることです。
そのため、
・死亡時の戸籍だけ取った
・現在戸籍だけ取った
・途中までさかのぼった
・一部の相続人だけ確認した
という状態では不十分なことがあります。
担当者には、最後まで戸籍を追って、相続人が誰なのかを確認できるところまで進める力が必要です。途中で止まる可能性が高い場合は、最初から専門家に依頼する方が現実的です。
他の相続人に状況を共有できるか
戸籍収集の結果は、相続手続き全体に関係します。
戸籍を集めることで、
・誰が相続人になるのか
・相続人が何人いるのか
・誰と遺産分割協議をするのか
・前婚の子や認知した子がいるのか
・代襲相続が起きているのか
が分かります。
そのため、担当者だけが情報を持っている状態は避けた方がよいです。
他の相続人に状況が伝わっていないと、
・手続きの進み具合が分からない
・他の相続人が不信感を持つ
・相続人の範囲について認識が食い違う
・後の遺産分割協議で話が止まる
といった問題につながることがあります。
戸籍収集を任せる相手は、必要に応じて他の相続人に状況を伝えられる人が望ましいです。
よくある失敗例
忙しい人に任せて手続きが止まる
よくあるのが、仕事が忙しい人に任せてしまうケースです。
最初は、
・自分がやる
・時間があるときに進める
・とりあえず戸籍を取ってみる
と言っていたものの、実際には対応が後回しになります。
その結果、
・最初の戸籍だけ取って止まる
・役所からの不備連絡に対応できない
・次にどこの役所へ請求するか確認しない
・数ヶ月経っても戸籍がそろわない
という状態になります。
相続では、戸籍収集が止まると、その後の手続きも進みにくくなります。忙しい人に任せる場合は、本当に最後まで対応できるかを確認しておく必要があります。
近くに住んでいるだけで担当にしてしまう
被相続人の自宅近くに住んでいる人や、最後の本籍地の役所に近い人が担当になることがあります。しかし、近くに住んでいることと、戸籍収集を最後まで進められることは別です。
相続の戸籍収集では、最後の本籍地だけで終わるとは限りません。実際には、
・転籍前の戸籍が別の自治体にある
・婚姻前の戸籍が別の本籍地にある
・古い改製原戸籍が必要になる
・除籍謄本を別の役所に請求する
といったことがあります。
この場合、近くに住んでいるメリットは大きくありません。むしろ、郵送請求を続けられるか、取得した戸籍を読んで次の請求先を確認できるかの方が重要です。
途中で「これで足りる」と判断してしまう
戸籍収集で多い失敗が、途中で「これで足りる」と判断してしまうことです。
たとえば、
・死亡時の戸籍があるから十分だと思う
・現在戸籍と除籍謄本を取ったので終わりだと思う
・相続人は分かっているから古い戸籍はいらないと思う
・役所から届いた戸籍一式で足りていると思う
といったケースです。
しかし、相続では原則として、被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認します。
特に、
・前婚の子
・認知した子
・養子
・兄弟姉妹相続
・代襲相続
・数次相続
が関係する場合、確認範囲が広がります。
途中で判断してしまうと、銀行や法務局で追加提出を求められることがあります。
銀行で戸籍が足りないと言われるケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
銀行で戸籍が足りないと言われたら?相続手続で追加提出になる典型例
相続登記で戸籍が足りないと言われるケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
法務局で相続登記の戸籍が足りないと言われるのはなぜ?具体例を解説
担当者だけが状況を把握している
戸籍収集を1人に任せること自体は問題ありません。ただし、担当者だけが状況を把握している状態は危険です。
たとえば、
・どこまで戸籍を取ったのか分からない
・どの役所に請求したのか分からない
・不足している戸籍があるのか分からない
・他の相続人が進み具合を知らない
という状態になると、途中で担当者が対応できなくなったときに手続きが止まります。
相続では、戸籍収集の後に、
・遺産分割協議
・銀行の名義変更
・相続登記
・法定相続情報一覧図の作成
などが続きます。
担当者だけで抱え込まず、必要に応じて他の相続人にも状況を伝えておくことが大切です。
相続人の1人が勝手に進めて不信感が出る
戸籍収集は、相続人の1人が進めることもできます。しかし、他の相続人に何も伝えずに進めると、不信感につながることがあります。
たとえば、
・知らないうちに戸籍を集められていた
・相続人の範囲を勝手に判断されていた
・遺産分割の話まで一方的に進められていた
・集めた戸籍を見せてもらえない
といった状態です。
戸籍収集そのものは事務的な作業ですが、相続人の範囲を確定する重要な作業でもあります。家族間の関係が良くない場合や、相続財産をめぐって不安がある場合は、進め方にも注意が必要です。
専門家に任せた方がよいケース
兄弟姉妹相続の場合
兄弟姉妹が相続人になる場合、戸籍収集は大変になりやすいです。
なぜなら、被相続人本人だけでなく、
・父母の戸籍
・場合によっては祖父母の戸籍
・兄弟姉妹の出生や死亡
・甥姪への代襲相続
まで確認する必要があるからです。
兄弟姉妹相続では、子が相続人になる場合よりも確認範囲が広がります。
相続人が分かっているつもりでも、戸籍をたどると、
・亡くなっている兄弟姉妹
・代襲相続する甥姪
・異母兄弟や異父兄弟
が関係することもあります。
そのため、家族内で対応すると途中で止まりやすいです。
兄弟姉妹相続の戸籍収集については、以下の記事で詳しく解説しています。
兄弟姉妹相続で戸籍収集が大変なのはなぜ?相続人確定でも長引く理由
再婚家庭の場合
再婚家庭では、戸籍収集で見落としが起きやすいです。
たとえば、
・前婚の子
・現婚の子
・認知した子
・養子縁組した子
が関係することがあります。
家族が把握している関係と、戸籍上の関係が一致しているとは限りません。「子どもは今の配偶者との子だけ」と思っていても、戸籍を確認すると前婚の子や認知した子が出てくることがあります。また、再婚家庭では、相続人同士の関係が近くないこともあります。
そのため、戸籍収集の段階で相続人の範囲を正確に確認しておかないと、後の遺産分割協議で大きく止まりやすいです。
再婚家庭の相続については、以下の記事で詳しく解説しています。
再婚家庭で前婚の子と現婚の子がいる場合の相続人確認と戸籍収集
転籍が多い場合
被相続人が何度も転籍している場合、戸籍収集は長引きやすいです。
転籍があると、
・転籍前の戸籍
・転籍後の戸籍
・改製原戸籍
・除籍謄本
を順番に追う必要があります。
1つの役所で完結せず、複数の自治体に請求することもあります。
また、古い戸籍では、
・本籍地の表示が現在と違う
・地名が変わっている
・どの自治体に請求すべきか分かりにくい
ということもあります。
転籍が多い場合は、戸籍の流れを追いながら請求先を確認する必要があるため、家族内で対応すると途中で止まりやすいです。
相続人が多い場合
相続人が多い場合も、専門家に任せた方がよいケースがあります。
相続人が多いと、
・必要な戸籍の範囲が広がる
・取得する戸籍の通数が増える
・相続人の確認に時間がかかる
・後の連絡や書類共有も大変になる
からです。
特に、
・兄弟姉妹相続
・甥姪が相続人になるケース
・数次相続
・再婚家庭
・相続放棄があるケース
では、相続人の数が増えやすいです。
相続人が多い場合、1人が家族内で抱え込むと、作業量も判断も大きくなります。途中で対応しきれなくなる前に、専門家に依頼することも検討した方がよいです。
家族内で担当する場合の注意点
最初に担当者を明確にする
戸籍収集を家族内で進める場合は、最初に誰が担当するのかを決めておくことが大切です。
担当者が曖昧なままだと、
・誰かがやっていると思っていた
・実は誰も請求していなかった
・同じ戸籍を別々に請求していた
・不足が出ても誰が対応するか決まっていない
ということが起こります。
相続手続きでは、戸籍収集が入口になります。ここが止まると、財産調査や遺産分割協議にも影響しやすいです。
取得した戸籍をまとめて保管する
取得した戸籍は、担当者がまとめて保管しておくと確認しやすくなります。
戸籍がバラバラになると、
・どの戸籍を取得済みか分からない
・不足している戸籍を確認しにくい
・法定相続情報一覧図を作るときに困る
・銀行や法務局へ提出する戸籍一式を準備しにくい
という問題が起きます。
家族内で進める場合でも、取得した戸籍は一式で確認できる状態にしておくことが重要です。
不足と言われた場合にすぐ対応できるようにする
戸籍収集が終わったと思っていても、提出先から不足と言われることがあります。
たとえば、
・出生までつながっていない
・改製原戸籍が足りない
・除籍謄本が足りない
・相続人の死亡戸籍が足りない
・代襲相続人の確認が足りない
といったケースです。
このとき、担当者がすぐ対応できないと、手続き全体が止まります。家族内で進める場合でも、不足が出たときに追加請求できる体制を作っておく必要があります。
他の相続人に必要な範囲で共有する
戸籍には、家族関係や身分事項が記載されています。そのため、むやみに全員へ広げればよいわけではありません。ただし、相続手続きに必要な範囲では、他の相続人にも状況を共有する必要があります。
特に、
・相続人が誰なのか
・戸籍収集がどこまで進んでいるのか
・不足があるのか
・法定相続情報一覧図を作るのか
といった点は、共有しておいた方が後の手続きが進めやすくなります。
戸籍収集を任せる相手を間違えるとどうなるか
戸籍収集を任せる相手を間違えると、次のような問題が起こります。
・戸籍収集が途中で止まる
・必要な戸籍が足りないまま手続きに進む
・相続人の確認が不十分になる
・銀行や法務局で追加提出を求められる
・他の相続人に不信感が出る
・相続手続き全体が遅れる
特に問題なのは、途中まで進んでいるように見えて、実際には相続手続きに使える状態になっていないケースです。
相続の戸籍収集は、単に戸籍を何通か集めることではありません。相続人を確定できるところまで、戸籍をつなげる必要があります。
そのため、担当者を決めるときは、
・時間があるか
・郵送請求を続けられるか
・取得した戸籍を確認できるか
・最後まで対応できるか
・他の相続人に状況を伝えられるか
を基準に考える必要があります。
戸籍収集にお困りの方へ
相続では
・戸籍を出生から死亡まで集める
・相続人を確定する
・法定相続情報一覧図を作成する
必要があります。
しかし、実際には、
・家族内で誰が戸籍収集を担当するか決まらない
・担当者が忙しくて手続きが進まない
・どこまで戸籍を集めればよいか分からない
・途中まで集めたものの、足りているか判断できない
・相続人が多く、家族内で対応しきれない
といった理由で手が止まることがあります。
戸籍取り寄せ代行センター(行政書士)では
・相続に必要な戸籍収集
・相続人の確定
・法定相続情報一覧図の作成
をまとめて対応しています。
戸籍が多い相続でも、戸籍収集から一覧図作成まで一括対応可能です。
基本料金は19,800円です(料金は相続人の人数で変わりますが、戸籍の通数では変わりません)。
まとめ
相続の戸籍収集は、家族の誰か1人が担当して進めることもできます。ただし、誰に任せても同じではありません。
担当者を決めるときは、
・平日に対応できるか
・郵送請求を続けられるか
・取得した戸籍を確認できるか
・最後まで相続人確定まで進められるか
・他の相続人に状況を共有できるか
を基準にする必要があります。
忙しい人や、途中で対応できなくなりそうな人に任せると、戸籍収集が止まり、相続手続き全体が遅れることがあります。兄弟姉妹相続、再婚家庭、転籍が多いケース、相続人が多いケースでは、家族内で無理に対応するより、専門家に依頼した方が早い場合もあります。
戸籍収集は、相続手続きの入口です。誰に任せるかを最初に決め、相続人を確定できる状態まで進めることが重要です。
相続の戸籍まわりの全体像は
▶相続の戸籍の集め方と必要書類|解説記事一覧
にまとめています。他のケースや手続きも含めて確認したい方は、あわせてご覧ください。
